ブラムハウス最新ホラー映画『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』(通称:映画フナフ)の2月9日(金)公開を記念して、プロデューサーのジェイソン・ブラムが初来日。ゆりやんレトリィバァとも共演したイベントレポートが到着した。以下、レポート全文。
「日本文化は力強く、大胆でとても個性がある」
大ヒット作を連発し続けるブラムハウスが贈る、最新作『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』がいよいよ、2月9日(金)に全国公開する。北米で2023年10月27日から公開された本作は、週末興収ランキングで2週連続1位を獲得。その後も破竹の勢いは止まらず全世界興行収入は累計2億8千9百万ドルを突破し、ブラムハウス製作作品で史上最高興収記録を樹立。廃墟と化したレストラン<フレディ・ファズベアーズ・ピザ>を舞台に、可愛らしいマスコットたちが動き出し牙をむく恐怖の夜を描く。本作の公開を前に、この度、ブラムハウスの総 帥にして“恐怖の工場長”たるジェイソン・ブラムが初来日を果たした!
いまや、ハリウッドでも大注目のプロデューサーの一人であるジェイソン・ブラムが、多くの映画ファン、ホラーファンの観客の前に晴れて登壇することとなった本イベント。大勢の拍手に包まれながら、ブラムが「ブラムハウス」のロゴがあしらわれた特製ステージへ登場。
『ファイブ・ナイツ・アット・ フレディーズ』を一刻も早く観たいという人々を前にまずは「こんにちは!この場に立つことができてとても光栄です。今回、日本は初めて訪れました。日本に到着してからずっと、毎食寿司を食べてるよ!本当に美味しいです。実は東京オリンピックの際に2週間ほど滞在する予定があったのですが、それが残念ながら実現に至らなかったので今回来日できて、とてもワクワクしています。日本文化は力強く、大胆でとても個性のあるもの。そのユニークさは、我々ブラムハウスのクリエイティブ精神と共通する部分も多く親和性、親しみがあって素晴らしいと思います。それと、日本特有の“面白いこと”があって…我々の作品の中で最も日本でヒットした作品は『パラノーマル・アクティビティ』(07)。今回、FNAFでこの記録を塗り替えたいと思っています」と挨拶。日本のファンを目の前にした、今の心境を語った。
『ゴジラ -1.0』が「嫉妬するくらい」の名作だと絶賛
今作は、北米でブラムハウス史上最大のヒット作となった。それに対して、率直な気持ちと要因を「この映画は、北米以外でも大成功を収めています。主な理由は、通常、原作の権利をスタジオが得たら原作者は深くかかわることは少ない。しかし今作には原作のゲーム開発者であるスコット・カーソン氏が脚本からマスコットの造形といった作品の全てに関わっているのです。ハリウッドでこんなことをするのはとても異例のこと。彼自身は映画に詳しくなかったのですが、完全に原作者の方を迎え入れ、徹底してカーソン氏の頭の中で思い描いたものを映像にするようにした。そのために本作が完成するまで8年の歳月がかかったのです。スコットのビジョンを実際にスクリーン上に届けたことが、この結果を生む要因となったのでしょう」とコメントした。
本イベントでは、事前に一般観客よりブラムへの質問も募集し二つほど紹介した。最初に【ブラムさんが好きなマスコットのキャラクターは誰ですか】という問いには惜しそうに悩んだのちに「とても難しい質問ですね…選ぶなら、マスコットのリーダーでシルクハットがトレードマークの、クマのフレディでしょうか…でも、この回答は日によって変わります(笑)」とユーモラスに回答。
続けて、【影響を受けた日本のゲーム、アニメ、映画があれば教えてください】という質問には、「実は、昨年観た映画で最高だったのは『ゴジラ-1.0』でした。本当に嫉妬するくらいに素晴らしい作品だった。私が大好きかつ、ブラムハウスでも試みているのは“物語の中心部”が胸を打つ物語。とても惹きこまれる内容だった。この作品を作り上げた山崎貴監督とはいつかブラムハウスで一緒に仕事したいですね」 と賞賛を贈り、ハリウッドと日本映画界の二大巨頭の対面がいつの日か実現することを予感させた。
ゆりやんレトリィバァを『パージ』シリーズにご招待
ここで、今回ブラムが初来日したということで、ぜひこの機会に会いたいというゲストが登場。ホラー作品が大好きなゆりやんレトリィバァだ。ゆりやんは挨拶と抱擁を交わしつつ「ゆりやんです、コール・ミー・アンジェリーナ・ジョリー!」とアピール。ゆりやんの仕草に、朝からの取材で疲れを見せたブラムも「疲れていて、リアクションが遅くなりました」と言いつつも大爆笑。
そして、ゆりやんはこの貴重な機会に早速「私は映画監督もやってみたいと思っ ているのですが、製作予算を遥かに凌駕する作品を生み出し、さらに今作のようにヒットさせる秘訣を知りたいです」とド直球質問。それに対して「秘訣をおしえましょう。それはお金を使い過ぎないこと…そして著名な映画スターを起用しないこと。なのでアンジェリーナ・ジョリーはダメです(笑)。そして、ブラムハウスファンの皆さんならご存知かと思いますが、楽しいものをつくるということです」 と、ヒットの仕掛け人が“成功の秘訣”をレクチャーした。
