2024年1月18日(木)、ブルーノ・マーズ(Bruno Mars)来日公演の5日目を東京ドームで目撃してきた。この記事は今回のコンサートのレポートであると同時に、ラスト2日間に向けて乗り方や内容を予習したい方のための「Bruno Karaoke」攻略記事になればと願っている。
開演前のステージには赤い照明と王冠のマーク、そして「MARS」の文字が躍り、会場は冬にもかかわらず熱い空気を帯びていた。
開演時間19時。照明が暗転するとステージ両サイドには輝く「XXIV(24)」の文字が。「トキオー!(トーキョー)」と呼びかけながらザ・フーリガンズらバックバンドと共に大歓声の中に登場したブルーノ・マーズは、1曲目「24K Magic」のイントロに重ねて「サーケーベー!」と日本語で煽り、会場の歓声もよりいっそう大きくなる。
1曲目からそろったフォーメーションダンスとおなじみのメロディに会場は大盛り上がり。“Put yo’ pinky rings up to the moon♪”の部分ではステージ背後から火花も上がり、観客も手を上げて飛び跳ねた。
1曲終えたブルーノは「いち、に、さん、し、ご!」と日本語で来日公演5日目を数えると、5日目の観客にはこれまでの日程を超えてさらに盛り上げてほしいことを伝える。特殊なエフェクトをかけられた照明が画面に美しく煌めく中でブルーノが妖艶に踊った2曲目「Finesse」に続いて、大ヒット曲「Treasure」へ。ブルーノの曲をそこまで熟知していない観客でも一緒に歌いやすい“Whoa-oh-oh♪”のかけ声や“Fine, so fine♪”という掛け合いでは特に会場の歌声が大きく響き渡る。
続けて裏拍と強めのエコーが心地良い「Liquor Store Blues」のショートバージョンから「Billionaire」へ。ラップパートも担当するフィルが“お金欲しい、もっともっと欲しい〜♪”と日本語で歌って会場からはほっこりな歓声が上がる。
ここからは今回の来日公演でも日によってセットリストが入れ替わっている部分。18日は「Perm」「Calling All My Lovelies」「Chunky」が演奏された(逆に他の日程で演奏しているが18日に省略された曲は「Wake Up in the Sky」と「It Will Rain」)。軽快なリズムや細かく動くベースラインが会場を揺らす「Perm」では“Party!”などとコール&レスポンスが盛り上がり、「Calling All My Lovelies」ではブルーノだけでなくコーラスメンバーのハイトーンの美しさも際立って思わず鳥肌が立つ。「Chunky」では普段どおりなら“All the thick girls get up”との煽りが行われるのだが、なんと日本公演特別仕様で“JAPANESE GIRLS GET UP”に変わっており、画面にも同じ文字列が表示された。
「That’s What I Like」でもそのサービス精神は止まらず、ハローキティとブルーノのコラボタオルを掲げた後に会場に放り投げたり、にっこりWピースしながら“Is it you? Is it me? Say it’s us カワイイ!(本来はI’ll agreeなので語感は変わっていないという部分にもセンスが光る)”と替え歌したりと可愛らしさ全開のパフォーマンスを見せてくれるブルーノだった。
『ウォンカ』にAKB48も!
カーディ・Bの代わりに歌うフーリガンズとブルーノが“Let me hear you say”“Please”と熱い掛け合いを見せる「Please Me」が終わると、ギターとサックスのソロパートに。なんとふたりが引用したメロディは『ウォンカとチョコレート工場』でフィーチャーされたことも記憶に新しい『夢のチョコレート工場』挿入歌「Pure Imagination」だ。(映画ファンでもある筆者はここでも涙ぐんでしまった。)
映画ファンとして興奮せずにいられなかったのが、ギター&サックスソロ!!
