映画『デッドプール&ウルヴァリン』のカンファレンスが韓国で行われ、ライアン・レイノルズ、ヒュー・ジャックマン、ショーン・レヴィ監督が登壇した。
日本でも7月24日(水)に世界最速公開となるマーベル・スタジオ最新作『デッドプール&ウルヴァリン』より、ライアン・レイノルズ(デッドプール役)、ヒュー・ジャックマン(ウルヴァリン役)、ショーン・レヴィ(監督)の3名が韓国カンファレンスに登場。tvgrooveは中継にて現地の様子をモニタリングした。
7月3日に韓国に到着した3名は、そのまま現地で野球観戦を楽しんだようだ。
まず登場したショーン・レヴィ監督は、爽やかな笑顔で会場に手を振り、“指ハート”のポーズを行った。続いてヒュー・ジャックマンも指ハートをしながら登場、最後にライアン・レイノルズが会場の歓声に迎えられ、笑顔を見せた。
フォトセッションではジャックマンとレイノルズが最初に隣に並んだ瞬間から満面の笑みでハグを交わすなど、いつもの仲良しっぷりを披露した。
ヒュー・ジャックマン「我々にとって大きな意味を持つ作品」
ソウル来訪が6回目であり、ソウル親善大使に任命されたこともあると語ったヒュー・ジャックマンは「我々にとって大きな意味を持つ作品を皆さんと分かち合えることが嬉しいです」と作品の公開を喜ぶ。
3回目のソウルとなるライアン・レイノルズは、「娘のニューヨークでの親友がソウル出身なのですが、ふたりを今回連れて来られなかったので『冷たい父親だ』と恨まれますね…」と笑わせつつ、「昨日到着してから、すばらしい野球場でマジカルな体験をできました」と野球観戦を回想。
初渡韓となるショーン・レヴィ監督も「この作品をお届けできることにワクワクしています」と挨拶した。
ライアン・レイノルズ「マーベル社を説得するのは大変でした」
ジャックマンは「25年間演じているキャラクターの作品を、ショーン(・レヴィ監督)と世界一の大親友ライアンと作れるなんて本当に光栄で、誇らしいです。再び演じられるなんて思っていませんでしたが、ウルヴァリン作品の中でも最も誇らしいといえる作品になったと思います。本当に嬉しいです」と今作への出演を喜び、「今まで見たことのないウルヴァリンの側面を見られるはずですよ」と期待をもたせた。
「彼らと映画を撮ることが夢だった」と語るライアン・レイノルズ。彼は「MCUとX-MENユニバースという別の世界だったキャラクターをクロスオーバーさせるこの作品について、マーベル社に製作を説得し、GOサインをもらうのは大変な道のりでした」と今作の実現がいかに困難だったかを振り返り、「でも実現しました。今でもこうして大親友の彼らと一緒に座っていられるのが信じられない気分ですよ。ありがたく思います」と喜んだ。
続けてレイノルズは「僕らは毎日一緒にいられました。本当に大好きなふたりです。ブラザーです、いやもっと近い関係かも」とふたりへの深い愛を口にした。
ショーン・レヴィ監督「ふたりの共演を監督できたのは特別なこと」
ショーン・レヴィ監督は「我々は象徴的なヒーローたちを大切にしてきました。彼らふたりを登場させ、ハートとユーモアと情熱のどれも味わえる作品を、この夏最大の大作としてお届けできること、このアイコニックなふたりを大画面で見せられること、そしてふたりの共演を監督できること、どんな映画監督にとっても特別なことです」と胸を張った。
ちなみに今回の訪韓では、「3人それぞれがやりたいことを持ち寄り、他のふたりは文句を言わずについていく」という約束をしており、レヴィ監督が決めたのが“野球観戦”だったようだ。
「“マーベルの救世主”とも宣伝している今作はプレッシャーか」と尋ねられたレイノルズは、「いや、プレッシャーではないかな」と笑顔。「プロジェクトの初期にショーンと脚本を書いていて、『(デッドプールが)マーベルのジーザスだ』と自称する台詞を決めたのを覚えているけど、デッドプールが言いそうな、彼視点での想像というイメージだったね」と回想、「観客の皆さんを可能な限り喜ばせ、楽しませるように作っています」と説明した。
ジャックマン「誰もが僕のキャラクターを大切にしてくれていると感じた」
