昨年12月に行われた星野源とのダブル・ヘッドライナー公演でも披露されたマイリー・サイラスとの「ナッシング・ブレイクス・ライク・ア・ハート」や、カミラ・カベロとの失恋ソング「ファインド・ユー・アゲイン」などのハートブレイク・ソングが集められたマーク・ロンソンの通算5枚目のアルバム『レイト・ナイト・フィーリングス』が、6月21日(金)にいよいよ発売となる。
哀しさやメランコリックな感情に溢れ、ダンサブルなビートも兼ね備えた本作は、彼自身最もエモーショナルなアルバムとなっている。
これまでに数々のアーティストをプロデュースし、名曲を世に出してきたマーク・ロンソン。この特集では、世界中のチャートを席巻した「アップタウン・ファンク」や、あらゆる賞を総なめにした「シャロウ〜『アリー/スター誕生』愛のうた」の成功も記憶に新しい彼の功績を振り返るとともに、待望の新アルバム『レイト・ナイト・フィーリングス』の魅力に迫っていこう。
ファースト・アルバムから多様なジャンルのアーティストとコラボを実現!「バック・トゥ・ブラック」でグラミー賞2冠を達成!
ロンドン生まれNY育ちのマーク・ロンソンは、16歳でDJ活動を開始。瞬く間にNYのクラブシーンを代表する人気DJとなり、2003年にQティップや故ネイト・ドッグ、ショーン・ポールらをゲストに迎えたファースト・アルバム『ヒア・カムズ・ザ・ファズ』をリリース。これを機に様々なアーティストとコラボレーションを果たしていく。
またマークは、アデルの『19』やクリスティーナ・アギレラの『バック・トゥ・ベーシックス』などを手掛け、プロデューサーとしての才能も開花。2007年には自身がプロデュースしたエイミー・ワインハウスのセカンドアルバム『バック・トゥ・ブラック』が第50回グラミー最優秀ポップ・ヴォーカル・アルバム賞に、シングル「リハブ」が最優秀レコード賞に輝いた。
「リハブ」は、この世を去ったエイミーの代表曲として今もなお愛され続けている。
Amy Winehouse – Rehab
ブルーノ・マーズをフィーチャーした「アップタウン・ファンク」が世界を席巻!二度目のグラミー最優秀レコード賞に
マーク・ロンソンを語る上で欠かせないのが、ブルーノ・マーズとの「アップタウン・ファンク」の大ヒットだろう。この曲は、全米シングル・チャート14週連続で1位というロングヒットを記録し、19ヶ国で1位を獲得。グラミー賞では2冠に輝いた。
そして、2016年のスーパーボウルのハーフタイム・ショーにも出演。ブルーノ・マーズらと共にパフォーマンスを行い、全世界を熱狂させた。
「アップタウン・ファンク」のミュージック・ビデオはYou Tubeで35億回という桁違いの再生回数を誇っている。
Mark Ronson – Uptown Funk (Official Video) ft. Bruno Mars
レディー・ガガ主演の映画「アリー/スター誕生」の主題歌「シャロウ〜『アリー/スター誕生』愛のうた」が、映画&音楽界の主要3冠を達成
マーク・ロンソンは、レディー・ガガとブラッドリー・クーパーによって歌われた映画「アリー/スター誕生」の主題歌「シャロウ〜『アリー/スター誕生』愛のうた」の共同制作者の一人でもある。
レディー・ガガのアルバム『ジョアン』を手掛けた後に再びタッグを組んだこの楽曲はアカデミー賞歌曲賞、グラミー賞最優秀映像作品楽曲部門、そしてゴールデングローブ賞の主題歌賞に輝き、トリプル受賞という快挙を達成した。
Lady Gaga, Bradley Cooper – Shallow (A Star Is Born)
旬の女性アーティストが集結!新作『レイト・ナイト・フィーリングス』は夜に聴きたいハートブレイク・ソング集
「アップタウン・ファンク」の大ヒットはマークに大きな成功をもたらしたが、ニューアルバムのテイストは全く異なったものになっている。私生活で約5年半連れ添った妻との離婚を経験した彼は、自分の離婚という「ハートブレイク」にインスパイアされ、ビートからではなく感情を基にして、今までとは違った新たな手法で楽曲制作を試みた。
「僕は、結婚生活の破綻という試練に直面していたから、エモーションが音楽に入り込むことは避けられなかった。今の自分が抱えているものに正面から向き合って、音楽に注ぎ込もうと考えたのさ。」と、彼はインタビューで語っている。
参加アーティストは、マークがコラボを懇願したマイリー・サイラスや「ハバナ」の大ヒットでも知られるカミラ・カベロ、そして15回ものグラミー賞受賞歴を誇るアリシア・キース、スウェーデン人のシンガーソングライターのリッキ・リー、自身のレーベルZelig Recordsにサインしたばかりの新人、キング・プリンセスといった、今の時代を象徴するパワフルな女性たち。
従来のファンク・テイストを抑えめに、切なくなるような情感あふれるサウンドと、自然に身体が揺らぐようなダンスビートを共存させた曲たちを、マークは「サッド・バンガーズ」と名付けた。
アルバムのタイトルにもなっている、リッキ・リーをフィーチャーした「レイト・ナイト・フィーリングス」は、 レトロなMVが印象的だ。
Mark Ronson, Lykke Li – Late Night Feelings (Official Video)
