イギリスのミュージシャン、YUNGBLUD(ヤングブラッド)が来日。tvgrooveは彼にインタビューを実施した。彼へのインタビューは2022年の来日インタビューに引き続き2回目だ。
YUNGBLUDは10月31日から11月3日まで、Bring Me The Horizon(ブリング・ミー・ザ・ホライズン。以下BMTH)が主催するライブ・フェス「NEX_FEST 2023」に参加。11月6日には豊洲PITで単独公演を行った。
YUNGBLUDは2023年、「Low Life」「Hated」「Happier」というシングルをコンスタントにリリース。「Happier」はBMTHのボーカルであるオリヴァー・サイクスとのコラボシングルで、NEX_FESTでは互いのステージにゲストとして参加し合ってオーディエンスを盛り上げていた。
NEX_FESTに連日参加していましたね。圧巻のパフォーマンスが話題になっています。今回は昨年のサマーソニックに引き続きの来日となりますが、日本の印象はいかがですか?
YUNGBLUD:日本でライブをすると、「YUNGBLUDは日本のために存在する」みたいな気分にさせてもらえるんだ。日本のみんなのリアクションもすごくいいしね。俺の価値観は日本とすごく近いと思う。
ロックスターの中には“自分のため”にライブをやってるやつらがいるだろ?あれじゃクソつまらないよ。俺にとってライブっていうのはミュージシャンとオーディエンスのコミュニケーションなんだ。そのコミュニケーションがすごく上手くできるのが日本。言葉は通じなくても、つながりを感じることができるのが日本なんだよ。
ライブMCでは「ありがとうございます」「愛してる」以外にも、「手を挙げて」「(あえてカタカナ発音で)モッシュピット」など、日本語をたくさん使っていますね。日本のファンはそれをとても喜んでいて、インターネット上でも話題になっていますよ。
YUNGBLUD:うん、日本語をがんばってみてるよ。俺にとってすごく大事なことだから、できるだけ楽屋で日本語を覚えようとしてる。日本に来るのは俺の夢だったんだ。オアシスも日本に来てたし、セックス・ピストルズの武道館ライブのDVDだって持ってる。彼らのように日本に来て日本語を話すっていうのが夢だった。
NEX_FESTにはマキシマム ザ ホルモン、BABYMETALといった日本のアーティストも参加していました。日本のアーティストの印象はいかがですか。
YUNGBLUD:BABYMETALはすでに大親友で、今ちょうどコラボレーションの相談を進めてるんだよ。名古屋で彼女たちのパフォーマンスを観てすぐ、移動の新幹線の中でノートパソコンで曲作りを始めた。昨日それができたから、今夜にでも彼女たちに送って提案しようと思ってるよ。本当に彼女たちが大好きで、新たにお気に入りのアーティストができたよ。
近年は日本も含め、アジアのアーティストにも注目が高まってきたと思いますが、印象的なアーティストはいますか。
YUNGBLUD:韓国に行った時にたくさんのK-POPアーティストと会ったよ、TOMORROW X TOGHETHER(TXT)とかね。彼らはみんなパンクが好きで、俺とバイブが合うんだ。クールだなと思ったよ。あと、彼らはすごく綺麗だよね。どうスキンケアしてるのか聞いてみたいよ(笑)
2023年もテンポよく楽曲リリースをされてきましたね。今年を振り返ってみて、一番印象的なことは?
YUNGBLUD:(自身の)ツアーを回って、5万人くらいを前にパフォーマンスしたことだね。雨あり炎あり衣装チェンジありで、大きな世界観を作り上げることができた。みんなを俺の世界に迎え入れて一緒に世界を築くことができたことは今年一番すばらしいことだよ。
(破天荒で自由なパフォーマンスも話題のYUNGBLUDですが、)今年のライブで一番のハプニングは?
YUNGBLUD:オーディエンスのジャンプの力がすごすぎてコンクリートの床が壊れたことがある(笑)マジのコンクリートだよ。ヒビ割れたコンクリートは最高に笑えたね。みんながクレイジーになれる、それこそがYUNGBLUDのショーだと思えたよ。
今回の「Happier」はBring Me The Horizon(BMTH)のコラボですね。BMTHとは2020年のBMTHの楽曲「Obey」でもコラボされていますが、彼らとのコラボはいかがでしたか。
YUNGBLUD:最高にクールなコラボだったよ。誰かとコラボする時は、自分の世界観でやる曲と、相手の世界観でやる曲の2曲が必要だと思ってる。(BMTHの世界観でやった)「Obey」はダーク、(YUNGBLUDの世界観でやった)「Happier」はピンクって感じだね。このギャップはネットミームにもなってるんだよ(笑)
【動画】Bring Me The Horizon「Obey with YUNGBLUD」ミュージック・ビデオ
楽しそうにスマホを取ってきた彼は、ダークな建物とピンクの建物が並んでいるサンタモニカの街並みの写真を「Obey」「Happier」になぞらえて見せてくれた。
来年2024年の予定は?
YUNGBLUD:来年は本格的に作品作りに焦点を置いて、アルバムのことも考えたいと思ってる。どこまで発表していいかわからないから今は秘密だけど、ある企画もスタートする予定なんだ。YUNGBLUDの印象も変わるんじゃないかな。2024年は俺のキャリアの中でもエキサイティングな年になると思うよ。
最後に我々は、日本のYUNGBLUDファン、そして今回の来日でYUNGBLUDを知ることになる日本の新たなファンに対してメッセージをお願いした。
彼は全力の笑顔で「こんにちは、ジャパン!It’s YUNGBLUD」と日本語であいさつ。
「今週は俺を受け入れてくれて本当にありがとう。日本という国が大好きだよ。絶対また戻ってくるって約束する。YUNGBLUDファミリーへようこそ。みんな愛してるぜ」
「ありがとう」と日本語で締めくくり、投げキッスをしてくれた。
(インタビュー終わり)
【動画】YUNGBLUD「Happier」ライブ映像
フリーライター(tvgroove編集者兼ライター)。2019年に早稲田大学法学部を卒業。都庁職員として国際業務等を経験後、ライター業に転身。各種SNS(Instagram・X)においても映画に関する発信を行いながら、YouTubeチャンネル「見て聞く映画マガジンアルテミシネマ」にて映画情報・考察・レビュー動画などを配信したり、映画関連イベントの企画・運営も行っている。