レイノルズは「ヒューと僕は17年お互いの苦楽を経験しながら、お互い愛し合い、応援し合ってきました。(ショーンも含めた)僕ら3人の親しい関係はスクリーンに投影されているはず」と語り、今作は「時にデッドプールとウルヴァリンが話しているのか、ライアンとヒューが話しているのかわからなくなるほどだった」というほどお互いの関係が現れたようだ。
「今作は友情を描く映画だからね」とレヴィ監督も同意した。
ジャックマンは、25年、10作品で演じてきた特別なキャラクターであるウルヴァリンを再演したことに触れ、「脚本を読んで、誰もが僕のキャラクターを大切にしてくれていると感じました。新たなバージョンのウルヴァリンを演じるのはとても楽しかったし、違いも楽しみましたよ」と、製作陣からキャラクターへのリスペクトに心を動かされたようだ。
R指定キャラクターとして世界中で愛されるデッドプールがディズニー社の作品として製作されることの困難について尋ねられたレヴィ監督だが、そこに関してはディズニー社も寛容であったようだ。
「特にそこについてプレッシャーは感じませんでした。僕はひとりのデッドプールファン、そしてローガン(※)ファンとしてこのプロジェクトに参加しましたが、マーベル社もディズニー社も、企画当初から『これまでの作品とは異なるものになる』ということを理解していましたし、いつもデッドプールのユニークなトーンを尊重してくれました。なので、伝説やヒーロー、歴史の詰まったMCUという巨大な砂場で遊ぶことができましたし、過去からの血筋を継承しながらも“デッドプールのDNA”を注ぐことができたのです」とレヴィ監督は自由に今作を作り上げたことを強調した。
※キャラクターとしてのローガン(ウルヴァリン)か、映画『LOGAN』をさしたのかは不明。
デッドプールとウルヴァリンの“ロマンス”に期待する声も?
さらに、記者から「最新作にロマンスを期待する声もある」と聞いた3人。
ジャックマンは「色々な期待のしかたがあって嬉しいけど、ロマンス?わーお」とリアクション。
レヴィが「うん、興味深い見方だね。友情やブラザーフッドを描いた作品ではあるけど…」と話すと、レイノルズが「まあロマンスでもあるんじゃないかな。スポーツにロマンスを感じることもあるし。昨日の野球にも詩的でロマンティックな要素はあったよ」と反応した。するとジャックマンは「たしかに。ウルヴァリン版のロマンスも、スポーティに顔面をパンチするとかかな」と返した。
忙しすぎるレイノルズは娘に怒られている?
終盤、ジャックマンが「僕はライアンのファンでもあるよ。彼はマーケティングの天才でもあるしね。まあ良い父親とはいえないけど…みんなもご存知のとおりね」とレイノルズにジョークを言うと、レイノルズは「シャレにならないよ!映画の撮影が終わった時、僕は9歳の娘に『次デッドプール映画をやったら離婚になるよ』と言われたんだから」とあたふた。
「マジ?」と笑うジャックマンに、レイノルズは「そりゃ6年も撮影で忙しくしていたんだから彼女を責めることはできないよね。世界一の仕事だと思ってるけど、家庭が犠牲になってしまう側面はある。娘は僕に『絶交だ!』って言ってくるよ」と状況を説明していた。
『デッドプール&ウルヴァリン』は7月24日(水)日本公開。
作品情報
タイトル:『デッドプール&ウルヴァリン』
監督:ショーン・レヴィ(『フリー・ガイ』 『ナイト・ミュージアム』)
キャスト:ライアン・レイノルズ、ヒュー・ジャックマン
日本版声優:加瀬康之、山路和弘、林真里花、三上哲、一柳みる、忽那汐里、影平隆一、嶋村侑
原題:『DEADPOOL & WOLVERINE』
日本公開日:2024年7月24日(世界最速公開)
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フリーライター(tvgroove編集者兼ライター)。2019年に早稲田大学法学部を卒業。都庁職員として国際業務等を経験後、ライター業に転身。各種SNS(Instagram・X)においても映画に関する発信を行いながら、YouTubeチャンネル「見て聞く映画マガジンアルテミシネマ」にて映画情報・考察・レビュー動画などを配信したり、映画関連イベントの企画・運営も行っている。