映画『ライド・オン』の公開を記念して、主演ジャッキー・チェンが来日した。
6月11日(火)、『ライド・オン』上映後の丸の内ピカデリー2に、主演のジャッキー・チェン、監督のラリー・ヤンが登壇。チケットを5分で完売させた愛あふれる大勢のファンに迎えられ、「宣伝アドバイザー」の山田くんや、芸人のジャッキーちゃんと交流した。
日本のファンの愛に感動しているジャッキー
今回の来日の理由について「長年、日本のファンの皆様はサポートしてくださりました。ついこの間、僕がいないのにわざわざ誕生日パーティーを開いてくれたファンもいたんです」と日本のジャッキーファンの愛に感銘を受けていることを説明。「本当は何年か前に来たかったんですけどパンデミックの影響で断念しました。コロナ禍が終わって今は“借金返済”をしている状況です」と語った。
来日だけでなく、映画の撮影もノンストップで行っているというジャッキー。今回共に来日したラリー・ヤン監督とも次の作品も準備しており、12月にマカオでクランクイン予定だと話した。
ジャッキーは多様な役に挑戦中!
『ライド・オン』への出演について、ジャッキーは当初完成前の脚本では出演しようと思えなかったそうだ。ヤン監督に脚本を直して持ってくることを要望すると、なんと監督は1ヶ月も掛からずに完成版の脚本を仕上げてみせた。ジャッキーは「その情熱に感動して、出演した」という。
「この役は僕にとっても大きなチャレンジでした。今まで色々な役柄を演じてみようと思ってやってきましたが、おそらく今後数年はさらに色々な映画に出演、色々な役をやると思います」と今後の役を多様性についてファンに期待させるジャッキー。今後は『ベスト・キッド』の2作目のほか、アルツハイマーの人物と家族を描く作品や、「Pプロジェクト」というパンダの物語も公開が控えていると予告した。
ジャッキーのファンだったヤン監督
ヤン監督は「長い間ジャッキーの大ファンでした。それで映画業界に入ってきて、いつかジャッキーと映画を撮りたいと思っていたんです」と明かす。
撮影当初は「『アクション!』や『カット!』のかけ声も忘れてジャッキーを見つめてしまった」という心酔っぷりを語る監督だが、その後は気持ちを引き締めて撮影に臨んだそうだ。
『ライド・オン』では馬との絆も描かれたが…?
『ライド・オン』では馬と主人公(ジャッキー演)の絆も描かれる。そんな絆をリアルに生み出すために、ジャッキーは「馬に触れるのは私だけ。他の誰も餌付けをしてはいけない」という状況を過ごしたそうだ。
「休みの日は馬のそばにきて毎日対面し、声をかけたり歌を歌ったりずっと僕の声を覚えてもらい、慣れてもらう。馬の撮影は大変ですよ。両方の足を踏まれて腫れ上がったりもしました。でも撮影を終えて調教所に送り返す時は、全員涙を流しました」と、ジャッキーは馬との絆が本物になっていった撮影を振り返った。
出演した馬は現在、『ライド・オン』作中にも登場した環境の整ったベストな施設で暮らしているとのことだ。
ジャッキー大好きな少年・山田くんと交流!
13年ぶりの公式来日で食べたいものは「かに、九州ラーメン、わさび」だと日本語で答えたジャッキー。彼の前に、ある少年が現れた。
今回の映画で「小・中学生入場100円キャンペーン」も発案したという中学生「山田くん」だ。『ライド・オン』を「5回見た」という山田くんは、今作について「スタントマン精神に心を奮わされました。ジャッキーのオマージュシーンや隠されている要素もあった」と魅力を説明。「たくさんの人に見てもらいたい」と洗練されたPRを行った。
ジャッキーは山田くんに対して「ハンサムだね」というと、なんと自身のスタント養成所にスカウト。山田くんは「言われたらやるしかなくなってしまう」と照れ笑いしながら困っていた。
モノマネ芸人・ジャッキーちゃん登場!
ジャッキー・チェンが好きな日本の芸能人といえば、やはりモノマネ芸人のジャッキーちゃん。もちろん彼も登場し、ジャッキー本人の前で「戦った後に痛がって手を振るジャッキー」のモノマネを披露した。
ジャッキーは「今はこんなじゃないよ(笑)」と「今」のクールなパンチを見せながらも、「いいところも悪いところもマネしていいよ。彼は僕の悪いところばかりマネしているけど(笑)」と“モノマネ大歓迎”の姿勢。本人の承認をもらったジャッキーちゃんも大喜びしていた。
さらには「『酔拳』をマネしたらどう?」とジャッキー自ら『酔拳』のポーズを披露。会場の歓声に包まれながら、ジャッキー・チェン × ジャッキーちゃんによる「酔拳ポーズ」が披露された。
まさかの生歌披露!
なんと最後は、会場で流れていた『ライド・オン』の主題歌「Youth Story」をジャッキー自らマイクを持って熱唱。圧巻のサービス精神に会場は手拍子で応えるのだった。
ジャッキー・チェン主演『ライド・オン』は現在映画館で上映中。70歳にしてまだまだ現役なジャッキー・チェン圧巻のパフォーマンスをお見逃しなく。
イベント概要
イベントタイトル:「おかえり、ありがとう、ジャッキー!映画『ライド・オン』集大成 舞台挨拶」
日時:6月11日(火)19:00〜19:30(上映後イベント)
場所:丸の内ピカデリー2(東京都千代田区有楽町2-5-1 有楽町マリオン9F)
登壇者:ジャッキー・チェン、ラリー・ヤン監督、ジャッキーちゃん、山田くん(宣伝アドバイザー)、八雲ふみね(MC)
フリーライター(tvgroove編集者兼ライター)。2019年に早稲田大学法学部を卒業。都庁職員として国際業務等を経験後、ライター業に転身。各種SNS(Instagram・X)においても映画に関する発信を行いながら、YouTubeチャンネル「見て聞く映画マガジンアルテミシネマ」にて映画情報・考察・レビュー動画などを配信したり、映画関連イベントの企画・運営も行っている。