TVシリーズ版「ワンダーウーマン」のリンダ・カーターが、ガル・ガドット版3作目の中止について語った。
1975年から1979年までTVシリーズ「ワンダーウーマン」でワンダーウーマンを演じたリンダ・カーター。ガル・ガドットが主演を務めるDC映画『ワンダーウーマン 1984』のエンディングにカーターが（死んだと思われていたアマゾンの伝説の戦士アステリアとして）登場したことは、当時アメコミファンを喜ばせた。これによってDCEU（DCエクステンデッド・ユニバース）における「ワンダーウーマン」シリーズ3作目ではふたりのコラボレーションにも期待が高まったが、2023年8月に、シリーズの中止が発表された。
（ワンダーウーマン3復活には）ファンからの十分なプレッシャーが必要
Yahoo Entertainmentとの新しいインタビューに応じたカーター。彼女はインタビューで興味深い事実を明かした。なんとパティ・ジェンキンス監督＆ガドット主演による「ワンダーウーマン 3」が実現していたら、彼女はアステリアとして戻っていたことを示唆したのだ。彼女はジェンキンスによる3作目の計画を「非常に興味深く、すばらしく、重要なもの」と説明し、「あなたたちが思い浮かべるような典型的なものではない」と強調した。
「ファンからの十分なプレッシャーがない限り、彼らは（「ワンダーウーマン3」を）作る気がないと思うよ」とカーターはスタジオの意向を語った。「彼らは撮ろうと考えていないと思う。私には理解できないけどね。だってワンダーウーマンは他のキャラクターとは違う。彼女はただのスーパーヒーローでじゃないの。彼女はいつも平和な解決策を求めている。彼女は攻撃するために攻撃的になることはない。他とは違う話なんだよ。このシリーズは内的・外的な強さを語る。今作は偉大なフランチャイズなのに、なぜ保留されてしまったのかわからない」
ワンダーウーマンはいつでも正しく怒る
さらにカーターは「パティ（・ジェンキンス監督）とガル（・ガドット）は大きな信頼に値するよ」「彼らが関わるとわかったとき、（作品への）関心が頂点に達したの」と振り返る。「彼らのビジョンにはしっかり意図があり、私がキャラクターを演じたときも意図があった。（ワンダーウーマンは）善良で、親切で、強く、すべてを正しい理由で行う。彼女は怒っていたとしても、正しい相手に怒っていたの」と、こだわりを持ってキャラクターに向き合うチームの姿勢を讃えた。
カーターは、ジェンキンスとガドットとのグループチャットを今も続けていると明かす。そして「私たちはお互いを受け入れ、とても仲良しな友だちだよ」と彼女は付け加えた。続けて彼女は「私たちは互いに愛し合い」、「すばらしいレガシーをシェアしている」と、互いの尊い関係について語っていた。
ジェンキンスが明かした「ワンダーウーマン」中止
ジェンキンスは先月、ポッドキャスト番組「Talking Pictures」で、「ワンダーウーマン」との仕事経験は「しばらく、もしかしたら永遠に」終了したと述べた。
「彼らはしばらくの間、一切「ワンダーウーマン」作品には興味を持っていないよ」。そうジェンキンスは現状を語った。「DCで起きていることを考えると、（今作を使うのは）簡単ではない。ジェームズ・ガンとピーター・サフランは自らの心に従い、自らの計画に取り組む必要がある。私は彼らが何を、どんな理由で計画しているのかも知らないから、私は彼らがなんて大きな仕事を引き受けているんだろうと同情するよ」とジェンキンスはガンらの状況を想像し、彼らを労うスタンスを見せた。
ジェンキンスは「ワンダーウーマン」3作目が破綻したと報じられた当時、ジェンキンスはツイッターを更新。「私は決して立ち去ったことはない」「私は自分が求められたことについては何でも検討しようという気構えがあったの。そして、現状私が前進に貢献できることは何もないというのが私の理解だった。DCは明らかに彼らが行わなければならない変更でいっぱいいっぱいなので、私はこれらの決定を今行うのは難しいと理解してるよ」と冷静に現状を分析していた。
ガンとサフランによる新たなDCユニバースは、バットマンやスーパーガールなどのスーパーヒーローと共に始まるとされているが、ワンダーウーマンはまだ新しいフランチャイズには発表されていない。
『アクアマン』のジェイソン・モモアも、DC映画の未来を心配していた。カーターのいうように、ファンが声を上げ続けることだけが、ワンダーウーマンを含めたDCEUのヒーローたち復活の可能性を高めるのかもしれない。
フリーライター（tvgroove編集者兼ライター）。2019年に早稲田大学法学部を卒業。都庁職員として国際業務等を経験後、ライター業に転身。各種SNS（Instagram・X）においても映画に関する発信を行いながら、YouTubeチャンネル「見て聞く映画マガジンアルテミシネマ」にて映画情報・考察・レビュー動画などを配信したり、映画関連イベントの企画・運営も行っている。
