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【ライブレポート】アン・マリー(Anne-Marie)来日! 日本語での替え歌も挟みながらバラエティ豊かな圧巻のパフォーマンス[セットリスト有]

アン・マリー(Credit: Kazumichi Kokei) EVENTS/LIVE
アン・マリー(Credit: Kazumichi Kokei)

9月24日(火)、東京ガーデンシアター(東京都江東区)にて、アン・マリー(Anne-Marie)の東京公演が行われた。

アン・マリーはイギリス出身のシンガーソングライター。今回は「2024 LIVE IN ASIA」の一環として来日。2023年7月にリリースされた大ヒットアルバム『UNHEALTHY』を引っさげた2年ぶりの来日公演だ。2日後の26日(木)に行われる大阪公演と合わせて、今回の日本公演は2公演行われ、双方のチケットがSOLD OUTとなっている。

まさかの登場方法で盛り上げるアン

雲の上の景色を映し出すような映像と壮大なイントロに合わせて歌い始めたはずのアンだが、声は聞こえるもののステージになかなか現れない。次の瞬間、会場後方で歓声が上がり出す。アンはアリーナ後方から入場し、通路を練り歩きながらパフォーマンスを開始したのだ。

Credit: Kazumichi Kokei

Credit: Kazumichi Kokei

1曲目は大ヒット曲「Alarm」。アンは歌詞に「こんにちは」を挟みながら、ボタニカルに彩られたステージに上がった。

「ありがとうございまーす!こんにちは東京!」と日本語であいさつしたアンは、「すごくたくさん人がいるね」と嬉しそうに会場を見回すと、会場から上がった黄色い歓声を「キャー!」と楽しそうにマネした。

Credit: Kazumichi Kokei

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「踊る準備はいい?よし、私も準備できてるよ」と微笑むと高いベッドのようなキュートなセットに腰掛け、「TRAINWRECK」へ。さっそく大合唱が起き、アンも満足げな笑顔を見せながら会場に語りかけるように歌う。

CUCKOO」のライトでポップなサウンドも、ライブ会場の大音量になると全身を震わせる。鳩時計のような可愛いダンスを披露するアンに、会場からは「可愛い〜!」と声が上がった。

Credit: Kazumichi Kokei

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優しく語りかけるような歌詞の数々

続いて「今日誕生日の人はいるかな?」とアンが呼びかけると、会場の各所で手が上がる。そして彼女は「誕生日のみんなに向けて歌うよ!」と「Birthday」を披露し、楽曲終盤では金銀にきらめくテープも舞った。

続いてアンが「次は、自分を愛することを歌う曲。それは一番大切なことだよ。自分を愛し、良い心を持っていれば人生はより良くなって、美しい人になれる」と語り、歌い出したのは「Beautiful」。会場中を指差しながら、「私たちみんながBeautifulだよ」と優しく語りかけ、会場のファンたちを全肯定するように「はい!」と日本語で声をかけた。

Credit: Kazumichi Kokei

Credit: Kazumichi Kokei

アンはステージに腰掛けると、客席のすぐそばで「Perfect」を披露。本来は「マック&チーズ」の部分を「寿司」に替え歌するなど、日本公演ならでのサービスを見せてくれた。続く「YOU & I」では歌詞の“You and I”のたびに会場と自分を指差し、優しいギターの音に合わせて優しい歌声を響かせる。

急きょセットリストに入れた曲も

ここで、セットリストに変更があることを説明するアン。

「次は結構古い曲なんだけど、今日ホテルで会った人が好きだと言ってくれた曲が、私もお気に入りの曲だったんだ。だから、会場のどこにいるかわからないけど、あなたのために歌うことにしたよ」と、ファンの声によってアンは歌う楽曲を変更したようだ。

披露した楽曲は「Breathing」。アンは歌詞の“for you, love”をどこか強調するように歌うサービス精神も見せた。

Credit: Kazumichi Kokei

Credit: Kazumichi Kokei

さらに「古い曲だから歌詞を忘れてても何も言わないでね」と微笑みながら歌い出したのは2020年にドージャ・キャットとのコラボ楽曲として発表した「To Be Young」。歌い終えて会場から「I love you!」の声が飛ぶと、アンは「私もあなたを愛してるよ、あなたたち全員愛してる」と笑った。

大ヒットの代表曲から最新曲まで披露

ステージに風船付きのピアノが現れると、「この曲を知ってるなら歌ってね!知らなくても歌って!声は出せるでしょ!」と呼びかけ、彼女の大ヒット楽曲のひとつ「2002」へ。YouTubeでMVが8.8億回再生(9月現在)されているこの楽曲が始まると大きな歓声が上がり、会場中が声を合わせて歌った。

「次の曲ではみんなの助けがいるんだ」と話すアンは、ファンから借りたカウボーイハットを被り、「UNHEALTHY」を披露。西部劇風のMVも特徴的な楽曲だ。アンの指示どおり、帽子や先ほど拾った金銀のテープを回して楽しむ観客たち。それに合わせ、アンも「ヒーハー!」とカウガールのように楽しんでいた。

大盛り上がりを受けて「ジムに通わなきゃいけないな、(帽子を振り回して)めちゃくちゃ疲れたわ」と笑いながらハットをファンに返したアンは、さらに「最新曲いくよ!」と先月にリリースされたばかりの「Cry Baby」(Clean Bandit、David Guettaとのコラボ楽曲)を披露。歌詞に合わせた泣き真似の仕草で再びファンの「可愛い!」を浴びた。

