Netflixが、映画俳優組合(SAG-AFTRA)によるストライキ解決(※)の「数カ月後」に、広告なしのストリーミングプランを値上げする準備を進めていることが報じられた。実際に値上げされれば、米Netflixの料金値上げは2022年前半以来(日本での直近の値上げは2021年2月)となる。
※俳優組合とスタジオを代表する映画・テレビ製作者同盟(AMPTP)との話し合いは継続中で、次回の会合は本日10月4日(現地時間)を予定している。脚本家組合は、5ヶ月に及ぶ交渉の失敗を経て、先週AMPTPとの暫定合意に達した。
Wall Street Journal誌の報道によると、Netflix(ネットフリックス)は「世界のいくつかの市場」における値上げを協議しており、手始めに米国とカナダで値上げする可能性が高いという。
Netflixはこの件に関してコメントを拒んでおり、新料金の内容や、値上げ時期の情報は未出だ。
米国のNetflixでは、現在「スタンダード」プラン(2台のデバイスで同時視聴可能、広告なし)を月額15.49ドル(約2,300円)で、「プレミアム」プラン(4台のデバイスで同時視聴可能)を月額19.99ドル(約3,000円)で提供。Netflixは今年の夏、広告なしの「ベーシック」プラン(月額9.99ドル=約1,500円)を米国その他の市場で廃止し、登録者を月額6.99ドル(約1,050円)の「広告付きスタンダード」プランか、より高価格のプランに誘導しようとしている。
ちなみに、現在日本ではベーシック・プランはなくなっておらず、日本での月額はそれぞれ「広告付きスタンダード」が790円、「ベーシック」が990円、スタンダードが1,490円、プレミアムが1,980円である。
今年7月、Netflixのスペンス・ノイマン最高財務責任者(CFO)は投資家に対し、米国などの主要市場でストリーミングの値上げが行われるのは「1年以上先」だと語っていた。
日本での値上げが行われるのか、行われるならいつなのかは不明だが、続報を追いたい。
フリーライター(tvgroove編集者兼ライター)。2019年に早稲田大学法学部を卒業。都庁職員として国際業務等を経験後、ライター業に転身。各種SNS(Instagram・X)においても映画に関する発信を行いながら、YouTubeチャンネル「見て聞く映画マガジンアルテミシネマ」にて映画情報・考察・レビュー動画などを配信したり、映画関連イベントの企画・運営も行っている。