『夢のチョコレート工場』(『ウォンカ』)の「Pure Imagination」のアレンジを弾くとは…慌てて動画を撮った😭タイムリーな作品だし大好きなメロディーだから、ほんとに鳥肌立った…🍫#BrunoMars #BrunoMarsTokyo2024 pic.twitter.com/FhCu0YLTLZ
— 𝐒𝐞́𝐚◐ (@sea_movies) January 18, 2024
会場中がスマートフォンの懐中電灯で美しい光の海を作り出した「Versace On The Floor」に続き、ついに「Marry You」へ。公演初日からソーシャルメディアで話題になっていたとおり、18日の公演でも途中からAKB48「ヘビーローテーション」のカバーにつなげてくれた。もちろん会場は“I want you〜♪I need you〜♪”と大合唱だ。
自分も無事「Marry You→ヘビーローテーション」の流れを生で観ることができました😌#BrunoMars #BrunoMarsTokyo2024 #ブルーノマーズ pic.twitter.com/hW6SZHLoI7
— 𝐒𝐞́𝐚◐ (@sea_movies) January 18, 2024
公演のちょうど中腹で披露されるのは、映画『とんかつDJアゲ太郎』で使用されたり、お笑いコンビ・天竺鼠が“将棋ネタ”で流したのをきゃりーぱみゅぱみゅが結婚披露宴でネタごとカバーしたりと、何かと日本でも使用されがちな大ヒットナンバー「Runaway Baby」。この曲は原曲を大きくアレンジしたロング・バージョンで披露された。ブルーノは「東京ドーム、君たちまだまだ静かじゃないか?君たちが静かなら僕らも静かにしちゃうぞ」などと軽口を挟みながら、ひとすじのスポットライト以外の照明をすべて落とし、逆光にシルエットが浮かび上がった状態でスタイリッシュなダンスを披露。改めて少しずつ会場のボルテージを上げたブルーノは、メガホンを使ったりもしながらラストサビまで駆け抜けた。
“ブルーノ・カラオケ”で全勝しよう
そこからはブルーノがピアノに移動し、あるコーナーが始まる。それが「ブルーノ・カラオケ(Bruno Karaoke)」だ。ブルーノが歌ってほしいところで会場がしっかり歌えたら「東京が1勝!」と言ってもらえるが、歌える人が少ないとちょっとだけ残念そうな様子で「ブルーノの勝ちだね」と言われてしまうのでぜひともラスト2公演(20日、21日)に参加する方にはここだけでも予習してコンプリートしていただきたい(※)。
※18日公演を基準にしているため、内容が変更される可能性がある点はご理解ください。
1曲目はシーロー・グリーンとのコラボ曲「F**k You」。これは“F**k you”と言えば問題ない。
2曲目はスヌープ・ドッグ、ウィズ・カリファとのコラボ曲「Young, Wild & Free」。ラップが早口な曲だが、このコーナーではサビしか関係ないのでご安心を。この曲に関してはなるべくサビの全体、少なくとも曲名である“Young and wild and free”は歌えるようにしておこう。
3曲目が連日歌える観客が少ないとの情報がある「Grenade」(18日も「ブルーノの勝ち」になってしまった)。18日のとおりならブルーノが観客に歌ってほしいのはサビの最後の“But you won’t do the same”の部分だ。ぜひ終盤の公演ではここをクリアしてブルーノを満足させてほしい!
4曲目はしっとりハイトーンが美しい「Talking to the Moon」。サビの“Moon”を気持ちよく一緒に歌おう。
5曲目は「Nothin’ On You」。サビにいくつかある“Nothin’ on you”のうちどこを歌わされるかわからないので、メロディをしっかり覚えておこう。
6曲目は「Leave the Door Open」。ブルーノの主旋律に続くコーラスの方の“I’ma leave the door open”を歌おう。
宇多田ヒカルもカバー!?
「ブルーノ・カラオケ」のピアノで耳がゆったりしたところで、そのまま「When I Was Your Man」を美しく切なく歌い上げるブルーノ。モニターが白黒映像なのもエモーショナルだ。そして一度ブルーノがステージからいなくなると、ピアノソロコーナーに。なんとここでは宇多田ヒカルの「First Love」がカバーされ、会場はピアノに合わせて1コーラス丸ごと大合唱した。
観客も一緒に“Yeah yeah…♪”と盛り上がりやすい「Locked Out of Heaven」では細かい金テープが舞い上がり、公演終盤をゴージャスに彩った。
感謝と共に歌い上げたクライマックス
本編最後の曲は「Just the Way You Are」。“ありのままの君が好きで、そのままでいい”と優しく歌いかける愛にあふれた楽曲を、ブルーノは歌にもダンスにもアレンジを加えながら楽しそうに歌い上げる。サビは会場も一緒に手を上げて大合唱。最後にブルーノは投げキッスの連発→手でハートマーク→指ハート→Wピース→ギャルピース(下に向けたピース)とフルコンボを決めた後、「本当にありがとう」「すぐ戻って来れたらいいな」と伝え、会場は大歓声と大合唱で応えた。
アンコールでは背後に炎を上げながらの「Uptown Funk」を披露。会場は巨大なダンスクラブと化すのだった。
最初から最後まで安定感のある歌声と自由自在なダンス、そして屈託のない笑顔と日本ファン歓喜の日本語で会場を楽しませたブルーノ・マーズ。彼の公演は残すところあと2日だ。
1月18日(木)セットリスト
1. 24K Magic
2. Finesse
3. Treasure
4. Liquor Store Blues
5. Billionaire
6. Perm
7. Calling All My Lovelies
8. Chunky
9. That’s What I Like
10. Please Me
(ギター&サックスソロ)
11. Versace On The Floor
12. Marry You / ヘビーローテーション(AKB48 cover)
(ドラムソロ)
13. Runaway Baby
14. F**k You(Bruno Karaoke)
15. Young, Wild & Free(Bruno Karaoke)
16. Grenade(Bruno Karaoke)
17. Talking to the Moon(Bruno Karaoke)
18. Nothin’ On You(Bruno Karaoke)
19. Leave the Door Open(Bruno Karaoke)
20. When I Was Your Man
(ピアノソロ:宇多田ヒカル「First Love」cover)
21. Locked Out of Heaven
22. Just the Way You Are
23. Uptown Funk(アンコール)
フリーライター(tvgroove編集者兼ライター)。2019年に早稲田大学法学部を卒業。都庁職員として国際業務等を経験後、ライター業に転身。各種SNS(Instagram・X)においても映画に関する発信を行いながら、YouTubeチャンネル「見て聞く映画マガジンアルテミシネマ」にて映画情報・考察・レビュー動画などを配信したり、映画関連イベントの企画・運営も行っている。