今大注目のシンガー、テディ・スウィムズ(Teddy Swims)が、今年のFUJI ROCK FESTIVALでついに来日。
YouTubeでテイラー・スウィフトやハリー・スタイルズの楽曲をカバーした動画なども人気を博し、日本のバンドONE OK ROCKのアルバムでもコラボレーション。昨年9月にリリースした「Lose Control」はリリースから4カ月で全世界で5億再生回数を達成、さらに同曲がBillboard Hot 100で8位、World Top 100で3位にチャート・インするなど、ビジュアルとギャップのある美しい歌声の衝撃もあり瞬く間に老若男女問わない人気を獲得しているテディ・スウィムズ。今回そんなテディが、tvgrooveの独占インタビューに応じてくれた。
今年7月、FUJI ROCK FESTIVALでついにあなたは日本でパフォーマンスを行いますね。あなたが日本を訪れるのは初めてですか。
テディ・スウィムズ(以下テディ):うん、すごく楽しみだよ。まさに夢が叶ったって感じ。ずっと日本に行きたくて“やりたいことリスト”に入れてたんだよ。FUJI ROCKのようなランドマークに出演するなんて、初めての訪日としては最高のスタートだね。
初来日を心より楽しみにしています。フェス出演以外で、来日で楽しみにしていることは何ですか。
テディ:ショッピングと食事だね。たくさん美味しいものを食べまくるつもりだ。待ちきれないよ。
ステレオタイプで申し訳ないのですが、実は、最初にテディの動画を観た時、クールなタトゥーがたくさん入ったあごひげの豊かな姿を見て、メタルシンガーだと思ったんです。デスボイスや超高速のギターリフがあるタイプのジャンルの音楽を予想しながら再生しました。しかし、テディはパワフルでありながら、すごく美しく響き渡るような声でしっとり歌い出したので、驚きました。よくそのギャップには驚かれますか。
テディ:実際ね、僕はかなり長い間メタルシンガーだったんだよ。10代から20代にかけてずっとメタルバンドにいて、その後もメタルジャンルで活動を続けると思っていた。だからこの風貌なんだよね。だからもちろんよく驚かれるし、僕も驚かれるのが好きだよ。僕は人々がYouTubeなどの動画サイトで僕の音楽へのリアクション動画を投稿してくれているのを見るのが好きなんだ(笑)。みんなこのギャップに驚いてくれてる。それを見るのがすごく楽しいよ。
ちなみに、大量のタトゥーについてですが、いつからタトゥーをいれ始めて、最近はどのくらいの頻度で新しいタトゥーが増えていますか。
テディ:初めてタトゥーを入れたのは16歳の時だったな。それからも、ツアー中にかなり頻繁に新しいタトゥーを入れているんだ。というのも、たくさんの人がInstagramでメッセージをくれて、みんな「あなたのライブに行き、それから新しいタトゥーを彫らせてほしい」って言ってくれるんだよ。だから、ツアー中はどんどんタトゥーが増えていくんだ(笑)。
動画を観た時から気になっていたんですが、左目の下にはタトゥーで「過労死」と書いてありますよね。日本語では「働きすぎて死んでしまう」という意味ですが、なぜそのタトゥーをいれたのですか。
テディ:僕はある種の仕事中毒なんだよ。いつでもスタジオに入って音楽の仕事に向き合っているし、それが何より好きだ。いつか仕事による疲れが僕を殺すかもしれないけど、だとしてもいつでもハードに仕事に向き合う。それが僕が人生でできる唯一のことであり、やりたいことだからね。
2020年に「Unlearning」をリリースしてからどんどんキャリアを成功させ、特に「Lose Control」は世界的に特大ヒットしていますね。ここ最近は、デビュー当時と比べて、ライフスタイルや音楽活動に変化はありましたか。
テディ:かなり変わったね。今は以前より少し多くのお金を使えるし、毎日より良い生活を送れるようになったと感じているよ。自由に動けて、過去最高の状態だと思うね。
「Lose Control」の歌詞はテディ自身の経験に基づいているのでしょうか。
テディ:うん。この曲の歌詞は、当時のライフスタイルにおける、ある人との関係について歌ってる。僕らの関係は互いにとって毒のようなものになってしまって、前に進まなければいけないと思ったんだ。お互いの人生をより良いものにするためにね。
Teddy Swims「Lose Control」ライブ・ビデオ
日本のバンドONE OK ROCKと一緒にコラボレーション楽曲「Free Them」をリリースしましたよね。あのコラボレーションはどのように決まったのですか。彼らの印象はどうでしたか。
テディ:LAに住む共通の友人であるタイラー・カーター(元・Issues)が、Taka(ONE OK ROCKのボーカル)を僕に紹介してくれて、その時に意気投合したんだ。Takaとはメンタルについて話したりしたんだけど、話すのが好きなトピックが一致していたし、お互いの考えを吐き出す会話がすごく僕にも響いたんだ。ONE OK ROCKは全員、才能あふれるすばらしいミュージシャンだよ。ステキだしタフでもあるよね。彼らの音楽も最高だ。一緒に曲作りができて本当に嬉しかったな。
ONE OK ROCK「Free Them(feat. Teddy Swims)」オーディオ・ビデオ
幼少から今に至るまで、どのような音楽をよく聴いて来ましたか。テディの音楽は、特にどのようなアーティストから影響を受けていますか。
テディ:メタルだったりカントリーだったりソウルだったり、ロックンロールも含め、さまざまなジャンルから少しずつ要素を取り入れているよ。アーティストでいうと、アーキテクツは僕の人生で大きな影響を与えているね。あの歌声はヤバいよ。それからオーティス・レディングは僕のヒーローさ。ほかにもボーカル面ではレイ・チャールズやスティーヴィー・ワンダー、マーヴィン・ゲイなどの影響を受けているよ。
音楽を作るとき、もっとも重要視していることは何ですか?
