『プラダを着た悪魔』のアン・ハサウェイ、メリル・ストリープ、そしてエミリー・ブラントが全米映画俳優組合賞(SAGアワード)授賞式のステージで再集結した。
2006年の大人気映画『プラダを着た悪魔』。今作のキャストであるアン・ハサウェイ、メリル・ストリープ、エミリー・ブラントが、2024年の全米映画俳優組合賞授賞式で主演男優賞(コメディ・シリーズ部門)発表のために再集結した。なおブラントは同賞で助演女優賞(『オッペンハイマー』)にノミネートされている。
3人にしかできない小芝居に会場喝采!
まずストリープがたどたどしい足取りでステージに登場。受賞者が記載された封筒とメガネを忘れたことを告げた。するとそこへ、ハサウェイとブラントが現れ、忘れ物を手渡したのだ。なおふたりは『プラダを着た悪魔』でミランダ・プリーストリー(ストリープ)の助手役を演じていた。
「どこまで演者でどこからキャラクターかというのはよくある質問だけど」と切り出したストリープ。すると隣のブラントが「私はメリル(・ストリープ)と(彼女が演じた)ミランダは双子みたいだと思ったけどね」と、ストリープが冷酷なミランダにそっくりだと茶化す。
「そんなことないでしょ。私は…」と否定するストリープ。今度はハサウェイが反対側から話を遮る。「No, No. 今のは質問じゃないわ」。会場は拍手喝采。それもそのはず、これは今作劇中でミランダがアンディ(ハサウェイ)に向けて発する冷酷なセリフの引用だからだ。
なんてことを、と言った様子でなかなか封筒を開けないストリープ。続いてそこに追い討ちをかけたのはブラントだ。彼女は「氷河の流れみたいに遅いわね。凍えそうよ」と発言。これまた同じくミランダのセリフの引用で、会場は爆笑。愉快な3人による小芝居であった。
エミリー・ブラントにとって特別な作品
過去にVariety誌の対談企画で、ブラントとハサウェイは今作について語り合った。「この仕事に飛び込んだ当時、私はとても未熟だった」というブラント。彼女はハサウェイに対して「あなたは世界一あたたかいハグのような存在だったよ。すでに当時あなたは超大物スターだったけど、私を完全に平等な存在として扱ってくれたよね。私が最も古くから知っている人々の一人。もう知り合って18年になるんだね」とハサウェイに感謝していた。
続けてブラントは「私たちは今作で本当に楽しい時間を過ごしたよ。私たちの誰もが、自分たちの作品がどうなるか想像もつかなかった。いまや、毎週のように私に関して今作を引用されるの。私の人生を変えた映画といえるね」と今作を貴重に思っていた。
続編は難しい…?
エルトン・ジョンらも関わりミュージカル舞台化も進む『プラダを着た悪魔』。しかし一方で続編の製作は可能性が低そうだ。
2022年の「The View」のインタビューで、ハサウェイは続編制作を「魅力的」としながらも、当時と人々の仕事環境が大きく変わった(デジタル化した)ことで、続編を今から作るのは難しそうだと述べていた。
フリーライター(tvgroove編集者兼ライター)。2019年に早稲田大学法学部を卒業。都庁職員として国際業務等を経験後、ライター業に転身。各種SNS(Instagram・X)においても映画に関する発信を行いながら、YouTubeチャンネル「見て聞く映画マガジンアルテミシネマ」にて映画情報・考察・レビュー動画などを配信したり、映画関連イベントの企画・運営も行っている。