映画『オッペンハイマー』が英国アカデミー賞で7部門を受賞。クリストファー・ノーラン監督のコメントと、今作への絶賛レビューの数々を紹介する。
クリストファー・ノーラン監督最新作『オッペンハイマー』。今作が3月29日(金)より全国公開、IMAX®劇場で同時公開となる。
本作の舞台は第二次世界大戦下。世界の運命を握った天才科学者オッペンハイマーの栄光と没落の生涯を実話にもとづいて描く。全米公開は2023年7月。その後世界興収10億ドルに迫る世界的大ヒットを記録。実在の人物を描いた伝記映画としては歴代1位となっている。
豪華スタッフ&キャストで英国アカデミー賞を席巻!
クリストファー・ノーランが監督、脚本。主演はキリアン・マーフィー。さらにエミリー・ブラント、マット・デイモン、ロバート・ダウニー・Jr.、フローレンス・ピュー、ジョシュ・ハートネット、ケイシー・アフレック、ラミ・マレック、ケネス・ブラナーらが出演。
ノーランは、IMAX®65ミリと65ミリ・ラージフォーマット・フィルムカメラとを組み合わせた、最高解像度の撮影を実践。また、本作のためだけに開発された65ミリカメラ用モノクロフィルムを用い、 史上初となるIMAX®モノクロ・アナログ撮影を実現。IMAX®撮影で、天才科学者の頭脳と心を五感で感じさせる極限の没入体験を味わえる。
この度、現地時間2月19日に第77回英国アカデミー賞(BAFTA)授賞式が開催。13部門にノミネートされた『オッペンハイマー』が、《作品賞》、《監督賞》、《主演男優賞》、《助演男優賞》、《撮影賞》、《編集賞》、《作曲賞》の最多 7 部門で受賞となった。 自身初の《作品賞》《監督賞》を受賞したノーラン監督のコメントは以下のとおり。
クリストファー・ノーランの受賞コメント
「私たちの映画は、絶望の気配で幕を閉じる必要がありました。しかし、現実の世界では、核兵器の数を減らすために長い間懸命に闘ってきた様々な個人や組織があり、1967年のピーク以降、彼らはほぼ90%の削減を成し遂げてきました。
昨今、それは間違った方向に進んでいます。だからこそ、この賞を受けるにあたり、 私は改めて、これまで闘ってきた彼らの努力を認識し、彼らが平和のための努力の必要性と可能性を示したことに目を向けたいと思います。 このような賞をいただき光栄です。感謝いたします」
-クリストファー・ノーラン
『オッペンハイマー』絶賛のレビュー多数!
《作品賞》《監督賞》を始めとする7部門受賞となった『オッペンハイマー』。今作については以下の通り、海外メディアから絶賛の声があふれている。
作品全体について
「並外れた映画体験」 (MSNBC モーニング・ジョー)
「歴史的正確さは驚異的」(Variety)
「勇敢で、真剣な志による映画的事件」 (ハリウッド・リポーター)
「脚本家=映画監督クリストファー・ノーランの熟達による沸き立つようなドラマ」(ウォール・ストリート・ ジャーナル)
「行き過ぎた科学への痛烈な警告」(USA トゥデイ)
「必見。本当に見に行かなければならない唯一の映画」(ローリング・ストーン)
「映画史に鳴り物入りで現れた記念碑的作品」(ABC ニュース)
「21世紀でベストの映画の一つ」(シカゴ・サン・タイムズ)
「一生あなたの記憶に残り続ける至高の傑作」(FOX TV)
キリアン・マーフィー(オッペンハイマー役)の演技について
《主演男優賞》を受けたキリアン・マーフィー。オッペンハイマーを演じた彼の演技も高く評価されている。
「キャリア史上最良の、心に残る演技」(USA トゥデイ)
「見事に抑制された表現力の高い演技」(LA タイムズ)
「魅惑的な矛盾の塊だ」(AP)
「完璧な抑制」(BBC)
「別世界の輝き」(タイム)
「一段階レベルが上がって非の打ち所がない」(フォーブス)
ロバート・ダウニー・Jr(オッペンハイマーと対立するルイス・ストローズ役)について
続いてロバート・ダウニー・Jr.。彼はオッペンハイマーと対立するルイス・ストローズ役。二面性を持つ複雑なキャラクターを体現した彼についても絶賛の嵐が起きている。
