ジョン・M・チュウ監督が、映画版『ウィキッド』でのアリアナ・グランデ、シンシア・エリヴォらの“生歌”を振り返った。
昨日、ヴァニティ・フェア誌で映画版『ウィキッド』のインタビューが多数のキャスト写真とともに公開。このインタビューで、監督のジョン・M・チュウは今作のキャストたちが“生歌”で挑んだことを明かした。
アリアナ・グランデとシンシア・エリヴォの生歌が映画で聴ける
しばしばミュージカル映画では、事前に録音されたトラックを流している。そしてキャストは撮影時に、音源に合わせてリップシンク(口パク)するのだ。しかし、一部の映画(※)では撮影時の生歌をそのまま映画に使っている。今回のアリアナ・グランデらも、その手法を望んだようだ。
※『ラ・ラ・ランド』『レ・ミゼラブル』など
「今作では生の歌声を使ったんだ」とチュウは説明。「撮影中、彼女たちは『プリレコは関係ない、生で歌うよ』って感じだったんだ」。そうチュウは現場でのアリアナ達の様子を振り返る。
チュウは、セットで生歌を歌えば「気管に風が多く入るけど、大丈夫?」と心配したそうだが、俳優たちは自信を持って「ええ、それが私たちのやり方だから」と答えたという。
グラミーシンガー2人が主演
同名のブロードウェイ・ミュージカルを基にした映画版『ウィキッド』では、エリヴォ演じるエルファバ(通称:西の魔女)とグランデ演じるグリンダ(善良な魔女)を中心に、『オズの魔法使い』の前日譚を描き出す。両者ともにグラミー賞を受賞した経験がある上に、エリヴォはアカデミー賞にもノミネート経験があるという磐石な布陣だ。
ブロードウェイでキャリアをスタートさせ、ドラマシリーズ「ビクトリアス」でのレギュラー出演を経て現在はポップスターとなっているアリアナ・グランデにとって、映画『ウィキッド』は演技での仕事としてはキャリア史上最大の役だ。
エリヴォは今回のインタビューでアリアナの演技を絶賛。「彼女の知性や声、才能がどれほど優れているかをまだ人々は理解していない」と語った。
グリンダ役はアリアナの悲願
アリアナは自身の最新アルバム「Eternal Sunshine」のPRで出演した「Zach Sang Show」で、「『ウィキッド』のミュージカル映画でのグリンダ役ほど、やりたいと望んだものはこれまでにないよ」と今作出演が念願であることを明かしている。
「期待はしてなかったよ。ただ、オーディションの機会を得たことに感謝していただけ。20歳の頃から、『いつ実現するかは分からないけど、実現したときには、せめてオーディションだけでも受けさせてくれないかな』と思っていたの。オーディションができればいい、それだけだった。これ以上なんて望めないと思ってたよ」。そう明かすアリアナだが、彼女のグリンダ役は周囲のキャストが認めているとおり。映画公開に大きな期待が高まる。
映画版『ウィキッド』は2部作で公開予定。「パート1』はユニバーサル・ピクチャーズから2024年11月27日に劇場公開。「パート2」は1年後の2025年11月26日に公開予定となっている。
フリーライター(tvgroove編集者兼ライター)。2019年に早稲田大学法学部を卒業。都庁職員として国際業務等を経験後、ライター業に転身。各種SNS(Instagram・X)においても映画に関する発信を行いながら、YouTubeチャンネル「見て聞く映画マガジンアルテミシネマ」にて映画情報・考察・レビュー動画などを配信したり、映画関連イベントの企画・運営も行っている。