トリー・ケリー（Tori Kelly）の来日公演が東京・渋谷のライブハウス「WWW X」で行われた。
トリー・ケリーが初の日本公演！渋谷に老若男女のファンが集結
グラミー賞の最優秀新人賞ノミネート歴も誇り、大人気アニメ映画『SING／シング』シリーズで象のミーナの声（日本ではMISIAが吹替）を演じていることでも有名なシンガー、トリー・ケリーが8月29日（木）に自身初の日本公演を行った。
SOLD OUTとなった本公演、会場はもちろん満員で、彼女の公演を心待ちにする老若男女さまざまなファンが集まった。筆者が会話の機会を得た2人組のファンはトリーのTシャツとお手製の応援グッズでフル装備。ひとりは「デビュー前の『アメリカン・アイドル（※）』時代から応援している」、カンボジア在住だというもうひとりは「1st アルバムの頃から家族と一緒に繰り返し聴いていた」と、長いファン歴を語ってくれた。
※人気オーディション番組。トリーはシーズン9に登場し、その歌唱力が話題となった。
オープニング・アクトとして出演したメイジー・ケイ（MAISY KAY）が初披露の新曲やケイティ・ペリーの「I Kissed A Girl」のカバーを含むパフォーマンスで温めた会場に、ついにトリー・ケリーが登場、歓声の中迎えられた。
オープニング・アクトのメイジー・ケリー（©︎tvgroove）
楽曲の振り幅を見せつけながら、会場と歌で対話するトリー
バックバンド（キーボード、ドラムスのふたり）を従えて堂々の入場を果たしたトリーは、まず最新アルバム『TORI.』から「thing u do」を披露。早速持ち前のハイトーンが響き渡り会場からは大きな歓声が上がる。
続いてはそれぞれAyra Starr、Daye Jackとのコラボ楽曲である「unbelievable」「Expensive」をマッシュアップして披露。「unbelievable」では“you are”に続く“unbelievable”を会場に歌うよう促し、「だってあなた達はアンビリーバブル（you are unbelievable）でしょ」と微笑んだ。
トリー・ケリー（©︎tvgroove）
さらに「Should’ve Been Us」「Nobody Love」でも会場とのコール＆レスポンス、合唱を楽しんだトリーは、会場に掲げられたメッセージ（「トリー、ついに日本で歌いに来てくれたね、ありがとう！」など）を嬉しそうに読み上げ、最新アルバムの楽曲「spruce」へ。LE SSERAFIMのチェウォンとのコラボ楽曲であるこの楽曲は独特の浮遊感のある軽快なナンバー。可愛らしい振付に会場からも「可愛い…」と声が上がる。
「みんな気分良さそうね！私も最高の気分だよ」と楽しそうなトリーが続いて披露したのは、空気がガラっとビターに変わる「cut」。さらにはアップテンポな「diamonds」からしっとり「Don’t Take Me Home」へシフトし、楽曲の振り幅を見せつけた。
弾き語りやアカペラで強調される圧倒的な美声
さらに「一緒に歌おう」と会場に呼びかけ、ギター弾き語りスタイルで歌い出したのは「Dear No One」。メドレーのように「Unbreakable Smile」も続き、しっとり会場に浸透する歌声の美しさに会場はため息混じりに浸っていた。
そしてそのまま弾き語りスタイルで“リクエスト・コーナー”が開始。会場から声が上がったリクエストにその場で応え、トリーは「Paper Hearts」を披露した。さらにトリーは「アジア公演ラストの日だから、もう一曲」と特別に追加リクエストを募り、会場は大喜び。
会場から大声でリクエストされたのはアルバム『Unbreakable Smile』のデラックス版CDに収録されたボーナス・トラック「Personal」だったが、「歌詞がうろ覚えだなあ…」と苦笑しながらトリーが同曲の一部を歌うと、リクエストしたファンが見事な歌声で応え、トリーの差し出したマイクに向かって歌い上げて見せた。ファンの熱意と愛にトリーも「こんなの初めてだよ」と笑顔を見せる。
さらにもう1曲歌おうとリクエストを募ったトリーは「Something Beautiful」をアカペラで披露、さらに弾き語りの「Confetti」まで披露し、大盛り上がりの中でリクエスト・コーナーを終えた。
トリー・ケリー（©︎tvgroove）
バックバンドが戻り、最新アルバムから美声が活きた楽曲「oceans」「high water」を2曲続けて披露すると、壮大に広がる「Never Alone」から続けて「I’ll Find You」は原曲よりかなり静かなアレンジで歌い上げたトリー。「I’ll Find You」の最後はアカペラのアドリブ歌唱で鳥肌の立つようなハイトーンを披露した。
トリー「今回は初めて。そして今回をラストにはしないよ」
ジェイコブ・コリアーとのコラボ楽曲「Bridge Over Troubled Water」からそのまま幻想的なトラックが続き「Hollow」を披露したトリー。ライブの終盤に向けてさらなる盛り上がりを見せていく。「shine on」「shelter」で会場中を大声のコール＆レスポンスに巻き込むと、ライブの終わりに向けてトリーが日本のファンへの感謝を改めて伝えた。
「ここで一度、みんなに感謝を伝える時間を作るね。ちっぽけな女の子が夢見ていた、最大の夢が叶ったよ。ずっと思ってたんだよ、世界のファンの前で…そしてあなたたち日本のファンの前で歌いたいってね」とトリーが微笑むと、ファンたちから一際大きな歓声が上がる。
続く「今回が私の初めて（の日本公演）。そして、これをラストにはしないよ。OK？」との問いかけにさらなる歓声を上げる会場。「長く応援してくれてる人もいるみたいだね。次の曲を来てくれたみんなに捧げるよ」と感謝を込めて歌ったのは「same girl」。ファンたちも歌えるパートで声を揃えた。
爽やかに響き渡る「alive if i die」で一度ライブは終了するも、ファンたちの「トリー！トリー！」との呼びかけに応えたトリーは、アンコールとして輝くガウンのような衣装を羽織って登場。「missin u」を美しく歌い上げるトリーに対し、観客はスマホのライトを掲げながらともに歌って公演のラストを彩るのだった。
トリー・ケリー（©︎tvgroove）
セットリスト
1. Intro
2. thing u do
3. unbelievable／Expensive
4. Should’ve Been Us
5. Nobody Love
6. spruce
7. cut
8. diamonds／Don’t Take Me Home
9. Dear No One／Unbreakable Smile
10. Paper Hearts（リクエスト）
11. Personal（リクエスト）
12. Something Beautiful（リクエスト）
13. Confetti（リクエスト）
14. oceans
15. high water
16. Never Alone／I’ll Find You
17. Bridge Over Troubled Water
18. Hollow
19. shine on
20. shelter
21. same girl
22. alive if i die
23. missin u（アンコール）
フリーライター（tvgroove編集者兼ライター）。2019年に早稲田大学法学部を卒業。都庁職員として国際業務等を経験後、ライター業に転身。各種SNS（Instagram・X）においても映画に関する発信を行いながら、YouTubeチャンネル「見て聞く映画マガジンアルテミシネマ」にて映画情報・考察・レビュー動画などを配信したり、映画関連イベントの企画・運営も行っている。
