人気番組「サタデー・ナイト・ライブ(SNL)」が、番組内のコントで「ハマス」をネタにしたことによって批判の声が相次いでいる。
12日、SNLは「Jumper」と題したコントを配信したのだが、その中で「HAMAS(ハマス)」という単語を笑いの要素として登場させたことが「不謹慎だ」と猛批判を浴びている。コントにはコメディアン・トリオの「Please Don’t Destroy(プリーズ・ドント・デストロイ)」と共に、同日のゲストであった人気俳優ティモシー・シャラメも出演していた。
シャラメには自身の主演映画『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』の公開が控えており、“番組のゲストとして、コントで役を演じさせられた”という理由で炎上に巻き込まれてしまうとは気の毒な話だ。
Please Don’t Destroy – Jumper pic.twitter.com/AyZYHKDKfo
— Saturday Night Live – SNL (@nbcsnl) November 12, 2023
コント「Jumper」では、街を歩いていたPlease Don’t Destroyの3人がミュージシャンの夢を諦めて飛び降り自殺を試みる男性(シャラメ)を見つけ、彼を止めようとする。
3人は「死ぬことないだろ、音楽を僕らに聞かせてよ」と声をかけ、その男性は音楽をかける。3人は彼の音楽をInstagramでシェアすると約束したのだが、男性のユーザー名が「Hamas(発音は“ヘイマス”のような発音だが、文字列がHAMAS)」だとわかると、「インスタでハマスはシェアできないよ」と3人が焦るのだ。
10月7日にはハマスのテロリストによる襲撃が音楽フェスティバルに参加していたさまざまな国の人々の命を奪い、その後も1万人以上のパレスチナ人が亡くなっていると連日報道されている状況で、「ハマス」をコメディのネタとして扱った本件のコメント欄は完全に大炎上。
Ew cancelled. Bye, your script is totally disaster and your sense of humour is really worst
— Fay 🌧️ (@fayerrain) November 12, 2023
Suicide and genocide as a skit? Thousands of dead Israelis and Gazans, and this is your best?
This has to go a long way to be simply distasteful and sophomoric. Shame on you.— AnnieRN (@ann_mcnitt) November 12, 2023
「うわ、もう見ないわバイバイ。あなたたちの脚本は完全に終わってるし、ユーモアセンスもマジで最低だよ」「この番組は打ち切りになることを望んでいるんだと思う」「自殺と大量殺りくをコントに!?イスラエル、ガザで何千人が死んでるのに、SNLはこれを最高だと思ってるの?これを単なる『悪い冗談』として済ませることは難しいよ」など、X(旧ツイッター)のリプライ欄には大量の批判が集まっている。
11月13日午前3時30分(日本時間)現在、そのコント動画はXにアップされたままで、SNLはこの件に反応していない。
番組の脚本によってゲストのキャリアにまで傷がついてしまうような展開にならないことを願うばかりだ。
フリーライター(tvgroove編集者兼ライター)。2019年に早稲田大学法学部を卒業。都庁職員として国際業務等を経験後、ライター業に転身。各種SNS(Instagram・X)においても映画に関する発信を行いながら、YouTubeチャンネル「見て聞く映画マガジンアルテミシネマ」にて映画情報・考察・レビュー動画などを配信したり、映画関連イベントの企画・運営も行っている。