ドリームワークスの最新アニメーション映画『野生の島のロズ』が2025年2月7日(金)より日本公開となる。
『野生の島のロズ』予告編
予想を裏切る深い母性愛の物語
ドリームワークス・アニメーション最新作『野生の島のロズ』は、人工知能搭載のアシスト・ロボット「ロズ」が、予期せぬ事故により無人島に漂着することから始まる物語である。
都市生活のサポートに特化したプログラミングを施されたロズは、当初、自然環境での活動に戸惑いを見せる。しかし、島の住人である動物たちとの交流を通じて、次第に未知の環境への適応を果たしていく。物語の転機となるのは、ロズが一羽の雁の卵を発見し、その世話を引き受けることである。孵化した雛「キラリ」から「ママ」と呼ばれた瞬間、ロズの内部で感情の芽生えという予期せぬ変化が起こり始めるのだ。
スタジオジブリを彷彿とさせる圧巻の映像美
本作の特筆すべき点は、その圧倒的な映像美にある。大量の蝶が舞う幻想的なシーンや、雄大な自然を描写した場面からは、スタジオジブリ作品からの影響が垣間見える。しかし、それは単なる模倣ではなく、ドリームワークスならではの独創的な解釈として昇華されている。
テーマとしては、「定められた運命を超える」という普遍的な問いを、AIロボットと野生動物という異質な組み合わせを通じて探求している。特に、プログラミングという制約を超えて成長していくロズの姿は、現代社会における固定観念や偏見の打破を象徴的に表現している。
豪華キャストが彩る感動のファミリーアニメーション
キャストも秀逸で、ルピタ・ニョンゴがロズ役に、ペドロ・パスカルがチャッカリ役に起用され、両者ともキャラクターの感情の機微を巧みに演じ分けている。
『シュレック』や『ヒックとドラゴン』シリーズで定評のあるドリームワークスは、本作でも子どもから大人まで幅広い層が楽しめる作品に仕上げることに成功している。ロボットの変形シーンは特にメカニックファンの心を掴むだろう。
2025年2月の公開を控える本作は、優しさと愛情に満ちた世界観と、挑戦的な映像表現により、アニメーション映画の新たな地平を切り開く意欲作として期待される。
映画『野生の島のロズ』は2025年2月7日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー。
『野生の島のロズ』作品情報
<STORY>
<最新型アシスト・ロボット>のロズが目覚めたのは、大自然に覆われた無人島。未来的な都市生活に合わせてプログラミングされた “彼女”は、野生の島では全く機能しない。動物たちの行動や言葉を学習し、徐々に未知の世界に順応しはじめたある日、“彼女”は雁の卵を見つけ、雛を孵すことに。「ママ!」…そう呼ばれた瞬間、“彼女”の奥深くで、“ある変化”の兆しが現れる。
ひな鳥を“キラリ”と名付けたロズは、ハズレ者のキツネ・チャッカリの知恵を借りながら、“食べる”、“泳ぐ”、“飛ぶ”という渡り鳥に必要なことを手探りで教えていく。そしてキラリの旅立ちの日、ロズは彼の飛行をアシストするために全力で走り、飛び立った姿をいつまでも見つめ続けるのだった。
それは母親の眼差しそのもの…。しかし、動物たちと共生し優しさや愛情を理解しはじめたロズの前には、彼女が築いた居場所を引き裂くような危機が迫っていた。はたして、ロズと野生の島の運命は…!?
タイトル:野生の島のロズ
原題:THE WILD ROBOT
監督・脚本:クリス・サンダース
本国声の出演:ルピタ・ニョンゴ、ペドロ・パスカル、キャサリン・オハラ、ビル・ナイ、キット・コナー、ステファニー・シュウほか
全米公開:9月27日(金)
日本公開:2025年2月7日(金)
配給:東宝東和、ギャガ
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フリーライター(tvgroove編集者兼ライター)。2019年に早稲田大学法学部を卒業。都庁職員として国際業務等を経験後、ライター業に転身。各種SNS(Instagram・X)においても映画に関する発信を行いながら、YouTubeチャンネル「見て聞く映画マガジンアルテミシネマ」にて映画情報・考察・レビュー動画などを配信したり、映画関連イベントの企画・運営も行っている。