ヨルゴス・ランティモス監督とエマ・ストーンによる最新映画『Kinds Of Kindness(原題)』(カインズ・オブ・カインドネス)が6月21日に米劇場公開される。
第96回アカデミー賞で主演女優賞ほか4部門を受賞した『哀れなるものたち』。早くも同作のヨルゴス・ランティモス監督とエマ・ストーンによる次回作が公開される。
14日、サーチライト・ピクチャーズは『Kinds Of Kindness(原題)』が6月21日に米劇場公開となることを発表。前作から約半年での劇場公開というハイペースに映画ファンも驚きの声を上げている。
『Kinds Of Kindness』で豪華キャストが1人3役!
まだ詳細は明かされていない『Kinds Of Kindness』だが、ランティモスは1月のプレイリスト誌のインタビューで今作の構成について仄めかしている。「これは現代のアメリカを舞台にした映画なんだ。3つの異なる物語があり、4、5人の俳優が各物語で1つの役を与えられているから、彼らは皆3つの異なる役を演じることになる」と、彼は今作の特殊な作りを語った。
今作のキャストには、ストーンだけでなく、ジェシー・プレモンス、ウィレム・デフォー、マーガレット・クアリー、ホン・チャウ、ジョー・アルウィン、マムドゥ・アチー、ハンター・シェイファーといった豪華キャストが参加していることもわかっている。今作の撮影は2022年末にニューオーリンズで始まり、同年12月に終了した。脚本は、ランティモスと長年の共同作業者エフティミス・フィリップが共に執筆した。
ランティモス&ストーンの共同作業が続く
「実際には3つの映画を作るのとほぼ同じだよ。でも、再びエマと一緒に仕事ができるのはすばらしいこと。あんなに信頼してくれる人がいて、自分も同じように信頼できる。すごく気が楽だよ」とランティモスはストーンとの関係を喜んでいた。
今作は『女王陛下のお気に入り』、短編映画『Bleat(英題)』、『哀れなるものたち』に続くランティモスとストーンの4回目のタッグであり、さらにふたりは昨年、ギリシャでロビー・ライアンともう1本、詳細不明の何らかのプロジェクトを撮影している。
また、ふたりは近々、韓国のSFコメディ映画『地球を守れ!』(2003/英題:Save The Green Planet)のリメイクでも再びタッグを組む予定。同作の撮影は今年の夏にイギリスで行われる予定だという。
驚愕のハイペースで公開が続くランティモス監督
昨年12月から上映され続けた『哀れなるものたち』、6月の『Kinds Of Kindness』、さらにギリシャで撮影された謎のプロジェクト、そして韓国映画のリメイク。制作速度次第では2024年だけで彼の映画が4作、米劇場で上映される形になる可能性すらある。もし韓国映画のリメイクが2025年以降の公開となるにしても、次々映画を撮ることで知られるガイ・リッチーやスティーヴン・ソダーバーグらさえ上回るハイペースだ。
最新作『Kinds Of Kindness』の最初の予告編は、この春公開を期待されている。
フリーライター(tvgroove編集者兼ライター)。2019年に早稲田大学法学部を卒業。都庁職員として国際業務等を経験後、ライター業に転身。各種SNS(Instagram・X)においても映画に関する発信を行いながら、YouTubeチャンネル「見て聞く映画マガジンアルテミシネマ」にて映画情報・考察・レビュー動画などを配信したり、映画関連イベントの企画・運営も行っている。