テディ:意図をもって感情を音楽に生じさせることは滅多にできないけど、感情をそのまま音楽に込めれば感情が音楽に生じるんだ。だから、僕は自分がそのときに持っている感情に作曲を導かせることを大切にしてる。その後から、自分のクリエイティビティの引き出しを使ってああでもない、こうでもないって自由に調整をするんだ。
オリジナル楽曲だけでなく、テイラー・スウィフトの「Cruel Summer」など、他のアーティストの楽曲をカバーした動画もアップしていて、それらも人々にたくさん見られていますよね。もし自分のカバー楽曲の中からお気に入りを選ぶなら、どの曲ですか。
テディ:ボニー・レイットの「I Can’t Make You Love Me(日本語タイトル:夕映えの恋人たち)」がお気に入りだな。あの曲はいつでも僕を深く感動させてくれるし、僕がカバーした中でも最も美しい曲だと思う。あのカバーでたくさんの人が僕を見つけてくれたという思い入れもあるよ。僕は幸運なことに、一緒に演奏している最高のバンド仲間を持つことができた。彼らは本当にスマートで、すばらしいミュージシャンなんだ。長い間一緒に成長しながら、一緒に音楽を愛し、支え合ってきた最高の親友でもあるんだ。
Teddy Swims「I Can’t Make You Love Me」カバー動画
最後に、日本のTeddy Swimsファンや、このインタビュー記事を読んであなたを初めて知る日本の人々にメッセージをお願いします。
テディ:みんな本当にありがとう。アメリカのジョージア出身のただのぽっちゃり少年だった僕を気にかけて、応援してくれるみんなへの感謝でいっぱいだよ。世界中の誰かに影響を与えられる機会をもらえているって、本当にすばらしいことだよね。日本のみんなに会いに行く日が待ちきれないよ。最高の時間にしよう!
(インタビュー以上)
テディ・スウィムズ(Teddy Swims)プロフィール
米アトランタ出身のTeddy Swims(テディ・スウィムズ)は、自身のベッドルームスタジオで制作した一連のカバーが世間に広まり、ワーナー・レコードと契約。2024年、アメリカで最も注目される新人アーティスト。
2020年にデビュー作となる『Unlearning EP』をリリース。自身の内面と向き合ったオリジナル曲は「American Songwriter」「Billboard」「Rolling Stone」誌で賞賛を浴び、「注目すべきアーティスト」に選ばれた。2022年には、2枚の最新EP『Tough Love』『Sleep is Exhausting』をリリース。メーガン・トレイナー、イレニアム、MK、BURNSといった著名アーティストたちとのコラボレーションも実現。日本のバンドONE OK ROCKの楽曲「 Free Them (feat. Teddy Swims)」に参加。
2023年9月にデビュー・アルバム『I’ve Tried Everything But Therapy (Part 1)』をリリースし、楽曲「Lose Control」はBillboard Hot 100 Chartで8位にチャート・インし、既に全世界で5億ストリーミングされている(2024年1月時点)。
Teddy Swims(テディ・スウィムズ)は現在アメリカで最も注目されているシンガーソングライターであり、日本でもこの奇跡の歌声でソーシャル上でも老若男女問わず評価が高く、今後の彼の活動に注目!
テディ・スウィムズ(Teddy Swims)リリース情報
デビュー・アルバム「I’ve Tried Everything But Therapy (Part 1)」
リリース:2023年9月15日(金)配信スタート
視聴リンク
1.Some Things I’ll Never Know
2.Lose Control
3.What More Can I Say
4.The Door
5.Goodbye’s Been Good To You
6.Last Communion
7.You Still Get To Me
8.Suitcase
9.Flame
10.Evergreen
フリーライター(tvgroove編集者兼ライター)。2019年に早稲田大学法学部を卒業。都庁職員として国際業務等を経験後、ライター業に転身。各種SNS(Instagram・X)においても映画に関する発信を行いながら、YouTubeチャンネル「見て聞く映画マガジンアルテミシネマ」にて映画情報・考察・レビュー動画などを配信したり、映画関連イベントの企画・運営も行っている。