人気シリーズ『ヴェノム』の第3作『ヴェノム:ザ・ラストダンス』が11月1日(金)より公開。あの名コンビが、ついに最終章を迎える。
『ヴェノム:ザ・ラストダンス』予告編
『ヴェノム:ザ・ラストダンス』あらすじ
<俺たち2人>でいることが、世界を破滅に導く…ヴェノムに隠された秘密を知るシンビオートの<神>ヌルが2人を分かつ最大最凶の敵として登場。
シリーズ最大スケールで描かれる2人の決死の逃亡劇と、ヴェノムの秘密を狙って容赦なく立ちはだかる最強シンビオートとの壮絶な戦い。「あいつは相棒なんだ」「エディ、最期まで一緒だ」あたり一面が火の海と化すラストの死闘の末に<俺たち>2人が迎える最終章。(公式サイトより)
レビュー本文
シリーズらしい最後の祭り
“外見によらずほっこり可愛くて愉快”。それがこの『ヴェノム』シリーズである。第1作でこそ予想外の“可愛さ”に戸惑ったが、その方向性で始まった物語として一貫性をもって継続してきたこのシリーズが、“ほっこりバディ”ものとして最終章を仕上げに向かうのは自然な流れだ。それを前提に観て、今作は非常に『ヴェノム』らしい最後のお祭り、“ラストダンス”だったと感じる。
エディとヴェノムは今作でも、時にちぐはぐな会話や連携のズレで観客を笑わせつつ、いざという時は息ぴったりの動きと熱い人情、最終章ならではのエモーショナルさを見せてくれる名バディっぷりを見せ、この凸凹コンビを愛するファンたちを魅了するはずだ。
エイリアンものに立ち返る姿勢
さらに今作は、このシリーズが1作目から“エイリアン襲来もの”だったということを改めて思い出させてくれた。2作目『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』では地球でしかことが起きなかったためどこかヴェノムら“シンビオート”が他の星から来たということを忘れがちだが、1作目を振り返れば、しっかり宇宙から来た謎の生命体として扱われていた。
3作目にして最終章となる今回は、『E. T.』への言及、宇宙人との遭遇を夢見る人々の存在などにより、シンビオートがエイリアンであることを改めて思い出させ、エイリアンとの交流譚として最後に再び楽しめるようになったのが印象的だ。
シンビオートらしさを強調したアクションも
さらに、予告映像でも馬に寄生しているとおり、今作ではエディを動かすだけでない、ヴェノムのシンビオートらしい戦い方・アクションもフィーチャーされており、見せてもらえる動きの幅も格段に上がっているのも今作の特徴といえる。
そして、悪役として「ヌル」が登場したとおり、今回は最終章らしく、ヴェノム以外のシンビオートもフィーチャー。マーベル・コミックを少しかじっている層には特に楽しいシーンも存在した。いずれ家で観られる日が来たら一時停止やスロー再生を繰り返してじっくり味わいたいと思える時点で、そのシーンの試みも大成功だといえよう。
ほっこり可愛い凸凹バディを、最後まで楽しくエモーショナルに躍動させ、シンビオートらしいアクションでも楽しませた今作は、改めてこのシリーズの締めくくりとして最適だったと感じる。『ヴェノム:ザ・ラストダンス』は11月1日(金)より日本公開。
作品情報
タイトル:『ヴェノム:ザ・ラストダンス』
原題:Venom: The Last Dance
日本公開:10月25日(金)〜27日(日)先行上映、11月1日(金)全国公開
Filmed for IMAX®/Dolby Cinema®/Dolby Atmos®/ScreenX with Dolby Atmos®(全て字幕版のみ)
2D/MX4D®/4DX/ULTRA 4DX/ScreenX(字幕版/日本語吹替版)
US公開:2024年10月25日
監督・脚本:ケリー・マーセル(『ヴェノム』『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』脚本)
原案:トム・ハーディ&ケリー・マーセル
プロデューサー:アヴィ・アラド、マット・トルマック、エイミー・パスカル、ケリー・マーセル、トム・ハーディ、ハッチ・パーカー
出演:トム・ハーディ、キウェテル・イジョフォー、ジュノー・テンプル、リス・エヴァンス、ペギー・ルー、アラナ・ユーバック、スティーヴン・グレアム
公式サイト:https://www.venom-movie.jp/
X(シリーズ公式):https://x.com/VenomMovieJP
X(ソニー・ピクチャーズ公式):https://x.com/SonyPicsEiga
Instagram(ソニー・ピクチャーズ公式):https://www.instagram.com/sonypicseiga/
TikTok(ソニー・ピクチャーズ公式):https://www.tiktok.com/@sonypicseiga
#ヴェノム
フリーライター(tvgroove編集者兼ライター)。2019年に早稲田大学法学部を卒業。都庁職員として国際業務等を経験後、ライター業に転身。各種SNS(Instagram・X)においても映画に関する発信を行いながら、YouTubeチャンネル「見て聞く映画マガジンアルテミシネマ」にて映画情報・考察・レビュー動画などを配信したり、映画関連イベントの企画・運営も行っている。