セバスチャン・スタン主演のA24作品『A Different Man(原題)』より米予告編が公開。
マーベル作品のバッキー・バーンズ/ウィンター・ソルジャー役でおなじみ、セバスチャン・スタンが主演を務めるA24最新作『A Different Man(原題)』より、米予告編が公開された。9月20日に米公開となる今作では、スタンが普段とはギャップのある外見の役柄に挑戦することになる。
公式に発表されているあらすじによると、「俳優志望のエドワード(セバスチャン・スタン)は、外見を劇的に変えるための画期的な医療処置を受ける。しかし新しい顔はすぐに悪夢と化し、失ったものを取り戻そうと執着するようになる」といった内容だ。
【米予告編】『A Different Man』
『エレファント・マン』『ワンダー 君は太陽』など、過去にも遺伝子異常によって顔に重度の変形を持つ人物をフィーチャーした作品は複数製作されてきた。これらの映画では、俳優たちが特殊メイクやプロテーゼを使用して上記のような人物になりきり、現代社会の冷酷さや虐待に直面しながらも、それに立ち向かい、日常生活を送ろうとする様を描いている。
『A Different Man(原題)』がそれらの作品と異なる点は、本作が“偏見や個人的な挫折を克服する感動的な物語”というより、フィルム・ノワールという形でスリラーめいた空気感の映画に仕上がっている点だとされ、海外の映画サイト(IMDb)ではコメディ/ホラー/スリラーのジャンルに位置付けられている。
さらに本作では、セバスチャン・スタンが2時間かけて特殊メイクを施されただけでなく、実際に神経性維腫症という遺伝性疾患を持ち、皮膚に大きな腫瘍を持つ俳優アダム・ピアソンも起用された。
各映画祭で大きな話題に
この映画にはセバスチャン・スタン、アダム・ピアソンのほか、『わたしは最悪。』(’21)のレナーテ・レインスヴェやマイケル・シャノン(本人役)が出演。脚本・監督はアーロン・シンバーグ(『Chained for Life』)が務め、セバスチャン・スタンとアーロン・シンバーグは製作総指揮としてもかかわっている。
今作は2023年のサンダンス映画祭でプレミア上映されると瞬く間に話題となり、さらにベルリン国際映画祭でスタンは主演男優賞を受賞した。
『A Different Man(原題)』は9月20日に米一部の劇場で公開。日本公開にも期待が高まる。
フリーライター(tvgroove編集者兼ライター)。2019年に早稲田大学法学部を卒業。都庁職員として国際業務等を経験後、ライター業に転身。各種SNS(Instagram・X)においても映画に関する発信を行いながら、YouTubeチャンネル「見て聞く映画マガジンアルテミシネマ」にて映画情報・考察・レビュー動画などを配信したり、映画関連イベントの企画・運営も行っている。