リブート版『スリーピー・ホロウ』の監督が、自身のこだわりを明かした。
ハロウィーンの時期になると、ティム・バートン監督の映画を観たくなる方も多いだろう。ハロウィーンとクリスマスの交流を描く『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』をはじめ、「かわいくてちょっと不気味」な映画が多いバートン監督作は、ホラーが苦手な人でも楽しめるこの時期にぴったりの作品が多い。
ティム・バートン監督といえば、何度もタッグを組んでいるジョニー・デップとの作品の1つ、『スリーピー・ホロウ(1999)』も有名だ。そんな『スリーピー・ホロウ』は、ハドソンバレーに伝わる“首なし騎士”の伝承をもとにした1820年の小説が原作で、バートン映画以前にもサイレント映画やディズニーアニメ(『イカボードとトード氏』)など、何度も映画化が行われてきた。
【動画】『スリーピー・ホロウ(1999)』予告編
そして今、新たにリブート版『スリーピー・ホロウ』映画が企画中。Paramount +と協力して今作を撮るのは、『ペット・セメタリー』の前日譚『Pet Sematary: Bloodlines(原題)』も手がけたリンジー・アンダーソン・ビア監督だ。
ビアはThe Wrap誌に「何の作品を監督するにしても、同じ作品に関する他の映画を作業の前に鑑賞し直すことはない、というかできないの」「『ペット・セメタリー』に関わったときも、映像作品は見ずにひたすら本を読み直した。『スリーピー・ホロウ』でも同じだね」と、他の映像作品には触れずに自分の作品を撮るこだわりを語る。
【動画】ビア監督作品『Pet Sematary: Bloodlines(原題)』予告編
ただ、「私は子どもの頃、ティム・バートン監督の映画が大好きだったの」「何度も見直したのよ。ロマンス、不気味さ、あの空気感といった物語の柱は、今も私の心に息づいてる。もう一度わざわざ鑑賞し直す必要はないよ」と、幼少期に何度も鑑賞はしていることも明かすビアー。改めて参考にはしなくとも、間違いなくバートン作品は彼女の中に生きているようだ。
では彼女は今作を撮るにあたって、どこからインスピレーションを受けているのか。
ビアーは「私はハドソンバレーの実際の伝承や首なし騎士の起源といった現実の資料に深く入り込み、研究してるよ」「それに、その時代・その場所に関する視覚的なリサーチも同時にやってる」と、現実世界を飛び回って深い調査をしていることを明かす。
実際にビアはこの夏、1820年の原作にインスパイアを与えたハドソンバレーを訪れたという。
「まずはリアルから物事をはじめて、そこからは心の導きに従えばいいのよ」と、ビアはあくまで実体験から得たものを映画として昇華させる監督のようだ。
フリーライター(tvgroove編集者兼ライター)。2019年に早稲田大学法学部を卒業。都庁職員として国際業務等を経験後、ライター業に転身。各種SNS(Instagram・X)においても映画に関する発信を行いながら、YouTubeチャンネル「見て聞く映画マガジンアルテミシネマ」にて映画情報・考察・レビュー動画などを配信したり、映画関連イベントの企画・運営も行っている。