映画『スピーク・ノー・イーブル 異常な家族』の子役たちに注目!
ブラムハウス・プロダクションズ(『ゲット・アウト』『M3GAN/ミーガン』)製作、ジェームズ・マカヴォイ(『スプリット』『ミスター・ガラス』)主演による最恐の“おもてなし”スリラー『スピーク・ノー・イーブル 異常な家族』が12月13日(金)より全国公開となる。ジェームズ・マカヴォイの怪演が強烈な存在感を放つなか、物語の重要なカギを握ったのがその恐怖にさらされる子役たちの演技だ。
物語のカギはふたりの子ども!子役たちの演技にも注目
物語は、あるロンドン在住のアメリカ人のベン一家が、バカンスを楽しんでいた旅行先でイギリス人のパトリック一家と出会った事から始まる。どちらの家族も父、母、子供の3人で、子供同士の年齢も近いため、両家族はすぐに意気投合する。
旅行後、ロンドンへ戻ったベン一家の元に、イギリス人一家の夫・パトリック(マカヴォイ演)から、田舎の農場にある自宅へ「遊びに来ないか?」という招待を受ける。その誘いを受け、パトリックの自宅を訪れるダルトン一家。それがおぞましい恐怖の始まりとも知らずに―。
そんな本作において、物語の展開の重要なカギを握るふたりの子どもたちと、彼らを見事に演じた子役について紹介する。
繊細な少女・アグネスを演じたアリックス・ウェスト・レフラー
ベン(スクート・マクネイリー演)とルイーズ(マッケンジー・デイヴィス演)の娘・アグネスは、間もなく思春期を迎えようとしている賢く繊細な少女だ。多感な年頃にある彼女は、両親の間に張り詰める緊張を敏感に感じ取ってしまい、心が不安定でどこへ行くにもウサギのぬいぐるみ“ホッピー”を連れている。
そんなアグネス役には、実話を元にしたクライムサスペンス『グッド・ナース』(22年)での演技が高く評価されたアリックス・ウェスト・レフラーが起用された。ただ演技をするのではなく、キャラクターそのものになれる子役を探していたというジェームズ・ワトキンス監督は、「それがアリックスだった。彼女がオーディションを受けたとき、本当に目立ったのは彼女のリアルさだった。すべてが流動的な映画の撮影現場では、その瞬間を深く掘り下げることができ、指示に従ってシーンや他の共演者の流れに合わせることができる子役が必要だ。アリックスはこれを見事にやってのけた。彼女はアグネスの不安と弱さをうまく捉えることができていた」とレフラーの等身大の演技に賞賛を送っている。
アグネス役を演じたレフラーは、精神疾患を抱える少女を演じるという仕事を真剣に受け止め、アグネスの問題を理解し、それを忠実に演じるために多くの準備を重ねたという。「アグネスは不安症のため、パニックをおさめる呼吸法をたくさんやっているの。それで、私はそんなに大きな不安を抱えるというのがどのようなものなのか、パニック発作を起こすとどうなるのか、ということについて調べたの。そして、そのような精神的疾患や感情的な問題が足かせとなり、性格に影響を与え、人生を歩む上で自分に影響を与えるということの意味を理解することが、私にとってとても重要なことだった」と、綿密な役作りを振り返っている。
口がきけない少年・アントを演じたダン・ハフ
アントはパトリック(ジェームズ・マカヴォイ演)とキアラ(アシュリン・フランチオージ演)の息子で、少し内気な雰囲気だが、口がきけないことを除けば、ごく普通の子供のように見える。パトリック曰く、彼が口をきけないのは遺伝性疾患によるものだという。アントはベン一家の娘・アグネスと親しくなるが、彼のソワソワした態度や奇妙な行動が、病気によるものなのか、それとも別の理由が隠されているのかは謎に包まれている。
アント役には、本作でプロ俳優としてデビューを飾ったダン・ハフが起用された。ワトキンス監督はハフについて「アント役は、言葉無しで説得力あるコミュニケーションや、台詞での演技ではなくジェスチャーだけのコミュニケーションといった、特異な演技に挑戦した。ダンはこれまでカメラの前で演技したことがなかったが、彼は本物の内面を見せてくれたんだ。オーディションでは演じようとするのではなく、その瞬間を生きていた。最後には必ず、内なる痛みと怒りが出てくるんだ。その瞬間こそが私が本当に観たかったものだった。」とその演技は、まさに彼が求めていたものだったと絶賛している。
