ジョン・ステイモスが幼少期の苦難を告白した。
ドラマシリーズ「フルハウス」で知られる俳優ジョン・ステイモス(60)は、10月24日に自身の書籍「If You Would Have Told Me(原題)」を発表。その中で幼少期にベビーシッターから性的虐待を受けた経験があることを明かしている。
18日に米People誌が出した取材記事によるとステイモスは、ベビーシッターの行為が不適切であると気づいて本を書くに至るまでに「時間を要した」と語っている。
彼は「つまり、えっと…その出来事はいつも僕の背景にあったし、だから性被害者たちの支援活動もしてる」「(性的被害の)記憶が少ししかないような感覚だったんだ。ずっとそこにあったんだけど、性被害者がよくそうするように、僕もその記憶を封印していたんだ」と、記憶を封じ込めていたことで事実の告白まで時間がかかったことを明かした。
19日、ステイモスはインスタグラムに動画を投稿し、この一件について公にコメント。この件をもう少し詳細に語りたいと話した。
「約40年間にわたり、僕は児童虐待の撲滅と防止に熱心に取り組んでいる団体『チャイルド・ヘルプ』の代表として支援活動をしてきた」「この関係、そして代表者という肩書きを、僕は深く大切にし、重要に思っているよ」と自身の支援活動を誇りに思うステイモス。
彼は続けて「さて、もしかしたら皆さんの中には、私が子供の頃に起こったことに共感できる人がいるかもしれない。それはベビーシッターとの間に起きた、不安な出来事だ」「そして僕はどう反応していいかわからなかったし、誰かに伝えるべきなのかもわからなかった。奇妙な感覚だったよ」「そして、当時も今も、あんな年齢でそんな感覚を味わったことは嫌な経験だったということは当時も今も感じている。だからその記憶は封印して、決して話さないようにしていた」と、当時の困惑と不安、そして記憶の封印について説明。
そして記憶の復活について、「5年くらい前、僕はチャイルド・ヘルプの支援活動のためにスピーチ原稿を書いていた。その時、突然全ての記憶が舞い戻ってきたんだ。まるで過去に起きた出来事と当時の感情が、すごく鮮明なヴィジョンとして洪水のように襲いかかってくるような感覚で…すごく取り乱したよ」と押し寄せたフラッシュバックへの恐怖を明かした。
続けて「そして僕は『えっと…僕はこれについてスピーチで話すべきなのかな』と思い、NOと思いとどまった。スピーチするのは子どもたちのためのイベントで、僕のためじゃないからね。そして『いつか来たるべき時にこの話を明かそう』と思ったんだ」「何度も熟考を重ねて、家族や友人とも相談した上で、僕はこの本を出す時がこの件を語るタイミングだと判断した。たった2、3段落だけど、重要で深く伝えたい部分だ」と、ステイモスは明かすべきタイミングが訪れた経緯を語った。
この告白の意義について彼は「今日僕は、似たような経験を誰にも言えずにいたという3人もの友人からメッセージをもらった。3人もだよ。だから僕がこの話を明かしたことは3人の友達の助けになったんだ。うれしく思うよ。覚えておいてほしい。被害にあったみんなには一切責任はないし、誰かにその話を聞いてもらってサポートを受ける権利がみんなにあるんだ」と、自分の告白が人々を助けられることを喜び、そして同じような経験をした人々を勇気づけるメッセージを発信した。
フリーライター(tvgroove編集者兼ライター)。2019年に早稲田大学法学部を卒業。都庁職員として国際業務等を経験後、ライター業に転身。各種SNS(Instagram・X)においても映画に関する発信を行いながら、YouTubeチャンネル「見て聞く映画マガジンアルテミシネマ」にて映画情報・考察・レビュー動画などを配信したり、映画関連イベントの企画・運営も行っている。