ビリー・アイリッシュが、ビニール製品販売を批判したことに対するバッシングに反応した。
ビリー・アイリッシュは、長い間、音楽業界の過剰消費習慣に対抗。その持続可能性の成功と失敗に注目しながら活動してきた。
ビリー・アイリッシュ「(過剰な販売が)どれほど無駄か言葉にしきれない」
ビリーは最近のビルボード誌のインタビューで、環境活動について語った。その際、「世界で最も有名なアーティスト」が多くのバリエーションのビニール製品(レコードなど)を過剰に販売し、アルバムチャートでのトップにランクインするために「無駄遣いな」方法をとっていると非難した。「それがどれほど無駄か、言葉にしきれないよ」とビリーは発言した。
彼女は特定の人物の名前を挙げたわけではなかったが、そのコメントはオンライン上で厳しい批判に遭ってしまった。多くの人々が、自分たちの好きな歌手をビリーが「見下している」と解釈したからだ。
ビリー「記事を読んでほしい」「特定の誰かを指して発言したわけじゃない」
ビリーは週末にInstagramのストーリーズをシェア。「私の発言に口を突っ込まず、私が実際にビルボードの記事で何を言ったか読んでくれたらいいんだけどな。私は特定の誰かを指して発言したわけじゃない。業界全体にまたがるシステムの話をしたんだよ」。そう人々からの意見に辟易する様子を見せた。
「バリエーションの話は、多くのアーティストがリリースしてるでしょ、私も含めてだよ!記事で明確に述べたはず。今、私たち全員が気候危機問題の一部であり、より良くしようとすべきなんだよ」。ビリーは誰かを攻撃したかったわけではないという。多くのアーティストに共通するリリース形態に変化を促したかったとの説明だ。
マギー・ベアード(ビリー母)もビニール製品の普及に怒り
ビリーの母であるマギー・ベアードもビルボードにインタビューに応じた。ふたりはビニール製品をより持続可能にする方法について語り、記者はビリーのアルバム「Happier Than Ever」のLPが100%再生ビニールとその他のリサイクル可能な材料で作られていることについて話題を振った。
「私たちが今いる時代は、さまざまな種類のビニール製品やパッケージを作ることが非常に重要であるとされているね。それにより、売上・数字を増やし、より多くのお金を稼ぐことができるから」。そう分析するベアード。
続けて彼女は「その問題は目の前にあるのに、人々はそれを受け流している。本当に腹立たしいよ。私は本気で持続可能性に努め、自分ができる最善のことをし、私のチームの皆を持続可能性に巻き込もうと努めているのに、世界で最も大きなアーティストの一部が(それらの製品を)作っているんだよ。より多く買われ続けるよう、異なる40種類ものビニール製品を作っているの」と発言。彼女は人々の努力が大スターに踏みにじられていると怒りを感じているようだ。
ビリー母「(アーティストのリリースに)何かしらルールが必要」
彼女への批判の大半は、テイラー・スウィフトなどのスターの一部ファンによるもの。テイラーといえば、最近の一連のアルバムのために複雑な様々なバージョンを含むビニール製商品商品をリリースしている。(もちろん、ビリーの言葉はテイラーだけでなく多くのアーティストに当てはまる。)
さらにベアードは「フェアな立場で見ても、問題はシステムにあるよね」と付け加えた。「正直、ビルボードが制限を設けないから…。私は制限を設ければいいと思うよ。たとえば、“4種類まで”とかね。あるいはいくつかのルールを作ればいいと思う。だってアーティストがナンバーワン争いをすることは非難できないから」。マギーはアーティストたちのリリース合戦に、ある程度のルールが必要だと主張した。
フリーライター(tvgroove編集者兼ライター)。2019年に早稲田大学法学部を卒業。都庁職員として国際業務等を経験後、ライター業に転身。各種SNS(Instagram・X)においても映画に関する発信を行いながら、YouTubeチャンネル「見て聞く映画マガジンアルテミシネマ」にて映画情報・考察・レビュー動画などを配信したり、映画関連イベントの企画・運営も行っている。