映画『ブルー きみは大丈夫』(原題:「IF」)が6月14日(金)に日本公開となる。今回tvgrooveは、主人公の少女ビー役を演じたケイリー・フレミングにインタビューを行った。
フレミングは、『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』でレイの少女時代を、マーベルのドラマシリーズ「ロキ」でシルヴィーの少女時代を演じたことなどで子役として注目された俳優。今回の『ブルー きみは大丈夫』(以下、『ブルー』)では初めての主演を果たし、ライアン・レイノルズや、今作の監督も務めたジョン・クラシンスキーと共演している。
『ブルー』では“ブルー”をはじめとする多くの「IF」(イマジナリー・フレンド/想像上の友達)が登場。フレミング演じる孤独な少女ビーはIFたちの願いを叶えるため、レイノルズ演じるカルと共に奔走することになる。
ケイリー・フレミング インタビュー
初来日となりましたね。ジャパンプレミアでも日本のファンと交流されていましたが、日本はいかがですか。
ケイリー・フレミング(以下、フレミング):最高だよ!みんなに会えて嬉しいし、本当に楽しかったよ。また戻ってきて日本を探検したいな。少し見ただけで美しい国だとわかるし、ファンのみんなも素敵だから。
初めての日本で楽しんだこと、楽しむ予定のことはありますか。
フレミング:まずラーメンを食べたんだけど、辛くてとっても美味しかったよ!昨日はレストランでお寿司も食べたよ。初めてのお寿司は美味しかったし、すごくワクワクした!
今作で、さらに多くのファンを獲得したと思います。多忙かと思いますが、人生の変化は強く感じますか。
フレミング:うん、『ブルー』は私の人生を最高の形で動かしてくれた映画だよ。たくさんのファンと交流できるようになったし、ジョン(・クラシンスキー)をはじめとした最高の仲間たちにも出会えた。この映画がなければこうして日本に来ることもできなかったしね。
メインキャストのひとりとして、『ブルー』を通して世界に伝えたいことは何ですか。
フレミング:この映画から学べることはたくさんあると思う。私自身も多くを学んだよ。困難な時でも恐れず、自分自身をしっかり持つことが大事ってこと。同時に、いつだって自分はひとりじゃないってこと。私もたまに「世界の終わりだ…」みたいな気分になることがあるけど、そんな簡単に絶望する必要はないの。(今作を体験すると)「みんな同じだから大丈夫だ」って思えるはずだよ。私自身も、記憶が薄れた頃にまた観たい映画だな。
オーディションでビー役に選ばれた時の気持ちはいかがでしたか。起用された理由は何だと思いますか。
フレミング:いい質問だね!何で起用されたのかは全然わからないけど、とにかくびっくりだったよ。あんぐり開いた口が床についちゃうんじゃないかってくらいね。でも、ここにいられることに本当に感謝してるよ。起用理由についてはジョンに聞いて(笑)!ジョンも来られたらよかったのになあ。でも忙しい人だからね…。
ビーは“孤独を抱える少女”という役でしたが、どのように演技に向き合いましたか。個人的には共感するところはありましたか。
フレミング:うん!オーディションの時から「私自身のままで演じていい」と言われていたから、自分の人生に重ねてみながら彼女を演じたの。演じたというか、もはや自分が彼女で、彼女が自分という状態だった。彼女のストーリーには深く深く感情移入させられたよ。
15歳で12歳の少女を演じるにあたって心がけたことはありますか。
フレミング:ビーはすごく成熟した女の子だから、演技で彼女の年齢を意識することはあまりなかったな。感情面の知性が自分の感情と行動がしっかり連動しているの。でも逆に気持ちを抑制しがちで、それがある点に達したときに一気にあふれてしまうタイプなんだ。そこはすごく私と似ていると思う。そんなビーが映画を通して成長していく過程を楽しんでもらえたらいいな。
今作ではたくさんのIF(イマジナリー・フレンド/想像上の友達)が登場しますが、英語圏で「IF」は広く認知されている概念なのでしょうか。
フレミング:存在としては認知されてると思う!私にはいなかったけど、IFがいる人は多いんじゃないかな。ジョンが児童心理学をリサーチしたとき、「子どもは自分が必要としているものに合わせてIFを作り出す」と知ったらしいんだ。たとえばいじめを受けている子は、守ってくれたり、ハグしてくれるようなIFを作り出すの。興味深いと思ったよ。そばにいてくれるIFって、大人も子どもも関係なく頼れる、すてきな存在だよね。
ちなみにケイリーさんが、今作に登場するIF(イマジナリー・フレンド/想像上の友達)たちから一番のお気に入りを選ぶなら誰ですか。
フレミング:お気に入りはルイス!だって彼は、もっとも的確なアドバイスでビーを導いてくれる存在だから。もちろん、可愛らしくて抱きしめたくなる、テディベアらしい外見も大好きだよ…!(ハグの仕草)
ジョン・クラシンスキーは『クワイエット・プレイス』から大きく作風が変わって今回の可愛らしい映画を監督しました。さらに彼はビーのお父さん役で演技もしましたね。彼のそばで演技する経験はいかがでしたか。