また、ゆりやんに対しても「ホラー映画を作るならどんなものを作ってみたいか」と質問。「今までの憎しみとか、許さないと思った人をこらしめるのが夢です」と回答するゆりやんに、ブラムは「それは『パージ』(13)ですね! 12時間の間であれば何をしても無罪だし、銃がそこらじゅうにあるからね。ゆりやんさんのその企画、『パージ6』にどうでしょう」と、なんとも嬉しいご提案。続けて「実際には実現しなかったんですけど、 病的な思想の監督がいて 外国人にお金を貸してパージをしてもらうという企画がありました。それもいいかもしれませんね(笑)」 と、ゆりやんプロデュース作品製作の可能性を述べていた。
ジェイソン・ブラムの一番怖いものは…
「数々のホラー映画を手掛けてきたブラムさんが、最も恐れていることはなんですか」というゆりやんからの質問には「真実を答えていいんですか?トランプさ!」とぶっちゃけ。対してゆりやんが一番恐れていることに関しては「この前聞いたんですけど、キスしただけで虫歯がうつるというのをきいて…それを恐れています」と回答。ブラムは「それも、ホラー映画の企画にできそうですね!“キスと虫歯”」とフォローを入れた。
次に、ゆりやんは自身でも監督を目指していたり、ハリウッドデビューも夢見ていることから、今回ブラムに【次回作に出してもらえるようにアピールタイム】を設けることに。テーマは“シリアルキラーに追いかけられて、クローゼットに逃げ込んだのに、気配を感じて振り返ったらシリアルキラーがいる というシーン”という映画でありそうなシーンだ。一流プロデューサーが目前にいることもあり、緊張の面持ちを見せつつも迫真の一人芝居を披露した。その演技をみたブラムはすかさず「素晴らしい!『M3GAN2』に雇います!ミーガンの友人としてね(笑)」と楽しそうにリアクションし た。
「Mr. カップケーキ」に大喜び
会場が大盛り上がりをみせたところで時間が迫ってきてしまい、まずはゆりやんが 「本当に面白くて、アッという間に終わってしまう!最後がどうなるかなんて言えません!楽しんでください」と絶賛の挨拶。 最後に、公開を楽しみに待っているファンへブラムから 「今日はありがとう。この映画をみてくれること、そしてブラムハウスの作品を愛してくれていることに感謝しています。 まだ詳しいことは言えないですが、次回作に関しては、『IMAGINARY』という作品、そして『透明人間』を手掛けたリー・ワネルが製作する『Wolfman』という作品が控えていて、近いうちに皆さんにお届けすることができるでしょう」と映画ファン、ひいてはブラムハウスファンの興味を惹く嬉しいコメントを贈った。
本イベントのフォトセッション時には、ブラム氏の初来日を記念して、劇中に登場するマスコット・チカが常に持っている「Mr.カップケーキ」の特製ケーキをプレゼント。「アメージング!飛行機に乗せて家に持って帰ります」とご満悦の様子だった。
快進撃を続ける製作スタジオ<ブラムハウス・プロダクション>について
2000 年に誕生したブラムハウスはホラー映画界を牽引するマルチメディアカンパニーであり、過去20年にわたりクオリティの高い映画およびテレビドラマを製作し続けている。製作費を軽々と上回る大ヒット作を連発し、若手監督にも活躍の場を与えるユニークなスタイルでこれまで200本近い作品を製作、全世界興行収入は 57 億ドル以上を記録している。
2007年に 公開されたモキュメンタリーホラー『パラノーマル・アクティビティ』の爆発的な大ヒットにより、その名を世界に知らしめ、以降は若い観客層を取り込むことに成功し、『インシディアス』、『パージ』など世界的な大ヒットシリーズを生み出したほか、エマ・タミ監督作『ファ イブ・ナイツ・アット・フレディーズ』、ジェラルド・ジョンストン監督作『M3GAN/ミーガ ン』、リー・ワネル監督作『透明人間』、M・ナイト・ シャマラン監督作『ミスター・ガラス』、『ヴィジット』、『スプリット』、スパイク・リー監督作『ブラック・クランズマン』、スコット・デリクソン監督作『ブラック・フォン』、『フッテージ』 などのヒット作を次々と世に送り出した。
更に、第87回アカデミー賞で助演男優賞/編集賞/録音賞を受賞した『セッショ ン』(15)や、第90回アカデミー賞で脚本賞を受賞したジョーダン・ピール監督作『ゲット・アウト』(17)など、ホラージャンルのみに留まらず、ドラマや社会問題にも深く切り込んだ作品も生み出すなど、今ハリウッドにはなくてはならないスタジオとして注目を集めている。
『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』作品情報
■製作:ジェイソン・ブラム、スコット・カーソン
■監督:エマ・タミ
■脚本:スコット・カーソン、セス・カデバック、エマ・タミ
■原案:ゲーム「Five Nights at Freddy’s」シリーズ/スコット・カーソン
■公開日:2024年2月9日(金)全国公開/2023年10月27日(金)US公開
■配給:東宝東和
© 2023 Universal Studios. All Rights Reserved.
■公式 HP:https://fnaf-movie.jp/
■公式 Instagram:https://www.instagram.com/universal_eiga/
#映画フナフ
フリーライター(tvgroove編集者兼ライター)。2019年に早稲田大学法学部を卒業。都庁職員として国際業務等を経験後、ライター業に転身。各種SNS(Instagram・X)においても映画に関する発信を行いながら、YouTubeチャンネル「見て聞く映画マガジンアルテミシネマ」にて映画情報・考察・レビュー動画などを配信したり、映画関連イベントの企画・運営も行っている。