『Poohniverse:Monsters Assemble(原題)』の製作が報道された。
『アベンジャーズ/エンドゲーム』の“アッセンブル”から5年。今度“アッセンブル”するのは、なんと低予算映画のホラーキャラクターたち。クロスオーバー映画『Poohniverse:Monsters Assemble(原題)』(プーニバース:モンスターズ・アッセンブル)の製作がVariety誌で報道された。
今作を発表したのは『プー あくまのくまさん』の製作陣。『プー あくまのくまさん』では、A・A・ミルンが生み出した陽気なキャラクター“くまのプーさん”をワイルドな連続殺人鬼に変えたことが話題を呼び、製作費5万ドル未満という低予算作品でありながら興行収入520万ドルを記録した。彼らは『Poohniverse』(プーニバース)によって、プーだけでなく多くのキャラクターの“悪役化”版を大集合させるようだ。
プーさんだけでなくバンビもピノキオも…?
クロスオーバー映画といえば、『アベンジャーズ』や『ジャスティス・リーグ』。それらの作品ではスーパーヒーローたちが“アッセンブル(大集合)”した。それに対し、今回集まるのは世界中の子どもたちに愛されるキャラクターたちだ。くまのプーさんとピグレット、そして『あくまのくまさん』続編で登場するティガー。それだけではなく、バンビ、ティンカーベル、ピノキオ、ピーター・パン、マッドハッター(いかれ帽子屋)。さらに眠れる森の美女までホラーパロディにされるようだ。
2025年にリリース予定の今作のポスターでは、プーが凶暴そうなバンビに乗り、鎖に括られた狩猟用の罠を振り回している姿が描かれている。
今作誕生の理由は「アベンジャーズ」?
俳優兼プロデューサーのスコット・チェンバースが、今作誕生の理由を説明している。「ホラーファンとして、全員悪役のアベンジャーズが欲しかったんだ。フレディ・クルーガー(『エルム街の悪夢』)、ジェイソン(『13日の金曜日』)、『ハロウィン』、『スクリーム』などなど全部ね。もちろん、それは絶対実現しないと思うけど、僕らは僕らなりの小さな方法でそれを実現できる。それこそこの映画が生まれた理由だよ」。“ホラー版アベンジャーズ”の彼らなりの実現が、『Poohniverse』に繋がったようだ。
『Poohniverse』に登場するキャラクターの多くは、今作より前に2024年公開予定の単独作品で初登場する予定だ。それぞれ原題で『Bambi:The Reckoning』(バンビ:ザ・レコニング)、『Peter Pan’s Neverland Nightmare』(ピーター・パンズ・ネバーランド・ナイトメア)、『Pinocchio Unstrung』(ピノキオ・アンストラング)。そして『プー あくまのくまさん』の続編として3月26日に米公開となる『Winnie-the-Pooh:Blood and Honey 2(原題)』。これらの映画では『Poohniverse』に向けた小ネタも用意されているそうだ。
協調性のないモンスターチーム
「僕らはこれらすべてのコンセプトにアクセスできる」「だからそれらを自由に扱えるんだ」と、『プー あくまのくまさん』シリーズおよび『Poohniverse』の監督であるリース・フレイク=ウォーターフィールドは語る。「だから、うん、すごくエキサイティングなんだ」と彼は楽しそうだ。
『Poohniverse』で、モンスターたちは映画で生き残った人々に対処するためにチームを組むことになるが、彼らに調和はなく、「グループ内での殺りく」と「モンスター対モンスターの伝説的なシークエンス」があるとチェンバースは説明している。
フリーライター(tvgroove編集者兼ライター)。2019年に早稲田大学法学部を卒業。都庁職員として国際業務等を経験後、ライター業に転身。各種SNS(Instagram・X)においても映画に関する発信を行いながら、YouTubeチャンネル「見て聞く映画マガジンアルテミシネマ」にて映画情報・考察・レビュー動画などを配信したり、映画関連イベントの企画・運営も行っている。