Credit: Kazumichi Kokei

Credit: Kazumichi Kokei

座ってリラックスする一幕も

「ちょっと疲れたよね、座ろうかな」とステージのセットに腰をかけると、ここからはしばらくリラックスした楽曲のコーナーに投入。とはいえ「Then」では火花がステージ頭上から噴き出すエモーショナルな演出が行われ、“熱いステージ”であったことは間違いない。

続いてはナイル・ホーランとのコラボ楽曲「Our Song」。しっとりと会場に沁み渡るこの曲は、夕暮れのような背景の映像によく映えた。さらにリラックスした「Don’t Leave Me Alone」のイントロへ続くが、この楽曲はサビで爆発的に盛り上がる側面も。サビ前でアンは「いち!に!さん!し!」と日本語でカウントし、会場を盛り上げた。

Credit: Kazumichi Kokei

Credit: Kazumichi Kokei

日本のファンに感謝し、盛り上がるヒット曲を披露

「日本に戻って来られて嬉しいよ。前回の来日ではお客さんは1000人くらいだったかな…」と振り返るアンに、前回もいたことを声と手で示すファンたち。アンは嬉しそうに「あなたはいたんだね、あなたも」と微笑みかけた。

そして改めて「今回は6,000?7,000?8,000人か!ずっと応援してくれて本当にありがとう、一緒にいてくれて、一緒に歌ってくれるのが本当に嬉しいんだよ、ほらこのスマイル」と満面の笑顔を会場に見せたアンは、ラテン系の情熱的なリズムが特徴の「Ciao Adiós」でパーティーモードに戻った。

Credit: Kazumichi Kokei

Credit: Kazumichi Kokei

そしてついに、YouTubeで29億回再生(9月現在)という圧倒的なMV再生回数を誇るClean Bandit、Sean Paulとの大ヒットコラボ曲「Rockabye」へ。この楽曲が始まることを察したファンたちに1コーラス分アカペラでそのまま歌わせると、あまりに大勢の歌声にアンは感動した様子で「良すぎるよ」とつぶやいた。

改めて「音楽付きで行くよ。今よりもっと大声で歌ってね」とトラック付きで披露した「Rockabye」。アンの希望に応えた観客は、会場中に大合唱を響かせた。ラストサビ前には一度照明を落として休憩するような一幕も。アンは会場の情熱的な声かけに応えるように、ラストサビをいっそう盛り上げた。

Credit: Kazumichi Kokei

Credit: Kazumichi Kokei

引き続き会場に合唱が巻き起こる「Kiss My (Uh Oh)」から、日本語で「ありがとうございます」とお礼を挟みながらMarshmelloとのコラボ楽曲である「FRIENDS」へとヒット曲を続け、ライブ終盤へと向かっていく東京公演。「FRIENDS」ではカラフルな紙吹雪が舞った。

最後まで見せ続けた楽曲の幅

公演も最終盤。最後までアンは会場を楽しく、そして情熱的に踊らせ続けた。

力強いビートが会場に鳴り響く「Don’t Play」、背景に映し出された小屋が光出す演出から続く「Baby Don’t Hurt Me」でファンたちが踊り跳ねる会場は一気にダンスクラブのフロアの様相を呈した。

Credit: Kazumichi Kokei

Credit: Kazumichi Kokei

軽快なダンスも交えながら歌い終えたアンが「本当にありがとう東京、愛してるよ!」と退場すると、ファンたちはアンコールを求めてスマートフォンのライトを掲げた。

再び壮大な音楽が流れ、改めて登場したアンはピアノで怪しげなメロディを奏で始める。アンコール楽曲として披露したのは「PSYCHO」だ。激しい歌声やリリックに呼応するように後ろでは炎が上がり、ステージは赤い光に包まれる。映像の小屋が燃え、その炎が燃え移るように照明は会場全体を赤く照らしていった。

そして、直前まで“I’m the psycho”と歌っていたとは思えない屈託のない笑顔で「ありがとうございます東京、愛してる!」と日本語で伝えたアンは、ひとしきりお礼を言い汗を拭うと、会場とともに記念撮影。にこやかにステージを後にするのだった。

エレクトロなダンスナンバーから心に響くバラード、西部劇風から激しく情熱的な楽曲まで、1度の公演で圧巻の幅を見せつけたアン・マリー。バラエティ豊かな楽曲のどれにおいてもすばらしいパフォーマンスを見せる彼女が、コラボレーションで引くて数多なことにも頷ける、そんな一夜だった。

セットリスト アン・マリー 東京公演(2024年9月24日)

(Intro)
1. Alarm
2. TRAINWRECK
3. CUCKOO
4. Birthday
5. Beautiful
6. Perfect
7. YOU & I
8. Breathing
9. To Be Young
10. 2002
11. UNHEALTHY
12. Cry Baby
13. Then
14. Our Song
15. Don’t Leave Me Alone
16. Ciao Adiós
17. Rockabye
18. Kiss My (Uh Oh)
19. FRIENDS
20. Don’t Play
21. Baby Don’t Hurt Me

22. PSYCHO(アンコール)

トリー・ケリーが初の日本公演(©︎tvgroove)
Photo Credit:Kazumichi Kokei
ジョナス・ブルー
Photo Credit: TAS Rights Management
Credit:Mark Surridge
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