「一流シェフのファミリー・レストラン」シーズン3が7月17日(水)からDisney+にて配信開始。
今年1月のエミー賞において、最多10部門受賞(コメディ・シリーズ部門にて作品賞・主演男優賞・助演男優賞・助演女優賞・監督賞・脚本賞・キャスティング賞・音響編集賞・録音賞・編集賞を受賞)と圧巻の成績を残したドラマシリーズがある。Disney+(ディズニープラス)で現在シーズン2まで配信中のレストランドラマ「一流シェフのファミリー・レストラン」(原題:The Bear)だ。
今作のキャストたちはスター街道を躍進中!
今作で活躍するキャストの多くが大きな注目を浴び、カーミー役のジェレミー・アレン・ホワイトは『アイアンクロー』でザック・エフロンと兄弟役で共演、リッチー役のエボン・モス=バクラックはマーベル・スタジオの新生『ファンタスティック・フォー』(2025年公開予定)でシング役に抜てき。シドニー役のアヨ・エデビリはピクサー最新作『インサイド・ヘッド2』で新キャラクター「イイナー(Envy)」の声を演じている。
そんな実力派キャストの演技と存在感を世に知らしめた「一流シェフのファミリー・レストラン」のシーズン3が7月17日(水)からDisney+(ディズニープラス)にて配信開始となる。今回はこのシリーズの魅力を簡単にご紹介する。
「一流シェフのファミリー・レストラン」ってどんな話?
シーズン1では、主人公である料理人カーミーが、一流レストランで受けたパワハラのトラウマを抱えながら、自ら命を絶った借金まみれの兄に代わってクセ者従業員だらけの料理店を切り盛りし始める様子を描き、シーズン2ではそんな料理店を新たな業務形態でリセットし、ファミリーレストランとしてリニューアルさせていく様子が描かれた。
シーズン3ではついにレストランが公式にオープンした後の苦労が描かれていくが、シーズン2の終盤で主人公カーミーは周囲との関係をかなり悪化させてしまっているため、そこがどのように影響していくかにも注目だ。
【予告編】「一流シェフのファミリー・レストラン」シーズン3
シリーズの魅力を4つに分けて紹介
レストランの裏側に迫るお仕事ドラマ
特別な日に訪れるような、高級レストランといえば、落ち着いた優雅な空気が流れ、完璧な料理とサービスを提供してくれる、最も大人な空間。そんなイメージがある。しかし、すべてのゲストを完璧なテンポでもてなし、満足させるレストランの裏側が、同じように優雅にゆったり回っているはずはない。
今作は普段意識もしない、レストランの裏側の苦労・ストレス・喧騒・成功と失敗を体感できる、ハイクオリティな“お仕事ドラマ”といえる。
クセのあるキャラばかりのリアルな人間ドラマ
人間皆そうともいえるが、今作の登場人物は皆、何かしら悩みや辛い境遇、克服し難い欠点を抱えている。
パワハラや兄の自殺といったトラウマを抱え、いら立ち始めると感情がコントロールできず怒鳴り散らしてしまうカーミー。気難しく、要領も口も良いとはいえず、別居の娘との関係も気がかりなリッチー。父親しか頼れない状況でクセの強いメンバーに囲まれ、日々ストレスを抱えるシドニー。ほかのメンバーも一癖も二癖もある個性派揃い。衝突の耐えない日々だ。
犬猿の仲になってなかなか仲直りできない時期も何度も過ごしているが、それでも彼らはかけがえのない仲間。凸凹チームの仲に愛情や支え合いを感じるとき、非常にエモーショナルな気持ちになれるのだ。
実力派キャストによる強烈な演技
そんなドラマのエモーショナルさを支えているのは、もちろん実力あるキャストたち。ゴールデン・グローブ賞受賞のメインキャストたちのほかにも、アカデミー賞獲得経験のあるオリヴィア・コールマン(『女王陛下のお気に入り』)やジェイミー・リー・カーティス(『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』)、さらにジョン・バーンサルやモリー・ゴードンなど、ハリウッド第一線で活躍する俳優も数話ずつ出演し、重厚な物語を支えてきた。
メンタルが不調であったり悩みを抱えながらも現実に立ち向かっている登場人物が多いシリーズだからこそ、繊細かつ時に激しい演技をこなせるキャストたちのたしかな実力が活きているのだ。
美味しそうな料理と、スタイリッシュな撮影
そして、今作は“レストラン”を描くドラマ。工夫の練られた料理が美味しそうに映し出されたり、調理中の手元がスタイリッシュに撮影されていることももちろん大きな魅力だ。
泥臭い裏側と、華やかで食欲をそそる料理。その両方を見事な構図で切り取り続けるカメラワークもぜひご堪能いただきたい。
シーズン3の注目ポイントは?
シーズン3では、ついにレストラン「ザ・ベアー」をオープンしたカーミーたちを、想像以上のストレスが襲う。押し寄せる怒涛のタスクに、序盤から仲間たちの精神はすり減り、それぞれの欠点も爆発していく。
第一歩を踏み出すもあまりにストレスフルな状況に放り込まれた「ザ・ベアー」メンバーは、苦境を乗り越えていけるか。各メンバーをフィーチャーしたエピソードもあり、それぞれが自身と向き合っていく様はきっとあなたの心に響くはずだ。
カーミーがコントロールの効かない自分に悩んだり、そんな自身と向き合ったりする様子も描かれ、これまでのシリーズの集大成ともいえるシーズン3。今シーズンには映画ファンが笑顔になれるまさかのゲストも出演しているので、そういった小ネタ要素もお楽しみに。
「一流シェフのファミリー・レストラン」シーズン3は7月17日(水)からDisney+にて配信開始。この機にぜひ一気見してみていただきたい。
フリーライター(tvgroove編集者兼ライター)。2019年に早稲田大学法学部を卒業。都庁職員として国際業務等を経験後、ライター業に転身。各種SNS(Instagram・X)においても映画に関する発信を行いながら、YouTubeチャンネル「見て聞く映画マガジンアルテミシネマ」にて映画情報・考察・レビュー動画などを配信したり、映画関連イベントの企画・運営も行っている。