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タトゥーを自在に消したり戻したりできる!? 魔法のような「マジック・インク」が開発される:開発者はリアーナ、セレーナ・ゴメスなどと仕事をしたタトゥー・アーティスト“バンバン(Bang Bang)”

消したり戻したりできる魔法のタトゥーが実現!?「マジック・インク」とは…? NEWS
消したり戻したりできる魔法のタトゥーが実現!?「マジック・インク」とは…?

タトゥー・アーティストのバンバン(Bang Bang)が、タトゥーを自在に消したり戻したりできる「マジック・インク」を発表した。

リアーナやセレーナ・ゴメスなどの有名人と共に仕事をしてきた、ニューヨークを拠点とするタトゥー・アーティスト、バンバン。彼はPEOPLE誌の取材に応じ、“マジックインク”の革命的な光に反応するプロセス”について語った。

いつでもオンとオフにできるタトゥーを持っていたらどうですか?まあ、それは今や現実です。

世には半永久的なタトゥーやもちろん一時的なタトゥーがあるが、今回のマジック・インクは、光を当てることで見える状態と見えない状態、つまりオン/オフを切り替えられるのだ。

バンバンことキース・マッカディは、コロラド大学の機械工学教授カーソン・ブランズ、HYPRSKNの科学者、そして認定皮膚科医たちの大規模なチームと共に、このインクを具現化した。

バンバンは「マジック・インク」をこう語る。「マジック・インクは、さまざまな光を使用して制御できる安全で生体適合性のあるタトゥーインク。…というのが最も簡単な説明方法だよ。それは医療用グレードのポリマーで作られており、一度タトゥーを入れたら、光でインクをオンとオフにできるんだ」とその自由度の高さをアピールした。

ではここで、気になる「マジック・インク」に関する事実を確認していこう。

奇跡!? タトゥー界に革命を起こす「マジック・インク」とは

「マジック・インク」はどのように機能する?

現在、提供されているマジック・インクは赤色のみ。マジック・インクは肌にタトゥーを入れた後、光を当てることで機能する。

インクはUVライトでオン/オフを切り替え可能。しかし肌に損傷を与えるようなUVライトではないという。チームは科学者、皮膚科医と協力し、すべてのプロセスが安全であることを内外から保証しているそうだ。

バンバンによると、インクのオン/オフを切り替えるための正確な波長(ナノメートル)のUVライトを見つけるのが課題だったという。それは、反応がどれだけ速く起こるかに影響を与えるからだ。

「これにはバランス調整が必要だった。光の下で座って肌を焼くようなスローなプロセスになりかねなかったけど、それは望ましくないからね」とバンバンは言う。火傷せず、しかし速く消したり戻したりできる絶妙なUVライトを研究したようだ。

つまり、ある波長のUVライトが肌の下のインクと反応してそれを可視化。別の波長のUVライトがインクと反応して再びそれを消すのだ。タトゥーを入れた際にライトペンが提供され、それを使用してタトゥーを自在に消したり戻したりできるようになるという。「このとおり。まるでマジックのようだろう。オン。オフ」とバンバンは誇らしげに実践してみせたそうだ。(動画は英文記事参照)

マジック・インクはなぜ赤色?

マジック・インクが赤色であることについて、バンバンはこう説明する。「マジック・インクを標準のタトゥー・インク(従来の黒)と共存させたかった。それに赤が最適だと思ったんだ」と。黒を置き換えるのではなく、黒と共に肌を彩るような色を求めた結果、彼が黒と相性が良いと感じた赤色が、初めの一色として選ばれたのだ。

ただし、「一部の人々は標準のタトゥー・インクとは切り離して、マジック・インクだけを使用するかもね。それもクールさ。どのような使い方も歓迎するよ」と、バンバンは黒と併存して使わなければならないわけではないことを強調している。

©︎ people.com より

©︎ people.com より

さらに彼は現在、青をテストしており、次に黄色が登場するという。三原色がそろえば、可能性は無限大だ。

「我々は多くの失敗作を作ったよ」とバンバンは振り返る。「いくつかは肌でうまく機能しなかった。いくつかはタトゥーニードルと互換性がなかった。最小限の損傷で最大限の粒子負荷を得るのも難しかった。おそらく僕は、さまざまな配合で50個くらいタトゥーを作ったよ」と、やはり非常に長い道のりを経た成功のようだ。

そのタトゥーは時間の経過とともに劣化しない?

