『ハリー・ポッター』の杖の模造品に欠陥があったことが原因で、3歳の子どもの眼球が破裂したとする訴訟が起きた。
※この記事には目のケガに関する痛々しい描写があります。
The Blast誌によると、3歳のハンター・ペリー少年は、レプリカの杖で目に大怪我を負ったという。
提出書類によると、少年の両親であるジェシカ&デヴィン・ペリー夫妻は「ライト機能とペン機能がついた『ハリー・ポッター』の杖のレプリカに欠陥があった」として、ワーナー・ブラザース・エンターテイメント社とワーナー・ブラザース・ディスカバリー・グローバル・コンシューマー・プロダクツ社に訴訟を起こしている。ケガの描写は恐ろしく、両親はそれを詳細に述べている。
事故当時、その杖のレプリカを持っていたのは小学校高学年であるハンターの兄。遊んでいた彼は、多くの子どもが行うように、魔法使いをマネた動きで杖を振ったという。
すると、不幸なことに、その鋭く尖ったペン軸(つまり、ペンの金属製の筆記部分)が「柄から飛び出して部屋を横切って飛んでいくと、ハンターの左目を貫通。眼球内の液体が流れ出す」という悲惨な事態になってしまったのだ。
ペリー夫妻は商品の欠陥が原因でケガにつながったと訴え、その商品は子どもが観るメディア(映画)フランチャイズから発売されているし、映画『ハリー・ポッター』で描かれるような使い方で子どもが遊べるように作られているとも主張している。
夫妻はレプリカをブリック・アンド・モルタル社の店舗で購入したというが、オンラインサイトには少なくとも1件、杖の欠陥について同社を批判するレビューがあった。
ある女性はレビューで、息子が杖を振った際に部品が彼女の頭部に飛んできたと記載。「痛すぎて、動脈瘤ができたのではないかと思った」「敵に使うなら役に立つが、子どもには最悪のデザインだ」と被害を訴え、痛烈に批判していた。
夫妻は訴訟において、同社はこのレビューを知っていたにもかかわらず、それについて何もしなかったと主張している。そして、現在もこの商品は依然として販売されているのだ。夫妻は「この商品には周囲の人に対する物理的な危険がある」と主張しているが、この危険性に関する公式な警告はされていない。
夫妻は、「激しい痛みを伴う手術」をする羽目になった3歳のハンターの傷を示す写真を訴状に添付。手術後もハンターの網膜は怪我のために不安定で失明に近い状態であり、「網膜を安定させるために2度目の痛みを伴う手術を受けざるを得なかった」「目に投与された薬物により、彼は苦痛に悲鳴を上げ、両親に止めるよう懇願した」と、両親は3歳の少年には苛酷すぎる経験を語った。
気の毒にも、少年は手術後数ヶ月間、1日に数回この治療を受けなければならず、さらに目をパッチで覆わなければならなかったという。
「この治療を受けたとしても、ハンターの人生は決して元通りにはならない」と訴える夫妻の裁判は現在も継続中だ。
フリーライター(tvgroove編集者兼ライター)。2019年に早稲田大学法学部を卒業。都庁職員として国際業務等を経験後、ライター業に転身。各種SNS(Instagram・X)においても映画に関する発信を行いながら、YouTubeチャンネル「見て聞く映画マガジンアルテミシネマ」にて映画情報・考察・レビュー動画などを配信したり、映画関連イベントの企画・運営も行っている。