キット・ハリントンが、「ゲーム・オブ・スローンズ」最終シーズンが短かったことに対する批判に反応した。
HBOの大ヒットシリーズであった「ゲーム・オブ・スローンズ」は、それまでのシーズンが全10話だったのに対してわずか6話の短いファイナル・シーズンで終了。ファンからは落胆の声も少なくなく、“ペースが早足すぎる”といった批判の声も上がったが、これについて、イギリスのGQ誌のインタビューに登場したジョン・スノウ役のキット・ハリントンが反応。彼はその批判に反論は特にないようだが、単にチームの体力が限界だったと語っている。
「『スローンズ』の終盤に何か過ちがあったとすれば、僕たちが全員クソ疲れていて、あれ以上続けられなかったことだ」とハリントンは率直な心境を打ち明けた。「だから、急ぎすぎだと感じた人々の主張も理解できるし、僕もそれには同意だといえるかもね。でも、他に方法があったかどうかは分からないんだ。最終シーズンの自分の写真を見てみると、見るからに疲れ切っているんだ。完全に体力を使い果たしたみたいにね。もうさらなるシーズン分の体力は残っていなかったよ」と、キャストも疲労困ぱい状態であったようだ。
さらにハリントンは、論争を巻き起こした最終回に関して「誰もが意見を持つ権利がある」とした上で、「終わりに向かう物語に関しては、ミスもあったかもしれないね。いくつかの興味深い決断があったんだけど、それがうまく作用しなかったのかも」とも述べ、ここでも批判に対して反論はしなかった。
ジョン・スノウのスピンオフは検討されたものの中止に
ハリントンはかつて、彼が演じたキャラクター、ジョン・スノウのスピンオフ作品で「ゲーム・オブ・スローンズ」の世界に戻ることを検討したこともあったが、今年初めの時点でそのプロジェクトは棚上げされたと認めている。
「HBOは僕に『これを検討できないか』と提案してきたんだ。当初の返答は『NO』だったよ」と、ハリントンはスピンオフについて明かし、「その後、彼(スノウ)のその後について興味深く重要なストーリーがあるかもしれないと思った。限られた作品で何か伝えるべきことや、語るべき物語が残っているかもしれないと感じたんだ」と、その後制作を検討したことを説明している。
彼はさらに「僕らは数年間、そのアイデアを進んだり戻ったりしながら作り上げていった。でも、僕らが十分に興奮できるものは何もなかったんだ。最終的に僕は『これ以上開発を続けても、良くない作品が完成するかもしれない。それは僕ら全員が最も避けたいことだ』と思い直し、手を引いたんだ」と幕引きまでを説明した。
スピンオフも大ヒット中だが、ハリントンは観ていない
「ゲーム・オブ・スローンズ」のフランチャイズは、最近シーズン2が配信となった人気の前日譚シリーズ「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」によって存続している。このシリーズはすでにシーズン3の製作も決定しており、シーズン4で最終シーズンになる計画だと報じられている。さらに、もうひとつのシリーズ前日譚「ア・ナイト・オブ・ザ・セブン・キングダムズ(原題)」も開発中だ。
しかしハリントンは最近、AP通信に対して「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」を視聴していないことを明かした。
「ただ、観られないんだ」「僕はあそこに長くいすぎたと思う。彼らの幸運を祈るし、すばらしい出来で、非常にうまくいっていると聞いているよ。でも僕はあのシリーズを観たことがないし、しばらくは『ゲーム・オブ・スローンズ』も再視聴しないと思う」と、ハリントンは一定期間このフランチャイズと距離を置きたい気分であるようだ。
フリーライター(tvgroove編集者兼ライター)。2019年に早稲田大学法学部を卒業。都庁職員として国際業務等を経験後、ライター業に転身。各種SNS(Instagram・X)においても映画に関する発信を行いながら、YouTubeチャンネル「見て聞く映画マガジンアルテミシネマ」にて映画情報・考察・レビュー動画などを配信したり、映画関連イベントの企画・運営も行っている。