映画『システム・クラッシャー』より特別映像が解禁。主演ヘレナ・ツェンゲルの演技にフィーチャーした映像となっている。
映画『システム・クラッシャー』が4月27日公開。この度、公開を記念してヘレナ・ツェンゲルをフィーチャーした日本だけの特別映像、ならびにヘレナについて監督が語ったコメントが解禁された。
【動画】『システム・クラッシャー』特別本編映像
今回解禁となった特別映像は、撮影当時 10 歳で本作の主人公ベニーを演じ、 史上最年少で2020年ドイツ映画賞の主演女優賞をかっさらった天才ヘレナ・ツェンゲルをフィーチャーしたもの。
2008年生まれ、現在15歳の彼女。出演シー ンの大半が全身全霊の慟哭で周囲を絶望に追い込むという強烈な役どころ。悲 しげな青い目で愛情を切望するかと思えば、一瞬で自信に満ちた小さなサタン のような目となる。叫び、悪態をつき、制御が効かない女の子に変貌して様々な 感情の幅を演じ切った。
本作の出演後、名優トム・ハンクス主演作『この茫漠たる荒野で』(20/Netflix)に孤児役で出演し、早々にハリウッド映画デビューを遂げ、第78回ゴールデン・ グローブ賞の助演女優賞にもノミネート。さらに A24 製作の『The Legend of Ochi(原題)』ではウィレム・デフォー、エミリ ー・ワトソンと共演が決定しており、バラエティ誌の「注目すべき俳優リスト10人」 や、ハリウッド・レポーター誌の「注目すべきヨーロッパの才能リスト10人」にも選ばれ、その恐るべき演技力は世界的にも注目となっている。
フィングシャイト監督もツェンゲルを絶賛
そんな彼女について、監督のノラ・フィングシャイトはこう語る。
「彼女は、凶暴な凶暴性から絶望的な弱さまで、むち打つようなスピードで演じ分けます。彼女は、叫んだり縛られたりするような最も激しいシーンを演じていても、「5 分休憩!」と伝えると廊下を歌いながら遊びにいってしまうのです。彼女は役割のオン・オフを切り替えることができます。他の俳優たちもヘレナから学びました。非暴力トレーナーのミヒャを演じたアルブレヒト・シュッフ は、常に役柄のままでいることを望むメソッド俳優ですが、ヘレナの影響で数日後には休憩中はリラックスし始めました。撮影後に夕食で会ったとき、彼はこう言いました。『ベニーとの激戦から私が何を学んだか知っていますか?休憩中は役柄を演じる必要はないということです』と。
はっきり言って、大人は考え過ぎですね(笑)。共演者たちはヘレナの激しいエネルギーに後押しされ、すばらしい化学反応を起こしました。彼女は周りに強烈な影響を及ぼしたのです。観客は少しずつベニーを好きになっていくと思います。最初は常軌を逸していて奇妙で馬鹿馬鹿しいと思えていたとしても、彼女の無垢なる魅力を理解するからです」
今回解禁となった特別映像でも、その天才の片鱗が多数感じられるものとなっている。
『システム・クラッシャー』作品情報
<STORY>
9歳の少女ベニーは、幼少期に父親から受けたトラウマを背負い、手の付けようのない暴れん坊と化してしまう。その怒りようといったら烈火のごとく、里親、グループホーム、特別支援学校、どこに行こうと問題を起こして追い出されてしまう。そんなベニーの願いは、ひとつ。「ただ、ママのもとに帰りたい」。しかし、母はベニーに対して愛情は持ちながらもどのように接していいのか皆目見当がつかず、施設へと押し付け続ける。このままでは何処にも居場所がなくなってしまうという中、非暴力トレーナーのミヒャは、 自分とベニーの二人きり森深くの山小屋で3週間の隔離療法を受けさせることを提案。はじめは文句を言い続けていたベニーだっ たが、徐々にミヒャへ心を開き始め、ある変化が…。ぶち切れるのは愛の不足の裏返し。ただママに愛されたいだけの少女が突き進む崖っぷちの物語が、いま幕を開ける!
監督・脚本:ノラ・フィングシャイト
撮影:ユヌス・ロイ・イメール
音楽:ジョン・ギュルトラー
出演:ヘレナ・ツェンゲル、アルブレヒト・シュッフ、リザ・ハーグマイスター、ガブリエラ=マリア・シュマイデ
原題:Systemsprenger
英題:System Crasher
日本語字幕:上條葉月
後援:ゲーテ・インスティトゥート東京
提供:クレプスキュール フィルム、シネマ サクセション
配給:クレプスキュール フィルム
[2019年/ドイツ/ドイツ語/カラー/125分/ビスタ]
©2019kineoFilmproduktionPeterHartwig,WeydemannBros.GmbH,OmaIngeFilmUG(haftungsbeschränkt),ZDF
公式HP
フリーライター(tvgroove編集者兼ライター)。2019年に早稲田大学法学部を卒業。都庁職員として国際業務等を経験後、ライター業に転身。各種SNS(Instagram・X)においても映画に関する発信を行いながら、YouTubeチャンネル「見て聞く映画マガジンアルテミシネマ」にて映画情報・考察・レビュー動画などを配信したり、映画関連イベントの企画・運営も行っている。