「マーベル世界での彼を長く見てきた私たちは、彼がこの惑星で最も優れた俳優であることを忘れていたかもしれない」(ABC ニュース)
「裏表ある 男を見事に体現」(タイム)
「驚異的」(USA トゥデイ)
「際立っている」(デッドライン)
「氷のように冷たく、悪意に満ちた演技」(スラント)
「すべての技を見せつける。冷たく、計算高く、魅力的で、威圧的だ」(コミックブック)
キャスト全体について
そしてキャスト全体についても評価されている。
「全員が卓越した演技」(アーカンサス・デモクラット・ガゼット)
「類を見ない助演たち」(エンパイア)
「キャストの全員が、キャリアの頂点にいる」(フォーブス)
作曲について
さらに《撮影賞》《編集賞》《作曲賞》などの技術賞にも讃辞が寄せられる。なお、今作の作曲はルドヴィグ・ゴランソン(『ブラックパンサー』『TENET』)だ。
「火花の散るようなキャストのアンサンブルから、ルドウィグ・ゴランソンの心に深く沈み、感情を揺るがせるスコアに至るあらゆる驚異に満ちた『オッペンハイマー』は、複雑な倫理問題、むきだしの恐怖を抱えた歴史的瞬間に観客を誘い入れる」(マッシャブル)
「波のようにうねり、高まり、悲しみに満ちたゴランソンのスコアと相まって、純粋に映画的な抽象 の世界へ私たちを飛躍させる」(LA タイムズ)
「現実以上にリアルな驚異的イメージ、劇場を揺るがす音響、ゴランソンの圧倒的スコアによって、世界に没入させる」(ザ・プレイン・ディーラー)
「最上の視覚と音響による物語に浸る。 これが、私たちが映画館に行く理由だ」(シカゴ・サン・タイムズ)
撮影について
さらに撮影はノーラン監督と5度仕事をしてきたホイテ・ヴァン・ホイテマだ。
「見事な撮影、目覚ましい演技、巧みな編集で心奪う叙事詩、この十年の最良の映画」(ワシントン・ポスト)
「息をのむIMAX®の映像、途方もないサウンドスケープ、精妙なスコア、心に残る物語、人目を引く演技でそれらを上回っている」(ネクスト・ベスト・ピクチャー)
「一番大きなスクリーンで見るべき真の傑作」(FOX TV ヒューストン)
「そびえたつ偉業であり、大規模に描かれたその悲劇は、IMAX®で見るべき」(ヴァルチャー)
映画館の大画面での鑑賞を勧める声が続出する今作。クリストファー・ノーラン監督最新作『オッペンハイマー』は、3月29日(金)より全国公開。 IMAX®劇場全国の50館で同時公開となる。
『オッペンハイマー』作品情報
<ストーリー>
第二次世界大戦下、アメリカで立ち上げられた極秘プロジェクト「マンハッタン計画」。これに参加した J・ロバート・ オッペンハイマーは優秀な科学者たちを率いて世界で初となる原子爆弾の開発に成功する。しかし原爆が実戦で投下されると、その惨状を聞いたオッペンハイマーは深く苦悩するようになる。冷戦、赤狩り―激動の時代の波に、オッペン ハイマーはのまれてゆくのだった―。
監督・脚本・製作:クリストファー・ノーラン
製作:エマ・トーマス、チャールズ・ローヴェン
出演:キリアン・マーフィー、エミリー・ブラント、マット・デイモン、ロバート・ダウニー・Jr.、フローレンス・ピュー、ジョシ ュ・ハートネット、ケイシー・アフレック、ラミ・マレック、ケネス・ブラナー
原作:カイ・バード、マーティン・J・シャーウィン「オッペンハイマー」(2006 年ピュリッツァー賞受賞/ハヤカワ文庫)
2023年/アメリカ/R15
配給:ビターズ・エンド ユニバーサル映画
公式サイト:oppenheimermovie.jp
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フリーライター(tvgroove編集者兼ライター)。2019年に早稲田大学法学部を卒業。都庁職員として国際業務等を経験後、ライター業に転身。各種SNS(Instagram・X)においても映画に関する発信を行いながら、YouTubeチャンネル「見て聞く映画マガジンアルテミシネマ」にて映画情報・考察・レビュー動画などを配信したり、映画関連イベントの企画・運営も行っている。