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『バービー』アメリカ・フェレーラがSeeHer賞を受賞! セレーナ・ゴメスやジェナ・オルテガの名前も挙げ、マイノリティの進出を讃える「私たちは全員、見られる価値がある」

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バービー』グロリア役のアメリカ・フェレーラがSeeHer賞を受賞した。

『バービー』で人間サイドのメインキャストであるグロリア役を演じたアメリカ・フェレーラが、1月14日(現地時間)に開催された第29回クリティクス・チョイス・アワード(放送映画批評家協会賞)でSeeHer賞(※1)を受賞した。

※1:ステレオタイプを壊し、ジェンダーの境界線を押し広げ、エンターテインメント界でリアルな女性たちの姿を描写する人に贈られる賞。過去にゼンデイヤ(『マルコム&マリー』)、ジャネール・モネイ(『ナイブズ・アウト:グラスオニオン』)らが受賞。

『バービー』主演のマーゴット・ロビーが彼女を「アーティストで運動家。彼女は私たちに真実を伝えてくれます。そして世界や私たち自身をより高みに導いてくれる人です。賞賛に値する女性です」と、世界を牽引する存在として紹介すると、フェレーラは嬉しそうにステージに登壇した。

フェレーラは「撮影機器が私のスピーチを映すのを待つわね…よし」と笑うと、スピーチを開始。

ラテン系アメリカ人としての幼少からの思い

「協会の皆さんありがとう。あなたたちの声は、私たちの物語について人々がどう考え、どう評価するかの基盤になってるわ。私を認めてくれて、讃えてくれたこと、本当にありがとう」と協会に感謝する彼女。

「この賞は、賞自体以上に私には意味があるの」という彼女は、「テレビ・映画・劇場を愛すホンジュラス系アメリカ人の第一世代として育ち、私自身を重ねられる人がいないストーリーテリング業界に自分から参加したいと必死で願って生きてきた」と、マイノリティの自分にとって、ここにたどりついたことがどれほど特別かを説明。

「もちろん私のような強さと複雑さを抱えたキャラクターに感情移入することはあったけど、それらの人物が私に似ていることはほとんどなかったの。私は、スクリーンの中で自分に完璧に似ているような人物が登場するのを見たかったんだ」と、幼い頃の願いを振り返った。

「私たちには見られる価値がある」

彼女は「私が働き始めた20年前は、ラテン系のキャラクターを立体的に表現してキャリアを築くなんて不可能に思えた」という彼女は、勇敢な関係者たちがステレオタイプに立ち向かい、「恐れ知らずでファンタスティックな女性像」を描けるようになったことを「恵まれている」と感謝。

「今、私は(幼い頃誰にも重ねられなかった自分のようなラテン系の人々)を見つけられているし、『バービー』で私の娘を演じた愛するアリアナ・グリーンブラット、そしてジェナ・オルテガやセレーナ・ゴメス、ほかにも新世代の才能たちがいる」とラテン系の人々が表舞台で活躍するようになった現在を喜んだ。

続けて「私にとってこれこそ、互いの人間性を完全に肯定し、『肌が黒くても茶色でも、アジア系でもトランスジェンダーでも障がいを持っていても、私たちには見られる価値がある』という真実をサポートするための、ストーリーテリングの最善かつ最高の使い方なの。私たちは全員、人生を豊かに送っていいし、私たちの人生を真実に反映させる価値がある」と、どのような人も幸せな人生を送り、その存在を人に知られる価値があると力強く述べた。

『バービー』を支えた仲間たちへ

そして彼女は関係者への感謝を一挙に述べる。

まず「マーゴットとグレタなしにはここに立てなかった」とマーゴット・ロビー、グレタ・ガーウィグに感謝するフェレーラ。

主演のマーゴット・ロビーに「あなたはバービー人形に価値を見出した。ほとんどの人が、あまりにガーリーで軽薄で、あるいは問題があるとして切り捨てるようなバービーにね。でもあなたは勇気とヴィジョンを持って取り組んだ。世界に『バービー』を届けてくれてありがとう」と、この映画の企画を情熱的に推しすすめた努力を感謝したフェレーラ。

続いて「グレタが見えないわね。カメラマンがちょうど立っててライアン(・ゴズリング)しか見えないわ(笑)…あ、いたわ」と笑いながらグレタ・ガーウィグ監督と目を合わせる。

彼女は「グレタ、女性の物語が偉大な映画として興行収入の歴史を変えられること、そして女性の物語を赤裸々に語ることは、私たちの力を弱めるどころか、強くするのだということを、映画監督としてのすばらしい熟練度をもって証明してくれてありがとう」と彼女が『バービー』で成し遂げた偉業を讃える。

そして「あなたのマインド、能力、ハートは私たち全員に影響を与えたよ。グロリアを演じるよう誘ってくれてありがとう」ともう一度感謝を伝えた。

さらにフェレーラは「そして我々のケンたち(男性陣)ーノア・バームバック、トム・アッカーリー、デヴィッド・ヘイマン、そしてライアン・ゴズリングー女性たちの仕事をサポートしてくれた男性たちよ。皆さんは素晴らしく、”Kenough(※2)”以上だよ」と男性達に感謝を述べた。

※2:Kenとenough(十分)をかけた、『バービー』劇中に登場する造語。

最後にワーナー・ブラザースやマテル社のスタッフ、そして共に夢を追ってサポートしてくれる夫(「ライアン…あ、ゴズリングじゃないわよ」)に感謝を述べると、「もうそろそろ観てる子どもたちがあくびをする頃ね。ありがとう、おやすみなさい」とスピーチを締め括るのだった。

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