ジョナサン・メジャースが「忍耐賞」を受賞。
6ヶ月前、ジョナサン・メジャースは家庭内暴力およびハラスメントによって有罪判決を受けた。しかし、金曜の夜、ハリウッド・アンロックドが主催するインパクト・アワードにおいて彼は「忍耐賞」(Perseverance Award)を授与された。
法的トラブルでキャリアに打撃
19日間の裁判中、メジャースは彼に関する告発のすべてを否定し続けたが、4月に1年間の家庭内暴力カウンセリングを受けるよう判決を受けた。メジャースは現在住むロサンゼルスにおいて、52週間の対面プログラムを完了しなければならない。
法的なトラブルは、彼のキャリアを大きく変えた。メジャースは、「ラヴクラフト・カントリー」や『クリード 過去の逆襲』のほか、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)では次のフェーズでも“征服者カーン”を演じ続ける予定だった。しかし、カーン役で『アントマン&ワスプ:クアントマニア』と「ロキ」に出演した後、判決の発表日に今後のすべてのMCU映画から降板され、その後他の映画の役もキャンセルとなった。
しかし、ハリウッド・アンロックドの賞にも認められた「忍耐」の精神で、木曜日には、メジャースがマーティン・ヴィルヌーヴ監督の復讐スリラー『Merciless(原題)』の主役に決定したことが発表された。これは有罪判決後の初めての新プロジェクトだ。
メジャース、涙の受賞スピーチ
スタンディングオベーションで迎えられたメジャースは賞を受け取り、受賞スピーチにおいて「私は不完全で、欠点があります。認めます」と述べた。
受賞式のステージで、メジャースはその経験を振り返り涙を浮かべた。
#Kang actor Jonathan Majors breaks into tears as he accepts the Perseverance Award at Hollywood Unlocked Impact Awards.
In his 17-minute speech, he details his arrest, the conviction, and the Hollywood stars who supported him.
(via @chrissgardner) pic.twitter.com/LIdzk4Tk7h
— Cosmic Marvel (@cosmic_marvel) June 22, 2024
「忍耐とは何か?」と彼は問い、「忍耐とは、困難や遅れにもかかわらず何かをやり続けることを意味します。そして、私が仕える神によって、私は自分が願い欲した以上に、私はその言葉を体現しなければならない状況に置かれました」と、自身が置かれた状況を説明。
続けて「我々は、特に黒人男性がスーパーヒーローかスーパーヴィランのいずれかとして持ち上げられる世界を生きています。しかし、私は気づいたのです。個人的に、私はそれらのどちらでもないと。私はただ信仰を試されているひとりの男です」とメジャースは自分を分析した。
「人生には暗い時期もあるでしょう。本当に暗い時期です…私は自分の中に暗闇を見ました。そんな漆黒の中に座っている時、光を見つけたなら、その光に向かって全力で走る。それを私は学びました。そして、私は二度とその光を当然のものと思うことはないでしょう」と与えられたチャンスへの感謝を口にしたメジャース。
彼は困難な時期を支えたすべての人々、特に家族(母親、姉妹、幼い娘、そして観客席の恋人メーガン・グッドなど)やハリウッドの重鎮たちに感謝の意を表し、「ラブクラフト・カントリー」の共演者コートニー・B・ヴァンスや、ウーピー・ゴールドバーグにも感謝。ゴールドバーグに関しては「彼女はコミュニティの支援の大切さを私たちに教えてくれました」と語った。
ティファニー・ハディッシュが司会を務めた第4回ハリウッド・アンロックド・インパクト・アワードは、ロサンゼルスのビバリーヒルトンで開催された。その他の受賞者には、カーディ・B(インスピレーション賞)、ジャスミン・クロケット(ソーシャル・インパクト賞)、公民権弁護士ベン・クランプ(コミュニティ賞)、デザイナーのクリスチャン・ルブタン(イノベーション賞)、ファット・ジョー(カルチャー賞)、およびダ・ブラットとジェシカ・ハリス=ドゥパート(スピリット賞)がいる。2023年の授賞式では忍耐賞の受賞者はいなかったが、2022年には俳優兼歌手のジェニファー・ルイスがこの賞を受賞している。
メジャースはスピーチの締めくくりに、「“忍耐”とは単に困難な時を乗り越える人のことを指すわけではありません。それは、あなたにインスピレーションを与え、励まし、支えてくれる人々も指すのです。私たちがもうダメだと感じる時に、私たちのど真ん中にある光、炎を灯してくれる人々。私はこの賞を、私が忍耐強かったことの承認としてだけでなく、他の人々に試練が訪れた時に彼らを支えるための指令として受け取ります」と力強いメッセージを会場に伝え、最後に自身の娘に「お父さんは君を愛しているよ」と涙。
メジャースはスタンディングオベーションを浴びながらステージを後にした。
フリーライター(tvgroove編集者兼ライター)。2019年に早稲田大学法学部を卒業。都庁職員として国際業務等を経験後、ライター業に転身。各種SNS(Instagram・X)においても映画に関する発信を行いながら、YouTubeチャンネル「見て聞く映画マガジンアルテミシネマ」にて映画情報・考察・レビュー動画などを配信したり、映画関連イベントの企画・運営も行っている。