サミュエル・L・ジャクソンが『アベンジャーズ』撮影にあたってある“約束”をしていたことが話題になっている。
MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)作品におけるサミュエル・L・ジャクソンといえば、「アベンジャーズ」の立ち上げを計画し、ヒーローチームを引っ張ってきたニック・フューリー役だ。
その権威は衰えてはいったが、直近でもドラマシリーズ「シークレット・インベージョン(2023)」で主人公として活躍、『マーベルズ(2023)』にも登場しており、ハデなヒーローの多いMCUにおいて無能力者ながら中心人物であり続ける、存在感のあるキャラクターだ。
【動画】「シークレット・インベージョン」予告編
そんなサミュエル・L・ジャクソンだが、『アベンジャーズ(2012)』でニック・フューリーとして本格的に活躍し始める前に、ジョス・ウェドン監督とある約束をしていたことがわかった。
MCUの製作の裏話が多数語られた新書「MCU:The Reign of Marvel Studios(訳:マーベル・スタジオ君臨時代)」で、著者ら(ジョアンナ・ロビンソン、デイヴ・ゴンザレス、ギャビン・エドワード)はその約束についてこう綴っている。
「ウェドンがジャクソンと脚本について話したとき、当時62歳だった彼(ジャクソン)はニック・フューリーについて1つだけリクエストをした。それは『走りたくない』ということだったんだ」と60歳を超えていた大俳優ジャクソンは走ることを望まなかったことが判明。
しかしその後、「彼は脚本を持ってきて動作指示を指差した。そこには『フューリーがロケットランチャーを持ってヘリキャリアのデッキを走る』と書いてあり、彼は『何て書いてある?俺が走るって書いてあるぞ!』と抗議した。ウェドンは『たった1回だ』『1回だけ走ってくれ』と懇願したんだ」と、ジョス・ウェドンの懇願で1度だけ走ることになったことがわかる。
抗議の際の怒り具合やウェドン監督の懇願っぷりがどれほどだったのかは定かではないが、たしかに映画開始から2時間を過ぎたあたりで、ニューヨークに向けて発進する戦闘機を撃ち落とそうとニック・フューリーが小走りするシーンがある。
とはいえ映像でいうと合計1秒あるかないかくらいしか走っていないため、ウェドン監督はジャクソンの走りを最低限で済ませたということだろう。
それからさらに時を経て現在75歳のサミュエル・L・ジャクソン。激しいアクションは難しいかもしれないが、今後もニック・フューリー役や他のキャラクターとしての活躍を期待したい。
フリーライター(tvgroove編集者兼ライター)。2019年に早稲田大学法学部を卒業。都庁職員として国際業務等を経験後、ライター業に転身。各種SNS(Instagram・X)においても映画に関する発信を行いながら、YouTubeチャンネル「見て聞く映画マガジンアルテミシネマ」にて映画情報・考察・レビュー動画などを配信したり、映画関連イベントの企画・運営も行っている。