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『ポルターガイスト』から『イマジナリー』へ、受け継がれるファミリーホラーの本質 子どもの純真さが招く恐怖、家族の絆…本作に影響を受けた要素とは?

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『ポルターガイスト』(82)は、トビー・フーパーが監督を務め、スティーヴン・スピルバーグが製作・脚本を担当した作品。平凡な一家が異常現象に襲われる様子を描き、家庭内で起こる恐怖をテーマとした物語だ。新興住宅地に引っ越した一家の次女、キャロル・アンを中心に奇妙な現象が起こり始め、家族は超心理学者や霊媒師の助けを借りて対処しようとする。テレビから声が聞こえたり、物体が勝手に動いたりと、日常の中に潜む恐怖が徐々に増幅していく…。やがて家が墓地の上に建てられたことが原因と判明し、霊との壮絶な対峙が繰り広げられるのだが、このストーリーは超常現象ホラーの最高傑作と位置づけられ、多くの後続作品やリメイクに影響を与えたと評価されている。

本作『イマジナリー』にもその影響が色濃く表れており、そのことを最も端的に示しているのが、『ポルターガイスト』をオマージュしたポスタービジュアルだ。『ポルターガイスト』は、放送終了後のテレビ画面に向かって話しかけている少女の背中を映した有名なシーン。一方、『イマジナリー』ではテディベアの“チョンシー”を傍らに、背を向けた少女が壁にドアのようなものを描いたカットとなっている。この視覚的な引用は、両作品のつながりを巧みに表現しており、『イマジナリー』が『ポルターガイスト』の遺産を意識的に継承していることを示している。

またストーリー展開においてもいくつかの類似点が見られる。引っ越し先で次々と奇妙な現象が起こることや、少女が突然いなくなる展開、そして作品の本質が単なるホラー映画ではなく、家族愛や恐怖と向き合う姿勢を描いているという点で、両作品は共通している。さらに、『ポルターガイスト』では家具が勝手に動くなどの超常現象が視覚的な恐怖を生み出し、『イマジナリー』では一見無害に見える可愛らしいテディベアが徐々に恐怖を引き起こす存在に変わっていくなど、どちらも普通の家庭生活の中に突如として現れる異常な出来事によって、驚きと恐怖を与える作品として描かれている。

また、両作品ともに、子どもの無邪気さや想像力が恐怖の源になっている点も注目だ。『ポルターガイスト』ではキャロル・アンがテレビを通じて霊と交信し、『イマジナリー』ではアリスの空想上の友達が現実世界に影響を及ぼす。この設定は、子どもの世界と大人の世界の境界線の曖昧さを巧みに利用し、観客の不安をより一層掻き立てている。

『イマジナリー』は、ポスタービジュアルのオマージュからストーリー構造、そしてテーマの共通性に至るまで、『ポルターガイスト』への深い敬意が感じられる。技術の進歩や社会の変化に伴い、恐怖の形も変化してきたが、家族の絆や子どもの純粋な世界の力強さは、ホラー映画における普遍的なテーマとして今も重要な位置を占めている。両作品は時代を超えて、家族を中心としたホラー映画の本質を共有している。ただ恐怖を煽るだけでなく、家族の絆の強さや未知なるものに立ち向かう勇気を観客に深く考えさせる。こうして、『ポルターガイスト』と『イマジナリー』は、それぞれの時代で観客の心に深く響く作品となっているのだ。

スタッフ&キャスト

製作:ジェイソン・ブラム(『M3GAN/ミーガン』、『ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ』ほか)、ジェフ・ワドロウ、p.g.a
監督:ジェフ・ワドロウ
脚本:ジェフ・ワドロウ&グレッグ・アーブ&ジェイソン・オレムランド
出演:ディワンダ・ワイズ、トム・ペイン、テーゲン・バーンズ、パイパー・ブラウン、ベロニカ・ファルコン、ベティ・バックリー、マシュー・サトー他

公開情報

原題:IMAGINARY
公開日:11月8日(金)全国公開
配給:東宝東和
© 2024 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.

公式HP:https://imaginary-movie.jp/
公式X :@IMAGINARY_JP

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