タイトルの「レイト・ナイト・フィーリングス」はリッキ・リーが思いついたものだそうで、眠りにつく直前の、孤独感に苛まれていたり、心の痛みがうずいていたりという感情を表したフレーズだ。
9曲目はマイリー・サイラスを迎えた「ナッシング・ブレイクス・ライク・ア・ハート」が収録。以前からその骨太なハスキーボイスに魅了されていたマークが懇願し、4年越しで遂にコラボが実現。単なる恋愛関係のハートブレイクだけではなく、世の中で起こっている心を痛める様々な出来事についても触れている。
Mark Ronson – Nothing Breaks Like a Heart (Official Video) ft. Miley Cyrus
カミラ・カベロをフィーチャーした「ファインド・ユー・アゲイン」は、カミラが16歳の時から温めていた歌詞にマークがメロディを作ったもので、「あなたみたいな人にはもう二度と出会えない」と歌った、エモーショナルでロマンティックな一曲。インスタグラムでも、この曲に込めた熱い思いを吐露している。
Mark Ronson – Find U Again (Audio) ft. Camila Cabello
結婚生活の破綻という試練に直面して、感情が音楽に入り込むことは避けられなかったとマークは語る。「僕にはそれを止めることができなかった。だから従来とは異なる趣向のアルバムになったんだ。だったら、今の自分が抱えているエモーションから目を背けないで、正面から向き合って、音楽に注ぎ込もうじゃないか”と考えたのさ。なぜって、本当にパワフルなエモーションだったから。」切なさ、傷心、世の中へのメッセージ。マーク・ロンソンが手掛けるエモーショナルなアルバム『レイト・ナイト・フィーリングス』を、ぜひ夜のお供にしてみてはいかがだろうか。
(文:加藤優花)
リリース情報
『レイト・ナイト・フィーリングス』
2019年6月21日(金)
発売購入リンク: https://lnk.to/MarkRonson_LNFAL
トラックリスト
- レイト・ナイト・プレリュード | Late Night Prelude
- レイト・ナイト・フィーリングス feat. リッキ・リー | Late Night Feelings feat. Lykki Li
- ファインド・ユー・アゲイン feat. カミラ・カベロ | Find U Again feat. Camila Cabello
- ピーセズ・オブ・アス feat. キング・プリンセス | Pieces of Us feat. King Princess
- ノック・ノック・ノック faet. イェバ | Knock Knock Knock feat. YEBBA
- ドント・リーヴ・ミー・ロンリー feat. イェバ | Don’t Leave Me Lonely feat. YEBBA
- ホエン・ユー・ウェント・アウェイ feat. イェバ | When U Went Away feat. YEBBA
- トゥルース feat. アリシア・キーズ&ザ・ラスト・アートフル、ドジャー | Truth feat. Alicia Keys & The Last Artful, Dodgr
- ナッシング・ブレイクス・ライク・ア・ハート feat. マイリー・サイラス | Nothing Breaks Like a Heart feat. Miley Cyrus
- トゥルー・ブルー feat. エンジェル・オルセン | True Blue feat. Angel Olsen
- ホワイ・ハイド feat. ダイアナ・ゴードン | Why Hide feat. Diana Gordon
- 2 AM feat. リッキ・リー | 2 AM feat. Lykke Li
- スピニング feat. イルシー | Spinning feat. Ilsey
- ナッシング・ブレイクス・ライク・ア・ハート feat. マイリー・サイラス(アコースティック・バージョン) | Nothing Breaks Like a Heart feat. Miley Cyrus (Acoustic Version)
- ナッシング・ブレイクス・ライク・ア・ハート feat. マイリー・サイラス(ドン・ディアブロ・リミックス) | Nothing Breaks Like a Heart feat. Miley Cyrus (Don Diablo Remix)
- ナッシング・ブレイクス・ライク・ア・ハート feat. マイリー・サイラス(ディミトリ・フロム・パリ・リミックス) | Nothing Breaks Like a Heart feat. Miley Cyrus (Dimitri From Parix Remix)
Lindsay1992年京都府生まれ。幼い頃から祖父の影響でブラックミュージックを聴き始めた事がキッカケで、海外エンターテインメントの世界にどっぷりハマっています。大学在学中は大阪を拠点にDJ活動もしていました。イベントやパーティーなど華やかな場所が大好き!現在はニューヨークやロサンゼルスなど海外生活で培った幅広い知識を活かし、ライターとして各メディアで活動しています。
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