ビリー・アイリッシュが、彼女のセクシュアリティをカミングアウトさせようとする雑誌を批判した。
ミュージシャンのビリー・アイリッシュ(21)はVariety誌の11月13日に掲載されたインタビューで、公の目にさらされた状態で若い女性として生きることや、他の女性に攻撃的な態度を取られているように感じていたことについて語り、その際に「私は女の子とあまり深い関わりを持てたことがない」「彼女たちが好き。人間として愛していて、本当に彼女たちに惹かれてる」と発言した。
しかしその後行われた同誌のヒットメーカー・アワードの場で、ビリーはカメラの前で“上記の発言がカミングアウトを意味するのかどうか”について尋ねられた。
【動画】レッドカーペットでのインタビュー映像(英語)
その場ではにこやかに質問に応じ、「みんなが知らなかったなんて気づかなかったよ」「記事を見たときに『そうか、私は今日カミングアウトしたんだ』と気づいたよ。でもそれはいいこと。みんなが知るのはクールだよね」と答えたビリー。しかし続けて「私たち(セクシュアル・マイノリティ)はただそこに存在することを許してもらえないの?長い間ありのまま生きてきて、話してこなかっただけなんだけど」と、ストレートであれば受けない質問がセクシュアル・マイノリティに対しては増える現実に疑問を呈した。
そしてその後、彼女はInstagram(インスタグラム)での投稿を通じて、その質問について皮肉を交えながら批判している。
「ありがとうVariety。賞をくれたことと、午前11時のレッドカーペットの上で、他のもっと重要なことを話す代わりに私のことをカミングアウトしてくれたことに感謝するよ」と皮肉な感謝を述べ、「私は男性も女性も好き。この件についてはもう放っておいて。どうでもいいことでしょ」と今後セクシュアリティについて議論しないでほしいとした。
ストレートが異性と交際したり、異性を愛した経験を掘り下げられたりする頻度に対して、セクシュアル・マイノリティの同性愛経験は人々の好奇の目にさらされがちな現在、ビリーが「なぜ自分たちだけがわざわざ質問をされなければならないのか」と考えるのも自然なことだろう。
フリーライター(tvgroove編集者兼ライター)。2019年に早稲田大学法学部を卒業。都庁職員として国際業務等を経験後、ライター業に転身。各種SNS(Instagram・X)においても映画に関する発信を行いながら、YouTubeチャンネル「見て聞く映画マガジンアルテミシネマ」にて映画情報・考察・レビュー動画などを配信したり、映画関連イベントの企画・運営も行っている。