『パシフィック・リム』『キング・アーサー』の人気スター、チャーリー・ハナムと大ヒット映画『ボヘミアン・ラプソディ』で世界を魅了し、本年度アカデミー賞主演男優賞受賞を果たしたラミ・マレックの最旬スターがタッグを組み、45年ぶりに映画化される脱獄映画の金字塔『パピヨン』。本作より、本編映像とハナム、ラミのインタビューが公開された。
作家アンリ・シャリエールの壮絶な実体験を基にした終身刑囚“パピヨン”の13年に及ぶ命をかけた脱獄劇。この世界的なベストセラー自伝小説は1973年『猿の惑星』などの名匠フランクリン・J・シャフナー監督と、ハリウッドの異端児と呼ばれた脚本家ダルトン・トランボのタッグにより映画化され、パピヨン役スティーヴ・マックイーンの鬼気迫る熱演と、ダスティン・ホフマン演じる偽札作りの天才ドガとの熱い友情は多くの人々の共感と感動を呼び大ヒットを記録した。
今回解禁された本編映像では、恐怖の独房でのパピヨン(ハナム)の過酷な日々シーン。やせ細りながらも筋トレを課し鍛え上げた肉体美は壮絶だ。マックイーンの独房シーンも、ゴキブリを食べるなど名シーンなので見比べても楽しめる。
インタビューでは、監督が「テーマはブロマンス」と語るなど、チャーリー・ハナムとラミ・マレックが一緒に励んだ減量トークなど、仲良しっぷりが伝わってくる。(ブロマンス:男同士の熱い友情、絆)
【動画】映画『パピヨン』独房シーン映像
●3ショットラウンドインタビュー内容●
CH=チャーリー・ハナム、RM=ラミ・マレク、MN=マイケル・ノアー監督
Q:前のバージョンから45年ほどを経ての再映画化ですが、今、まだこの話が古くならないのは、どうしてでしょうか?
MN: 僕にとって、これは、希望と友情の話だ。少なくとも、僕は、そんな映画を作ろうとした。それに、僕は、優れた映画と比較されることを恐れてはいなかったんだよね。そうじゃなくて、優れた本を自分で映画にするつもりだったから。その本のテーマは、今もタイムリーに感じられる。みんなもそう思ったから、お腹がすいていても、雨が降っていても、撮影を乗り越えられたんだと思うよ。
CH:ラミも撮影中痩せたよね。必要がないのに(笑)。
Q:そのテーマというのは、法のシステムというものも含まれますか?
MN: そうだ。そして敗者復活ということもね。それにブロマンスもだ。
Q:役者にとっては、前に誰かが演じた役を演じるというのは、よくあることですよね。とくに古典劇などでは、しょっちゅうです。それでも、スティーヴ・マックイーンとダスティン・ホフマンのイメージが強いこの役を演じる上では、プレッシャーがあったのでしょうか?彼らの演技から影響を受けましたか?
CH: もちろん、躊躇は感じたよ。また作る意味はあるのか、だとしたら、僕らはさらに何を言おうとするのかを考えた。どんなふうに違う映画にできるのか、もっと時代に合わせるために何ができるのかなどもね。だが、僕はいつも監督を重視する。映画というのは監督がリードする芸術だ。僕は、このプロジェクトが生まれるずっと前から監督のファンだった。僕は、彼独特のセンスが好き。とてもモダンな視点を持っていると思う。その視点でこの話が語られるということに、僕は興味を感じたんだ。
RM: 僕も同じだね。監督、チャーリーとこの映画について話し合いを始めた途端に、それら(躊躇や迷い)は吹き飛んだよ。彼は、独自の視点を持っている。それが一番の関心事になったんだ。
Q:このふたりの間には強い信頼がありますが、あなたたち二人は、どのようにそれを築いたのでしょうか?
