マーベル・スタジオ社長のケヴィン・ファイギが、ロバート・ダウニー・Jr.演じるアイアンマンの復活は望んでいないと発言した。
マーベル・スタジオ社長のケヴィン・ファイギは最近のVanity Fair誌の特集記事で、『アベンジャーズ/エンドゲーム』で犠牲になった、ロバート・ダウニー・Jr.演じるアイアンマン/トニー・スタークがMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)で復活するというウワサに否定的な回答を示した。
ファイギは「あの瞬間を我々は守っていく予定だよ。あの瞬間に再び手をつけるということはない」と、トニー・スタークの死という感動的で衝撃的なシーンを守っていく意志を明言。「あの場面にたどり着くために我々は全力を費やしてきた。魔法か何かで元に戻すようなこと、絶対に望まないよ」と、シリーズに語り継がれる名シーンをなかったことにするような展開はあり得ないとした。
【動画】『アベンジャーズ/エンドゲーム』予告編
ダウニー・Jr.は1996年、ヘロイン・コカイン・銃の所持で逮捕され俳優としてのキャリアが危機を迎えていたが、そんな彼を救ったのがケヴィン・ファイギと、『アイアンマン』の監督兼ハッピー・ホーガン役のジョン・ファヴローだった。
「過去に法的なトラブルを抱えていた俳優に(MCUの)未来を賭けることに、マーベルの役員たちは純粋に不安を感じていた」と述べたファイギは、「『ノー』と言われるのはあのときも、今だって得意じゃないんだ。でも僕は我が道を押し通すために無理強いすることもしない。なぜ我々がその方向に向かうべきなのか、他の人々にわかりやすく伝える方法を探していたんだ。そのとき、スクリーンテストをしてみようと思った」と、ダウニー・Jr.のアイアンマン役に人々が納得するよう奮闘した過去をふり返った。
結果としてアイアンマン役を勝ち取ったロバート・ダウニー・Jr.は、“アベンジャーズ”の中心人物としてヒーローたちを導くトニー・スターク役を11年間務め、MCUシリーズの大ヒットに貢献した。
【動画】『アイアンマン』予告編
ファイギは「『ロバートが演技部門の責任者だ』と冗談を言われるくらい、誰もが彼を尊敬していた」と、いかにMCUの現場を彼が支えたかをふり返り、「彼はその翼でみんなを引っ張ってくれたが、それは単にみんなが従属したという関係ではなく、彼自身がみんなのチアリーダーだったんだよ」と、引っ張るだけでなく、みんなを応援して鼓舞してくれるリーダーだったロバート・ダウニー・Jr.を称えた。
フリーライター(tvgroove編集者兼ライター)。2019年に早稲田大学法学部を卒業。都庁職員として国際業務等を経験後、ライター業に転身。各種SNS(Instagram・X)においても映画に関する発信を行いながら、YouTubeチャンネル「見て聞く映画マガジンアルテミシネマ」にて映画情報・考察・レビュー動画などを配信したり、映画関連イベントの企画・運営も行っている。