AMPTP(全米映画テレビ製作者協会)の各スタジオは、現在進行中の俳優ストライキの解決に向けた交渉がすぐに行われない場合、SAG-AFTRA(映画俳優組合-米国テレビ・ラジオ芸能人組合)との交渉を2024年まで延期する意向にあるという。
俳優ストライキは、ハリウッドのパフォーマーたちが公正な賃金、ストリーミングの残留賃金、AI規制などを求めて闘うなか、100日以上続いている。AMPTPとSAGの交渉は今月初めに決裂したが、10月24日から新たな交渉が続いている。
TheWrapによると、今週末までに俳優組合との交渉がまとまらなければ、スタジオ側はSAG-AFTRAとの交渉を2024年1月まで延期する意向だという。これは、もしすぐに協定が結ばれなければ、いずれにせよ2024年まで新しいプロダクションは始まらないという事実が影響している。このため、スタジオは交渉を推し進めるかもしれない。
スタジオがストライキをさらに長引かせるような行動をとることが報告されたり、非難されたりしたのは今回が初めてではない。9月には、SAG-AFTRAの交渉担当者であるダンカン・クラブツリー=アイルランドが、AMPTPのスタジオが組合との話し合いを拒否することでストライキを長引かせていると非難した。この最新の報告が実現すれば、大手スタジオのもとで進行中の映画やTVの新規プロジェクトは、しばらく製作を再開できないことになる。
俳優のストライキにより、すでに多くの映画が公開日を変更している。 例えば、『デューン 砂の惑星 PART2』は2024年に延期され、『ミッション:インポッシブル8(仮タイトル)』は2025年に延期された。俳優たちは新作映画の宣伝ができず、スタジオは公開までにストライキが終わることを期待して公開日を延期することになる。この傾向は2024年まで続きそうで、俳優が参加するプレス・ジャンケットを行えない大作映画の公開はさらに遅れることになりそうだ。
この新たな報告にもかかわらず、SAG-AFTRAとAMPTPの交渉は継続中のようで、合意にどれだけ近づいているかは(10月28日時点で)公式には発表されていない。