ジェナ・オルテガが、人気映画を女性主演でリメイクする傾向について意見を述べた。
俳優のジェナ・オルテガ(「ウェンズデー」)が、ティム・バートン監督の最新作『ビートルジュース ビートルジュース』の公開を記念して、共演者のキャサリン・オハラとともにMTVのインタビューに登場。男性が演じた人気キャラクターを女性版に直すより、女性の新たなキャラクターがほしいとの見解を述べた。
オルテガといえば、過去にも暗い髪色を貫く理由をハッキリ語っており、強い意志をもってセルフプロデュースを行っていることで有名だ。
ジェナ・オルテガ「私たち自信の作品が必要」
インタビューでオルテガは、ジョシュ・ホロウィッツから今後の続編/リメイク映画への出演についての考えを尋ねられた。例として挙げられたのは、ティム・バートン監督の名作『シザーハンズ』の続編に、ジョニー・デップが演じたエドワード・シザーハンズならぬ女性版“イーディス・シザーハンズ”として出演したりすることに興味があるか、というアイデアだ。
オルテガとオハラはそのアイデアを面白いとしつつ、オルテガはすぐに持論を付け加えた。
「最近、女性が主役を務めることが増えていて、それはとてもすばらしいことだと思う。でも私たちには、私たち自身の作品が必要だと思う」「スピンオフのようなものは好きじゃないよ。“ジェイミー・ボンド”(ジェームズ・ボンドの女性版)みたいなのなんて見たくないの。もっと別のかっこいいキャラクターを見たい」と、オルテガは女性版リメイクではなく、当初から女性の名キャラクターが誕生することを望んでいるようだ。
“女性化リメイク”をめぐる長年の理論
アイコニックな男性キャラクターを女性版リメイクすることについては長年にわたり議論の的になっている。2021年には、『007』(ジェームズ・ボンド)シリーズのプロデューサーであるバーバラ・ブロッコリが持論を展開。
ブロッコリは「次のジェームズ・ボンドも男性だと思います。なぜなら女性がジェームズ・ボンドを演じるべきではないと感じるからです」「私は女性のためのキャラクターを作ることを信じており、単に女性が男性の役を演じるのは望ましくないと考えています。女性のためのすばらしい役が十分にないと思いますし、女性についての映画を作ることが私にとって非常に重要です」と、オルテガと似た考えを説明している。
女性版ジェームズ・ボンドのようなキャラクターといえば、『ソルト』(10年)のイヴリン・ソルト(アンジェリーナ・ジョリー)や『アトミック・ブロンド』(17年)のロレーン(シャーリーズ・セロン)、マーベル映画のブラック・ウィドウ(スカーレット・ヨハンソン)などが思い浮かぶが、『007』や『ミッション:インポッシブル』ほど大きくシリーズ化されている女性スパイ映画は思い当たらない。
今後、オルテガやブロッコリが望む“かっこいい女性スパイ”が登場することに期待したい。
ジェナ・オルテガがウィノナ・ライダーと親子役を演じたことを誇る最新作『ビートルジュース ビートルジュース』は9月27日(金)日本公開。
フリーライター(tvgroove編集者兼ライター)。2019年に早稲田大学法学部を卒業。都庁職員として国際業務等を経験後、ライター業に転身。各種SNS(Instagram・X)においても映画に関する発信を行いながら、YouTubeチャンネル「見て聞く映画マガジンアルテミシネマ」にて映画情報・考察・レビュー動画などを配信したり、映画関連イベントの企画・運営も行っている。