映画において、“列車”が果たす役割は大きい。『千と千尋の神隠し』では千尋がカオナシと並んで列車に腰かけ、『スパイダーマン2』では列車の戦いをとおしてヒーローと民衆のあり方が描かれる。名探偵ポアロは『オリエント急行殺人事件』を解決しようと列車中を歩き回り、『ビフォア・サンライズ 恋人たちの距離』では三部作に発展するふたりのロマンスが列車で始まる。
列車は人間をある地点から別の地点に運ぶ。列車には大勢の他人が集まる。そして列車の狭い構造は人間の動きを制限する。そのような、列車ならではのさまざまな特徴がドラマを生むのだ。
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『ハリー・ポッター』とホグワーツ特急
それは夢にあふれた魔法だらけの「魔法ワールド」(『ハリー・ポッター』シリーズ、『ファンタスティック・ビースト』シリーズ)においても例外ではない。例外ではないどころか、「映画に登場する列車といえば」と問われれば、『ハリー・ポッター』シリーズの「ホグワーツ特急」の名を挙げる映画ファンも多いだろう。
筆者もホグワーツ特急に目を輝かせた子どものひとり。「どこに9と3/4番線があるだろう」「どこかの柱をすり抜けて魔法の世界に行けないものか」と想像をめぐらせたものだ。
荷物を載せたカートを押して柱に入るとそこは魔法界への入口。特急に乗って、ほかの“魔法使いの卵”たちと共に魔術学校へ…。育ての家族にいじめられていたハリーが、初めてできた友達とおしゃべりしながら新天地へ向かう。逆に、自分を疎むほかの生徒に絡まれたりもする。時に特急を乗り過ごしてまさかの方法で追いかけたり、恐ろしい化け物の姿を見てしまったり。そして物語の終わりも、ホグワーツ特急のそばだった。1作目の『賢者の石』から最後の二部作『死の秘宝』まで、ホグワーツ特急は『ハリー・ポッター』シリーズのひとつの象徴だ。
「スタジオツアー東京」にホグワーツ特急が!
そうして長年、多くの人々に夢を与え続けているホグワーツ特急の世界の一部になれるのが、「ワーナー ブラザース スタジオツアー東京 – メイキング・オブ・ハリー・ポッター」だ。
「スタジオツアー東京」にはあのホグワーツ特急が再現されている。しかも、9と3/4番線に入る瞬間の写真も撮影できてしまう。
ホグワーツ特急と一緒に写真を撮ることができるのはもちろん、中に入ることもできる。そこにはハリーたちとホグワーツ特急の軌跡が展示されていて、彼らの会話をそばで聞けたり、窓の外に恐ろしいディメンターを見たりできるのだ。
『ファンタスティック・ビースト』でも列車が活躍
列車が印象を残すのは『ハリー・ポッター』だけではない。やはり私たち人間(マグル/ノー・マジ)の世界と魔法界をつなぐのに印象的な役割を果たすのは列車だ。
2月2日(金)に地上波でも放送される『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』は冒頭も列車のシーンで始まるし、グリンデルバルドを混乱させる作戦に参加するメンバーが最初に集まって作戦を話し合うのも列車だ。
列車のシーンに移る際の視点はノー・マジのジェイコブ。今作でも列車は私たちの生きる現実世界と、壮大な魔法界を繋いでいる。必要な存在として頼られたジェイコブは、主人公ニュートを中心に、彼の兄や助手、魔法教師、名家の末裔(まつえい)という個性的な面々と共に列車に集まり、その先の壮大な作戦を聞くのだ。
「スタジオツアー東京」に『ファンタビ』の列車も!(フォトギャラリー)
そうして“作戦の始まり”を告げた列車=「グレート・ウィザーディング・エクスプレス」も、「スタジオツアー東京」で目にすることができる。しかも、彼らメンバーの衣装と共に。
ニュート・スキャマンダー、テセウス・スキャマンダー、ジェイコブ・コワルスキー、ユーラリー・ヒックス、バンディ・ブロードエーカー、ユスフ・カーマ。豪華にも6人分そろった衣装が車両に並び、そこはまさに『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』の世界。
着ている人形に顔がなくてもすぐにそれらが誰だかわかる衣装を見ると、緻密に作られたそれぞれの衣装がどれだけキャラクターづくりに貢献しているかがわかるだろう。
一緒に作戦を話し合っている気分にすらなれるその空間は、ホグワーツ特急から向かって右奥に存在する。ホグワーツ特急に乗れた興奮で見落とさず、ぜひこちらもじっくり観察していただきたい。
『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』は2月2日(金)、金曜ロードショーにて地上波放送予定。映画シリーズも「スタジオツアー東京」も、何度観ても新しい発見と色褪せない魅力があるはずだ。
ワーナー ブラザース スタジオツアー東京 – メイキング・オブ・ハリー・ポッターについて
ワーナー ブラザース スタジオツアー東京では、映画でも人気のホグワーツの大広間、ダイアゴン横丁、9 と3/4番線などのセットに実際に足を踏み入れられるほか、世界初となる東京独自のセットがあるのも大きな魅力のひとつです。ほうきに乗ったり、ホグワーツの肖像画になったりと、楽しいアクティビティも盛りだくさんです。魔法使いの飲み物であるバタービールを飲むこともできます。
なお、チケットは事前に購入する必要があります(スタジオツアー東京ではお求めになれません)。
公式ウェブサイト チケットページ:https://www.wbstudiotour.jp/
大人– ¥6,300〜 中人– ¥5,200〜 小人– ¥3,800〜
『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』デジタル配信中
ブルーレイ 2,619 円(税込)/DVD 1,572 円(税込)
発売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント
販売元:NBC ユニバーサル・エンターテイメント
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『ハリー・ポッターと秘密の部屋』デジタル配信中
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発売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント
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フリーライター(tvgroove編集者兼ライター)。2019年に早稲田大学法学部を卒業。都庁職員として国際業務等を経験後、ライター業に転身。各種SNS(Instagram・X)においても映画に関する発信を行いながら、YouTubeチャンネル「見て聞く映画マガジンアルテミシネマ」にて映画情報・考察・レビュー動画などを配信したり、映画関連イベントの企画・運営も行っている。