来日したマザー・マザー(Mother Mother)の来日インタビューが到着。
2024年11月17日(水)、カナダのバンド マザー・マザー初の日本公演が渋谷のWWW Xで行われた。今回筆者は、マザー・マザーのメンバー全員(ギター&ボーカルのライアン、キーボード&ボーカルのモリー、キーボード&ボーカルのジャスミン、ベースのマイク、ドラムスのアリ)に来日インタビューを行った。(取材・文:ヨダセア)
- マザー・マザーとは
- マザー・マザー 来日インタビュー
- 日本に来ていただき、ありがとうございます。今夜は初の来日公演ですね。日本に来るのも初めてでしょうか。
- 日本に到着したのはいつですか。
- では日本食を口にする機会は…?
- ライアンさんとモリーさんはきょうだいですよね。どちらが年上でしょうか。どのような流れで音楽を一緒にやろうということになったのですか。
- 初来日ということで、今回のインタビューはまず日本のファンにそれぞれのメンバーをもっと知ってもらう機会にしたいと思います。一人ずつ他のメンバーを紹介してください!マイクさん、ライアンさんについて教えていただけますか。
- ライアンさん、ジャスミンさんについて教えてください。
- ジャスミンさん、アリさんについてお願いします。
- アリさん、モリーさんについて教えていただけますか。
- 最後にモリーさん、マイクさんはどのような方でしょうか。
- そうなんですね!マイクさん、何の動物が好きなんですか。
- マザー・マザーの楽曲は1曲の中でも時に非常にモダンでフレッシュなパートがあったり、時にノスタルジックなパートがあったりと非常にオリジナリティに満ちていると感じますが、特にインスピレーションを受けたバンドやアーティストとしては誰が挙げられますか。
- 物語性が強いリリックも多いですよね。物語はライアンの頭の中で生まれるのでしょうか。実体験に基づいていたりもするのですか。
- モリーさんとジャスミンさん、おふたりのように女性のボーカルが二人組でステージを駆け回りながら歌って観客を盛り上げたりするバンドはそう多くないですよね。あのスタイルがとてもかっこいいです。どのようにパフォーマンスに向き合っていますか。
- みなさん全員が観客にエネルギーを与えていると思いますよ!
- マイクさん、あなたのディストーションのかかったヘヴィーなベースのサウンドが最高にクールですよね!そのサウンドがバンドの世界観を強く演出する要素のひとつだと思います。サウンドにはどのように向き合っていますか。
- アリさんの生ドラムスと電子機器を駆使したスタイルもユニークですよね。
- 今夜皆さんは日本のファンの前で初パフォーマンスをするわけですが、皆さんそれぞれの特にお気に入りの楽曲はどれですか。
- 2020年代に入って、マザー・マザーの知名度はよりいっそう上がった印象を受けます。ここ数年を振り返ってみていかがですか。
- 今後の活躍、そして今夜の公演も楽しみにしております!それでは、最後におひとりずつ、日本のファンへのメッセージをお願いいたします!
マザー・マザーとは
マザー・マザーは2021年に世界中で注目を浴び、ここ3年で大きく成長。2021年にリリースされたアルバム『INSIDE』は既に3億再生回数のストリーミングを達成し、バンド全体では69億再生回数のストリーミングとYouTubeでは39億再生回数を誇っている。
2024年2月16日(金)にバンドの通算9枚目となるアルバム『Grief Chapter』(グリーフ・チャプター)をリリースし、バンドのキャリアの中でも最大のキャパシティーの会場での北米と欧州ツアーが実施されている。
マザー・マザー 来日インタビュー
日本に来ていただき、ありがとうございます。今夜は初の来日公演ですね。日本に来るのも初めてでしょうか。
全員:そうだよ!
日本に到着したのはいつですか。
ライアン・ガルデモンド(以下、ライアン):昨日の22:30くらいかな?
では日本食を口にする機会は…?
ライアン:まだホテルの朝食だけだね(笑)米を食べたよ。普段なら正直、朝食に米は食べないんだけど、せっかくの日本だから、特別に米を食べることにしたんだ。
ジャスミン・パーキン(以下、ジャスミン):素敵な朝食だった!
ライアン:今日は寿司を食べる予定だから楽しみだよ!