さらに監督はオーディションで、「彼がカメラテストで叫んだとき、私たち全員が震え上がった。彼はなりきっていたんだ。野生的で凶暴だった。ダンはその後3日間話すことができなかったんだ」という衝撃的なエピソードを明かした。
デビュー作で難しい役に挑戦したハフは、アントを演じるための役作りについて「この役に入り込む唯一の方法は、アントに起こったすべてが自分に起こったらどうなるだろう、と自問することだった。そうやって役になりきったんだ。ボディーランゲージや表情などを使って、様々なやり方で表現する方法を考えなければいけなかったから、大変だったよ。」と自分なりの工夫を語っている。
そして、撮影中はアントの特徴を体現するために、マウスピースを装着していたのだという。「歯の周りに取り付けるプレートで、その下に舌を収納するんだ。でもとてもいい経験だった。最初から最後まですべて。これが私の初めての映画で、初めてのオーディションだった。とても楽しかった」と、初めての経験を振り返っている。
ハフと共演したマッケンジー・デイヴィスは、「彼のキャラクターは多くのシーンに出てくるけれど、本編を通して常に静かだから、私たちも彼が何をしているか、注意を払わないことが多かったの。でも作品の演技を見ると、彼のすばらしい、胸が張り裂けるような切ない演技に驚かされる。これが彼の初めての仕事だということを考えると余計に感心してしまうの」と語っている。彼の演技の強烈さと奥深さは、共演者たちの心に深く刻み込まれたようだ。
アリックス・ウェスト・レフラーとダン・ハフという若き俳優たちが演じる、繊細で複雑な子供たちの姿は、物語に深みと緊張感をもたらし、観客の心に強烈な印象を残す。大人顔負けの演技力で魅了する彼らが、この恐ろしくも魅力的な”おもてなし”の物語にどのような影響を与えるのか、劇場でぜひ確かめていただきたい。
『スピーク・ノー・イーブル 異常な家族』は12月13日(金)全国公開。
作品情報
<STORY>
アメリカ人のベン一家は旅行中に意気投合したイギリス人のパトリック一家に自宅に招待され、週末を一緒に過ごすことに。楽しく滞在していたが、次第に一家の“おもてなし”に違和感を抱き始める。“異常な家族”のおもてなし“とは?そしてその裏に隠された、想像を絶する衝撃の真実とは…。
タイトル:『スピーク・ノー・イーブル 異常な家族』
原題:Speak No Evil
全米公開:9月13日(金)
日本公開:12月13日(金)全国公開
監督&脚本:ジェームズ・ワトキンス
製作:ジェイソン・ブラム、ポール・リッチー
製作総指揮:ベアトリス・セケイラ、ヤコブ・ヤレク、 クリスチャン・タフドルップ
出演:ジェームズ・マカヴォイ、マッケンジー・デイヴィス、アシュリン・フランチオージ、アリックス・ウェスト・レフラー、ダン・ハフ、スクート・マクネイリー
映倫:PG12
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配給:東宝東和
公式サイト:https://www.universalpictures.jp/micro/speaknoevil
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フリーライター(tvgroove編集者兼ライター)。2019年に早稲田大学法学部を卒業。都庁職員として国際業務等を経験後、ライター業に転身。各種SNS(Instagram・X)においても映画に関する発信を行いながら、YouTubeチャンネル「見て聞く映画マガジンアルテミシネマ」にて映画情報・考察・レビュー動画などを配信したり、映画関連イベントの企画・運営も行っている。