何十年も経ったタトゥーを見ると、当然ながら入れた当初とは異なって見える。それは、触れた身体がインクを分解するからだ。バンバンとHYPRSKNチームはまだマジック・インクを数十年という期間でテストはしていないが、これまでに皮膚上で行った1万回のタトゥー・サイクルで、明確な劣化は見られなかったという。

「すべてのものは時間とともに劣化するよ」とバンバンは説明する。「しかし、我々は10,000回のテストを行った。それは約30年分のタトゥーをオン/オフさせることに等しいと考えている。これから、50,000回のテストを行う予定だ。我々はまだ皮膚に5年間しか(マジック・インクを)置いていないけど、現状機能している。我々はこれからさらに多くを学んでいくと思うけど、我々にできるのは実験研究を加速させることだけだ」。そうバンバンは現状に自信を持ちながら、今後の見通しを立てた。

安全面は大丈夫?

マジック・インクを説明する際に、バンバンは何度も強調しているが、このインクは非常に安全だそうだ。最先端のタトゥー・インクであるマジック・インクは、「最も安全なタトゥー・インクかもしれない」とバンバンは太鼓判を押している。

マジック・インクは厳しい規制のもと、医療用グレードの成分で作られている。これは、皮膚補充材にも含まれるポリメチルメタクリレート(PMMA)と同じポリマーだが、非常に生体適合性が高いそうだ。PEOPLE誌によると、「ポリマーが非常に均一であるため、インクは標準のタトゥーインクとは異なり、分解されない」「そのため、インクが皮膚の下に移動して反応を起こし、反応を起こす可能性が少なくなる」と安全性について説明されている。

HYPRSKNチームは、マジック・インクの実験を行う際に取った安全対策の詳細な説明を提供。バンバンも、テスト段階で行ったすべてのタトゥーは、皮膚科医の認定を受けた専門家によって監督され、すべてが安全で成功していると評価されたと報告している。

痛くない?

マジックインクのタトゥーは、他のどのタトゥーと同じくらい痛みを感じ、他のどのタトゥーと同じように癒えるという。マジック・インクのタトゥーを皮膚に入れる人が目を閉じた場合、それが異なるタトゥーであることを知ることはできないそうだ。

バンバンによると、マジック・インクのタトゥーが完成した直後の外観には、通常時とのわずかな違いがあるという。従来のタトゥーは、完成した時が最も新鮮で美しい状態だ。しかし、マジックインクの場合はそうではないとのこと。

「最もすばらしい状態になるまで、タトゥーを完全に回復させなければならない」と彼は説明。「皮膚を完全に若返らせて回復させなければならない。満足感がくるのは少ししてからだ。最初に完成したときは、傷のように見える。その後の回復過程で通常のタトゥーのように見え、2週間、2か月、6か月後…。皮膚が若返るにつれて、マジック・インクは完全に見えなくなる。そして楽しみが始まるんだ」と、バンバンはマジック・インクについては時間の経過を待つことが重要だと強調している。

インクのオン/オフを切り替えるのには光を使用する。しかし、それも痛みは伴わないそうだ。インクは熱くならず、肌や肌の下で燃焼する感覚はない。インクがオンになっても、何も感じない。

このプロセスには何の恐れも危険もないが、通常のタトゥーを入れることが痛いなら、マジック・インクのタトゥーを入れるのも痛いのだ。それはマジック・インクならではの痛みはない。

どこでマジック・インクのタトゥーを入手できる?値段は?

バンバンとそのチームが最初にマジック・インクによるタトゥーを行ったが、すでに世界中のさらに多くのアーティストが、マジック・インクを使うためのトレーニングを受けているという。チームは、このインクを使用するすべてのアーティストが、それがどのように機能するかを理解してからタトゥーを入れ始めるようにしてほしいと考えているようだ。

バンバンによれば、現在の初期段階でマジック・インクを使用するアーティストは約15カ国に存在するとのこと。現在マジック・インクのタトゥーを行えるタトゥー・アーティスト一覧(英語)はこちら。日本国内では大阪に茂呂竹蔵がいるようだ。価格はアーティストによって異なるそう。

ニューヨークで著名な顧客を多く持つバンバンは、過去にセレーナ・ゴメス、リアーナ、カーラ・デルヴィーニュ、ジャスティン・ビーバーといったセレブたちにタトゥーを施している。そして、最近はデュア・リパにもタトゥーを入れた。マジック・インクのタトゥーに関しても今回の公表前からすでに多数行っているという。彼は今後の現代タトゥーと、その過程で考えられる最も「楽しいこと」に対するステップを楽しみにしているようだ。

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