アン・ハサウェイが、20年ほど前のオーディションで10人の男性とキスさせられたことを明かした。
アン・ハサウェイが、Vマガジンでのインタビューで、過去の不快な体験を明かした。彼女は2000年代のオーディションから、俳優同士のケミストリー(化学反応)を確認するテストが大きく変化したと述べた。なぜなら、彼女は最適な共演者を判断するために複数人の男性とキスすることを要求されたからだ。(ハサウェイはそれが何の映画かは明らかにしなかった)
「ワクワクしないか?」って?しないよ。
「2000年代を振り返ると、私にもそれは起きたんだ。俳優と他の俳優とキスさせることは、化学反応を試す普通の方法だと思われていた。実際には最悪の方法だけどね」とハサウェイは述べた。
「『今日は10人の男性が来るよ。そして君はもうキャスティングされた。彼ら全員とキスできるなんてワクワクしないか?』って言われたの。『おかしいのは私なの?』って感じたよ。ワクワクなんてしないし、不快なことだと思ったから」
「私はとても若く、いかに簡単に『気難しい』というレッテルを貼られてしまうかをよくわかっていた。だから私はワクワクしているふりをして、やり遂げたよ」。そうハサウェイは、扱いにくい俳優だと思われないために演技をしたことを説明。
続けて「これ(このエピソードを明かしたこと)は権力を使った告発ではないよ。誰かがひどいことをしようとしたり、私を傷つけようとしたわけではないの。単に今とは全然違う時代だった。そして今私たちはよりよい方法を知っている」。そう、ハサウェイは時代が変化しただけで、過去のことを今咎めようとはしないスタンスを強調していた。
最新作「アイデア・オブ・ユー」のキャスティングは?
最新作『アイデア・オブ・ユー 〜大人の愛が叶うまで〜』では主演だけでなくプロデューサーも務めたハサウェイ。彼女はチームが最適な共演者を見つける方法に直接関与した。ロビン・リーの小説をもとにしたこの映画で、ハサウェイは40歳のシングルマザーを演じる。彼女は世界一ホットなボーイズバンドのボーカル(24歳)と恋に落ちることになる。
「『アイデア・オブ・ユー』の化学反応テストでは、それぞれの俳優に、自分のキャラクターが好きそうだと感じる曲であり、私が演じるキャラクターを踊らせるために流す曲を選んでもらったの。それから私たちは軽く即興を行った」とハサウェイは明かす。
続けて「私は椅子に座っていて、私たちは夕食や散歩から帰ってきたような感じの雰囲気を作り、再生ボタンを押し、単に一緒に踊ったんだ」と具体的な状況を説明した。
ニコラス・ガリツィンは、アラバマ・シェイクスの曲を選んでハサウェイと一緒に踊ったことで役を勝ち取った。ハサウェイは、ガリツィンが部屋に入ってきた瞬間、彼が「完璧すぎるほどに」ハマり役だと思ったそうだ。
頑張らず、ただ踊っただけ。
加えて「(彼に決まる流れは)簡単だった」とハサウェイは語る。
「私はブリトニー(※)の声を聞いて、ただ笑顔になった。そして彼は私が笑顔になったのを見てリラックスした。そして私たちはただ踊り始めたの。誰かに見せびらかすのではなく、仕事を得ようと頑張ったわけでもなかった。私たちは単に一緒に踊ったの。ふと目線をやると、私たちの監督マイケル・ショウォルターも笑顔になっていたよ。ビビッときた」
※ アラバマ・シェイクスのボーカル、ブリトニー・ハワード。
そんな奇跡的な化学反応を生んだふたりによる『アイデア・オブ・ユー 〜大人の愛が叶うまで〜』は5月2日からAmazon Prime Videoで配信。
フリーライター(tvgroove編集者兼ライター)。2019年に早稲田大学法学部を卒業。都庁職員として国際業務等を経験後、ライター業に転身。各種SNS(Instagram・X)においても映画に関する発信を行いながら、YouTubeチャンネル「見て聞く映画マガジンアルテミシネマ」にて映画情報・考察・レビュー動画などを配信したり、映画関連イベントの企画・運営も行っている。