ライアンさんとモリーさんはきょうだいですよね。どちらが年上でしょうか。どのような流れで音楽を一緒にやろうということになったのですか。
モリー・ガルデモンド(以下、モリー):私が年上!私はアートスクールに通っていて、ライアンが音楽学校に通っていたんだけど、彼が作曲して、バンドを始めるって決めた時に私もそばにいて、彼が「バンドやろうか」って。私は「いいね」と答えて、ふたりとも学校をやめたの。そこからバンドの物語が始まった。
初来日ということで、今回のインタビューはまず日本のファンにそれぞれのメンバーをもっと知ってもらう機会にしたいと思います。一人ずつ他のメンバーを紹介してください!マイクさん、ライアンさんについて教えていただけますか。
マイク・ヤング(以下、マイク):ライアンか、そうだな…僕はバンドで一番新しいメンバーなんだけど、このバンドに入れたこと、みんなに知り合えたことを本当に幸運に思う。ライアンの作る音楽を彼自身と一緒に演奏できること、彼と仕事ができることが本当に幸せだよ。彼は最高に輝いている存在だな。
ライアン:おいおい…(照れ笑い)
ライアンさん、ジャスミンさんについて教えてください。
ライアン:僕の親友といえるお嬢さん、ジャスミン!彼女は最高にスウィートで最高に優しくて、誰に対してもジャッジせずに愛をもって心を開いてくれる存在だよ。彼女が笑うとどんな病気だって治してもらえる、そんな人。(ジャスミンに向かって)君はワンダフルだ、愛してるよ。
ジャスミン:あら…こちらこそ。
ジャスミンさん、アリさんについてお願いします。
ジャスミン:うん!アリはこの世界で史上一番の人間性を備えた人のひとりだって、私が保証するよ!(笑)科学者で機械エンジニアであるアリは賢くて頭の切れる博士みたいな存在なんだけど、一方でバカバカしいノリも見せてくれる、私が知る中で一番面白い人でもあるんだよ。本当にラブリーな人だよ。
モリー:そのとおり。
アリさん、モリーさんについて教えていただけますか。
アリ・シアダット(以下、アリ):僕としてはモリーこそ一番面白い人だと思うんだけどな(笑)僕がこれまで会った中でも一番誠実で親切な人のひとりでもある。彼女はいつでも他の人のことを考え、周囲が心地よくいられるよう気を配りながら行動しているんだ。彼女と同じバンドに入れて、そして彼女の友達になれて本当に幸運だよ。
モリー:Oh…(感動の様子)
最後にモリーさん、マイクさんはどのような方でしょうか。
モリー:マイクは頭からつま先までタトゥーまみれの最高のベースプレイヤー。音楽や演奏することへの愛もすごいんだけど、実は動物が大大大好きなんだよ。
そうなんですね!マイクさん、何の動物が好きなんですか。
マイク:(即答で)全部!
一同:(笑)
マイク:犬を1匹、ウサギを2匹、あと鳥も飼ってる。世界中の動物を救ってあげたいくらい動物が大好きなんだ。
マザー・マザーの楽曲は1曲の中でも時に非常にモダンでフレッシュなパートがあったり、時にノスタルジックなパートがあったりと非常にオリジナリティに満ちていると感じますが、特にインスピレーションを受けたバンドやアーティストとしては誰が挙げられますか。
ライアン:ザ・ビートルズ、ピクシーズ、ヴァイオレント・ファムズ、レディオヘッド、レッド・ツェッペリンあたりの影響が強いな。
物語性が強いリリックも多いですよね。物語はライアンの頭の中で生まれるのでしょうか。実体験に基づいていたりもするのですか。
ライアン以外の全員:(口をそろえて)ライアンのイマジネーション!
ライアン:(笑) 自伝的に作詞することはかなり稀だな。一から創造することが多いよ。
ジャスミン:ライアンは物語の語り手だよ。
ライアン:つまらない人生を送ってきたからさ(笑)
モリーさんとジャスミンさん、おふたりのように女性のボーカルが二人組でステージを駆け回りながら歌って観客を盛り上げたりするバンドはそう多くないですよね。あのスタイルがとてもかっこいいです。どのようにパフォーマンスに向き合っていますか。
ジャスミン:私たちはライアンを横から支える役目であると思う一方で、3人いるフロントマンのひとりとしての自覚もある。サポートもリードも同時にしている感覚かな。走り回って会場を煽るのもその一環だね。
ライアン:君たちふたりがいなかったらと想像すると悪夢だし、生き生きとした感覚が失われるよ。君たちがショーを救ってるんだ。
ジャスミン:ひとりでリードシンガーをやると思うとすごいプレッシャーだと思うから、このスタイルでラッキーだな。それぞれのプレッシャーも和らげていると思う。
ライアン&モリー:ありがとう!(互いにお礼を言い合うボーカルたち)
モリー:私はサポート側という認識だけどね。ここにいるすばらしいメンバーほど、私はミュージシャンじゃないから。会場のテンションを上げる役目を担っている感じ。
ジャスミン:いや、モリーはミュージシャンだよ。
ライアン:そしてリードしてくれているよ。モリーは僕のお気に入りメンバーだ。もう一回言うよ。モリーは僕のお気に入りメンバー。
みなさん全員が観客にエネルギーを与えていると思いますよ!