フレミング:ジョンは本当にベストな人だよ。偉大な俳優で偉大な監督。世界中にひとりも彼を悪く言う人なんていないと思っちゃうくらいね。現場でもクリエイティブですばらしいアイデアやアドバイスをくれたの。この作品自体も彼のオリジナルだし、ティナ・ターナーのシーンなんてどうやって思いついたんだろうね…。言ってくれたとおり、『クワイエット・プレイス』も『ブルー』も同じ人が作ったなんて信じられないよね。彼は本当に私のスーパーヒーローだよ。
ライアン・レイノルズとの共演はいかがでしたか。彼のすごさはどこにあると思いますか。
フレミング:えーっと…全部じゃない?(笑)冗談ではなく全部だよね。すごく面白いし、アドリブもできるし、なんでもうまくできちゃう。毎日彼を見ていたけど、IFがいない状態での撮影でも(「あ、IFは本当に存在するからね(笑)!」と挟みつつ)、私自身が何をやっているのか不安になるときでも、ライアンを見ると、見えないものに対して演技する時でさえクールにこなしてるの。側から見るとくだらないことさえも適切にクールにこなせる、そこがライアンのすごいところじゃないかな。私は彼にインスピレーションをもらいながら、彼をコピーしようとがんばったよ。私がひとつを行う間に10個くらいの仕事をこなしてしまうところもすごいよね。
この映画は声優キャストも豪華ですね。(スティーヴ・カレル、マット・デイモン、エミリー・ブラント、サム・ロックウェル、オークワフィナなど…)彼らの声の演技についてはいかがでしたか。
フレミング:オーマイガーだよ!彼らの演技は本当にパーフェクトだと思う。声の録音は完全に別だったから、私が彼らの演技を聞いたのはプレミア上映が初めてだったんだけど、声があてられたキャラクターたちを見た時、その声のままのキャラクターたちを以前から知っていたような気分になったの。
特に大好きなのは、ブラッドリー・クーパーが演じた“アイス”(笑)。私のツボなんだ。本当に面白い。“キース”の声が誰かというのも最高のサプライズだよね!
おばあちゃんのダンスのシーンがとても美しく、印象的でした。あなたのお気に入りのシーンを1つ選ぶならどのシーンですか。
フレミング:ダンスのシーンは私ももちろん大好き!ブルーとジェレミーが会うシーンも、ラストシーンもお気に入りだな。もちろん、どのシーンも私にとってはすごくスペシャルだけどね。
今作は子どもにも大人にも夢を与えてくれるすばらしい映画でしたね。ケイリーさんは子どもの頃、どのような映画が好きでしたか。
フレミング:今でもディズニー映画が大好き!『塔の上のラプンツェル』『モアナと伝説の海』とかね。あとマーベル映画も好きだな。全部好きだけど、お気に入りは『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』と『アベンジャーズ/エンドゲーム』、あと『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』も最高だね!現実世界とかけ離れたものを見せてくれる映画が大好きなんだ。
ケイリーさんは7歳か8歳の時にはすでに演技の仕事を始めていましたよね。最初はどのようなきっかけで演技を始めたのですか。
フレミング:俳優業をやりたいと思った時のはっきりした記憶はないんだよね(笑)。でも覚えているのはディズニー・チャンネルの番組、特にゼンデイヤの「ティーン・スパイ K.C.」に没頭していて、自分もテレビの中に行きたいと思っていたこと。その数年後、私は俳優デビューをすることになったんだ。
今華々しいキャリアを歩んでいるケイリーさんですが、あなたが参考にしたり、憧れの対象だったりする俳優はいますか。
フレミング:実際に仕事を見た人たちから一番影響を受けていると思う!今作のジョン(・クラシンスキー)やライアン(・レイノルズ)も明らかに影響を与えてくれたな。
あと『ライリー・ノース 復讐の女神』(2018)で共演したジェニファー・ガーナーからは莫大なインスピレーションをもらったよ!彼女は世界一謙虚で、優しい人だと思う。『ブルー』も公に応援してくれているし、本当にすてきな人なんだよ。すごく尊敬してる。
大役を終えて、今後はどのような映画に出演してみたいですか。
フレミング:どうだろう…今回の役が本当に夢のようだったからなあ。今後どんなプロジェクトに参加したいかはまだ考えられないかも。ひとつ言えるのは、ジョン(・クラシンスキー)がまた呼んでくれたら迷わず出るってことだね!
最後に、これから『ブルー きみは大丈夫』を観ることになる日本のオーディエンスに、メッセージをお願いします!
フレミング:みんながこの映画を観る機会を得て、そして気に入ってくれますように。ジョンが作り上げたこの作品を本当に誇りに思うし、参加できて幸せだったよ。応援してくれる日本のみんな全員に感謝してる。また日本に来たいな!
(インタビュー以上)
映画『ブルー きみは大丈夫』は6月14日(金)から日本公開。
ケイリー・フレミング フォトギャラリー
フリーライター(tvgroove編集者兼ライター)。2019年に早稲田大学法学部を卒業。都庁職員として国際業務等を経験後、ライター業に転身。各種SNS(Instagram・X)においても映画に関する発信を行いながら、YouTubeチャンネル「見て聞く映画マガジンアルテミシネマ」にて映画情報・考察・レビュー動画などを配信したり、映画関連イベントの企画・運営も行っている。