CH:ケミストリー(相性)というものについて僕はよく聞かれるんだけれども、そもそも、それは、相手のことを好きかどうかという単純なことなんだと思うんだよね。それは、一緒に食事をしたり、飲みに行ったり、街を歩いたりすることで次第に強くなっていったりする。だから、映画でいいケミストリーが生まれるかどうかは予測がつかないんだよ。その人のことを好きになれるかどうか、わからないんだから。
Q:監督とのお仕事について語ってください。
RM: チャーリー同様、僕も以前から監督のファンだったんだ。彼はとてもユニークな形で物語を語る。彼の映画では、ひとつひとつの瞬間にクリエイティビティがあると思う。そして、僕らにもそうするよう、刺激を与えてくれるんだ。自発的なクリエイティビティが生まれるよう、彼は奨励するのさ。それは、僕らがいつも最も欲すること。自分でそれができれば最もいいんだが、それができない時、彼のように、それを触発してくれる人がいるとすばらしいんだ。ひとつひとつの瞬間の、自発的なクリエイティビティ。それは、スクリーンで起こるラッキーなアクシデントとも呼べるかもしれない。
Q:チャーリー、この役のために、あなたは相当に体重を落とさなければいけなかったのですよね?お腹がすいて機嫌が悪くなったりしませんでしたか?
CH: 僕らはどちらも相当に体重を減らしたんだよ。
RM: でも、チャーリーのほうがもっと減らしたよね。
CH: 一緒にお腹を空かせることから来る同志の気持ちみたいなのは、あったよね。確かに、機嫌が悪くなったことはあったかもしれない。監督に当たったことがあったような気がする(笑)。ラミに当たったことはなかったと思うな。そんなことしたら、逆に彼から当たられるだけだから(笑)。あれだけの体重を短い期間で減らすのは、大変だよ。それをやると、心が落ち着いて集中力がつく一方で、気分の上下があったりする。そんな相反するふたつの要素が出てくる。興味深いんだよね。今、僕はまたやっているんだけど。ここ5本のうちに3本で、僕は減量したんだよ。この5週間で25ポンド(約11キロ)も落とした。ずっとお腹をすかせているよ。これが最後。もうこれはやりたくない。
RM: 今日、君を見て、「え、またやってるの!」って思ったんだよね(笑)。
Q:短期間で痩せないといけない時は、どうやるんですか?
CH: ビーガン(完全菜食主義)の食事にするね。だけどもっと効果的なのは、3つの白を食事から排除することだ。砂糖、乳製品、小麦粉。
Q:パピヨンが(最後に)海に飛び込むシーンは、どのように撮影したのですか?飛び込むところだけスタントマンを使ったりして、分けたのでしょうか?
CH: 僕が実際にジャンプをしたよ。(一同笑)
MN: チャーリー自身にあれをやってもらうだけの金銭的リスクを負うことはできなかった。だが、あれは、グリーンスクリーンは使っていないよ。(セクションごとに)分けて、同じ場所で撮影し(それをつなげ)ている。僕らは崖っぷちに立って下を眺めたが、あれは相当に高い場所だった。
RM:チャーリーがまさに飛び込もうとしているシーンで、彼は本当に崖っぷちギリギリまで行くので、僕は心配したよ。近すぎるよ、と思って(笑)。おかげで僕のリアクションは、演技というよりリアルになった(笑)。
Q:刑務所にひとりで放り込まれる気持ちについて、何かリサーチはしましたか?
CH: ちょっとだけ、としか言えないな。とてもじゃないけれども、あの気持ちがわかったと僕に言うことはできない。この人たちは、本当にそれを経験したんだよ。僕がわかったのは、あくまで表面だ。僕は、役の気持ちに浸るため、2、3日、食事をせず、一箇所にとどまって、人と会話もせずに、孤独を通すことをやった。それだけでも、気分にものすごい影響があったよ。「パピヨン」の原作もだが、Rene Belbenoitの「Dry Guillotine」が、とても参考になったね。この本にはみんな夢中になったよ。彼はジャーナリストなので、もっと学問的なアプローチで独房に入った状況を語っている。「パピヨン」もすばらしいが、こちらはもっと冒険アクションものだ。
Q:こういう暗い役に浸り、また自分自身に戻るのは、大変でしたか?