マイクさん、あなたのディストーションのかかったヘヴィーなベースのサウンドが最高にクールですよね!そのサウンドがバンドの世界観を強く演出する要素のひとつだと思います。サウンドにはどのように向き合っていますか。
マイク:ピクシーズみたいに、バンドの要としてバンドの前に出るようなベーシストがいるよね。ディストーションやドライブをかけて、ピック弾きするような人たち。そんな、時に前に出て、時にバンドを支えるベーシストたちに影響を受けて、そんな重厚でイケてる音作りや演奏を目指してるんだ。
アリさんの生ドラムスと電子機器を駆使したスタイルもユニークですよね。
アリ:僕の中で、音楽とはボーカルを中心に回っているものなんだ。マザー・マザーのボーカルたちは僕の目にも特別なものだと映っているよ。スタッカートもあり、シンコペーションもありの自由な音楽スタイルの中、どんな時でもボーカルたちが伸び伸びストロングにパフォーマンスをできるよう、彼らが自由に泳げる空間を作るのが僕の役目だと思って演奏している。
今夜皆さんは日本のファンの前で初パフォーマンスをするわけですが、皆さんそれぞれの特にお気に入りの楽曲はどれですか。
ライアン:僕は「Grief Chapter」かな。公演の終盤にこれまでの旅路を思いながら歌う、優しくてエモーショナルな瞬間になる。
モリー:私は「Heyloft II」が大好き。クールな曲でしょ。
ジャスミン:私も「Heyloft II」。演奏していて楽しいんだ。もう1曲上げるなら「Sleep Awake」かな。モリーがリードボーカルを担う曲で、本当に美しい曲だからね。
マイク:僕も「Heyloft II」だな…みんなと被ってごめん(笑) でも「Oh Ana」も好き。この曲の始まりとなるギターのピッキングが理性を失わせてくれる。あれは最高の瞬間だよ。
アリ:最近演奏していて楽しいのは「Problems」。あの曲はオーディエンスを狂わせるから、みんなのエネルギーが僕にも還元されるように感じるんだ。
ジャスミン:「Problems」を演奏しているとメンバーもお互い笑顔を見合わせることが多いよね。幸せで楽しい時間だよ。
2020年代に入って、マザー・マザーの知名度はよりいっそう上がった印象を受けます。ここ数年を振り返ってみていかがですか。
ライアン:夢が叶った気分だよ。カナダやアメリカだけでなく、世界中で演奏できるようになったのが本当に嬉しいんだ。このバンドをやってきて長いから、こうして世界で演奏できることがどれだけ特別かは自覚しているし、感謝しているよ。こうして東京、オーストラリア、ニュージーランド…と回れる日が来るなんて思わなかった。ただただ最高の気分だよ。
今後の活躍、そして今夜の公演も楽しみにしております!それでは、最後におひとりずつ、日本のファンへのメッセージをお願いいたします!
マイク:聴いてくれて、僕らに時間やお金を使ってくれてありがとう。本当に感謝しているよ。
アリ:マイクの言葉そのままだな…ここにいられることを本当に幸せに思う。国外のバンドにとって、日本公演を実現させるのはスペシャルで難しいことだって知ってるんだ。だから、今回日本で演奏できるなんて、僕たちは今世界一幸せなバンドだ。ありがとう。
ジャスミン:ふたりの言葉そのままだよ…(笑) 私たちのファンでいてくれて本当にありがとう。今夜聴きに来てくれる皆さんもありがとう。今夜の公演がすごく楽しみだし、いつかまたこの美しい国に戻ってきて、もっと公演を行えるようになりたい!
モリー:ありがとう、みんな愛してるよ。最高の夜になることに期待してる。観に来てくれるみんな、ぜひ楽しんでね。
ライアン:これは長い長い友情のはじまりだ!(日本語で)「大好き」!
(インタビュー以上/取材・文:ヨダセア)
マザー・マザー初の日本公演は、この後11月27日(水)夕方より開始!
フリーライター(tvgroove編集者兼ライター)。2019年に早稲田大学法学部を卒業。都庁職員として国際業務等を経験後、ライター業に転身。各種SNS(Instagram・X)においても映画に関する発信を行いながら、YouTubeチャンネル「見て聞く映画マガジンアルテミシネマ」にて映画情報・考察・レビュー動画などを配信したり、映画関連イベントの企画・運営も行っている。