RM: 僕らのロケ地は、ほかの世界から遠く離れていた。それは今回に限らず、映画の撮影ではよくあることだ。それに、今回は、1日の撮影が終わったあと、僕、チャーリー、監督は一緒に帰宅しつつ、次の日の撮影について話し合ったりした。だから、別の映画の時みたいに、途中で自分に戻るというチャンスが、あまりなかったんだよね。僕らはこの世界にどっぷりと浸った感じだった。それに、幸運なことに、今回、僕らは、かなり話の流れどおりに撮影することができている。それは贅沢なことだよ。前の日に起こったことの続きを、翌日に撮れるなんてね。それがわかっているだけに、その流れをわざわざ止めることをしたくなかったんだ。それがずっと続くと、さすがに最後の方は気分的に辛かったけれど、それが僕らの仕事だからね。それができないとなると、俳優として問題だよ。
CH: 僕らは週6日撮影して、その間は夜に(次の日のための)話し合いをし、7日目、つまり休日には、これから来る1週間についての話し合いをした。そんなふうにどっぷりと浸かれたのは、すばらしかったよ。ノンストップという感じだった。常にこの映画の世界にいた。撮影が開始する前から、僕らはみんな同じホテルに泊まって、朝食を取りながらミーティングをしたりしたんだ。ランチも同様。そして夜はまた話す。
Q:あなたたち自身は、刑務所に入ったことがないですが…。
CH: いや、僕は、モントリオール空港で14時間、監禁されたことがあるよ。その経験がある。TSAの係員に、下手なことを言ったせいでね。夜中じゅう撮影して疲れているというのに、そいつが面倒くさいことを言ってきたからさ。それで、「お願いですから、そういうバカなこと言うの、やめてくれます?」って言っちゃったんだ。それについて向こうが何か言ってきて、また言い返してしまった。そして気づいたら、手錠をかけられていた(笑)。
Q:監督への質問です。この映画のほとんどは、とても暗いところで撮影されています。明るいのは、あの島だけですよね。それは意図的ですか?
MN: これはまさに、明るさと暗さについての映画なんだ。心理的にも暗いところから明るいところに行くが、ビジュアル的にもそう。この物語では、あらゆる「取引」がなされる。ボディガードにお金を渡したりね。さらに、キャラクターの「取引」もある。このふたりは、映画の最初で、あまり好感をもてない男たちだ。だが、このふたりが一緒になると、人は「このふたりがずっと一緒だといいな」と思う。このふたりのコンビには、いいバランスがあるんだ。明るさと暗さ、陰陽、男と女。映画に女性は出てこないが、パピヨンは、話が進むに連れて、少しずつフェミニンになって行く。逆にドガは暗くなって行く。マスキュランになっていくというか。それは画面にはそのまま出ていないかもしれないが、見えないところでドラマがなければ、見えるところにドラマは出てこないんだよ。
Q:ラミ、あなたは、大ブレイクを果たす前にこの映画の役を得たのですよね?
RM: ブレイクなんて、まだしていないよ(笑)。
Q:「Mr. Robot」でエミーを取る前に、この役が決まっていたと聞いていますが。
RM: ああ、それは僕にとってすごく大きなことだったよ。さっきも言ったとおり、僕はマイケルとチャーリーのことをすごく尊敬していたから。そこに自分が入れてもらえるなんて、僕の人生でとても特別な瞬間だった。本当に光栄に感じた。彼らがストーリーを語る上で、僕のことも検討してくれたという、それだけでも、僕にとってはとても大きなことだったんだよ。すごく感謝した。
STORY
1931年、パリ。「狂乱の時代」の終焉。胸に蝶の刺青を入れていることから “パピヨン”と呼ばれた男は、無実の罪で終身刑を言い渡され、フランス領・南米ギアナの悪魔島に送られる。周囲を海に囲まれたこの島は脱出不可能な場所として知られ、囚人達は人権をはく奪され過酷な強制労働を科せられていた。絶望と死が支配する場所で自由と希望を求めて足掻くパピヨンは、志を同じくする紙幣偽造の天才ドガと出会い、やがて二人は奇妙な友情で結ばれてゆく…。
公開情報
『パピヨン』
6月21日(金)TOHOシネマズ シャンテ他全国ロードシ
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