東京コミコンで来日したベネディクト・カンバーバッチに、tvgrooveがインタビューを実施した。
世界最大級のポップ・カルチャーイベント「東京コミックコンベンション2024 (以下「東京コミコン2024」)」が、12月6日(金)から12月8日(日)まで開催。幕張メッセで行われたこの大イベントで、日本でも根強い人気を誇るベネディクト・カンバーバッチが再び来日を果たした。
そんなカンバーバッチが今回、tvgrooveにインタビュー&写真・動画撮影の機会をくれた。(取材・文:ヨダセア)
- ベネディクト・カンバーバッチにインタビュー!
- 今回も来日してくださってありがとうございます!昨年に引き続きの来日となりましたが、日本のどのようなところを気に入ってくださっていますか。
- 昨年「東京コミコン2023」のステージで語ってくださった「ほかの誰かになろうとするな」「失敗を恐れるな」というお話には大きな反響があり、SNSでもたくさんの人々を勇気づけてくれました。あれから1年、最近は配信ドラマ「エリック」やウェス・アンダーソン監督との仕事など、さらに仕事の幅が増えているベネディクトさんですが、2024年はどのような1年でしたか。
- 今回も「ドクター・ストレンジ」ファンがたくさん来ているはずです。ストレンジは初登場時から最新作にかけて、ヒーローとしても、ひとりの人間としても変化が見られるように思いますが、複数の作品で演じたドクター・ストレンジというキャラクターとその変化・成長について、どのような思いがありますか。
- 今回の東京コミコンでは、『ドクター・ストレンジ』でカエシリウスを演じたマッツ・ミケルセンさんも一緒に来日してくださっていますが、マッツさんとは何か交流されましたか。
- 今回来ているアメコミファンたちは、今後のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の行方についても期待しているはずです。今後を楽しみにしているMCUファンの皆さんに何か一言いただけますか。
- コミコン会場からのメッセージ
- イベント情報
ベネディクト・カンバーバッチにインタビュー!
今回も来日してくださってありがとうございます!昨年に引き続きの来日となりましたが、日本のどのようなところを気に入ってくださっていますか。
ベネディクト・カンバーバッチ(以下、カンバーバッチ):大前提として僕は東京しか知らないんだ。だから僕が日本について知っていること、経験できたことは限られている。でも日本の文化、芸術、歌舞伎や茶道のような伝統芸能、建築など、何に関しても荘厳で細部までこだわられていて、オリジナリティを持っているから本当にすばらしいよ。歴史や地理、都市機能も興味深いよね。そして何より、賢くて思慮深い人々がすばらしいよ。
カンバーバッチ:日本は僕の国からすごく遠いから、ここに来るだけで大仕事だけど、訪れるのには本当にすばらしい場所だよ。飛行機にいても空港にいても、車でもホテルでもレストランでも、こうして取材を受けている今も、コミコンでプロモーション活動をしている時だって、日本ではいつも安心で安全で自分もその場所の一部であるかのような感覚を与えてもらえるんだ。仕事で来るとすぐ帰らなければならないからすごく辛いよ。本当はこのまま滞在を引き伸ばしたいところだけど、そろそろホリデーシーズンで子どもたちが冬休みだから、家族に会いに帰らなきゃならないんだ。いつか家族も連れて、日本に長く滞在したいと思っているよ。京都とか沖縄とか富士山とか国立公園とか、行ってみたい場所が南の方にもたくさんあるからね!
カンバーバッチ:答えが長くなってしまってごめん。その質問に短く答えるなら「全部」だよ!(笑)
昨年「東京コミコン2023」のステージで語ってくださった「ほかの誰かになろうとするな」「失敗を恐れるな」というお話には大きな反響があり、SNSでもたくさんの人々を勇気づけてくれました。あれから1年、最近は配信ドラマ「エリック」やウェス・アンダーソン監督との仕事など、さらに仕事の幅が増えているベネディクトさんですが、2024年はどのような1年でしたか。
カンバーバッチ:(ウェス・アンダーソン監督との)『ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語』がアカデミー賞(短編実写映画賞)を受賞できたのはすばらしいね。彼の新たな映画(タイトルは「The Phoenician Scheme(原題)」と報じられている)にも僕は出るけど、これもまたすばらしくて鮮烈な映画だよ。ベルリン郊外で撮影したけど、最高のスタジオでの最高の経験だった。他の作品についても話すと、今年1月に撮った「The Thing with Feathers(原題)」もすばらしい作品になるはずだよ。マックス・ポーターのすばらしい小説(「Grief is the Thing with Feathers」)に基づく映画で、妻を突然失いふたりの息子と過ごす男性を描いた実直ですばらしいヒューマンドラマなんだ。みんなに観てもらうのが楽しみだよ。「The Roses(原題)」ではオリヴィア・コールマンと共演していて、それもまたすばらしい作品だよ。
カンバーバッチ:それから、昨年みんなに話したことについてだけど、それは僕も今でも大事にしている考え方だよ。挑戦心を忘れないことは重要だ。ほかの誰かを演じずに、自分にできることを一生懸命がんばることが大切だよ。自分以上になろうとする必要はない、自分が持つものを尊重してあげればいいんだ。
【ベネ様のありがたいお言葉】
俳優として成功したい!夢を追うファンから「これまでの努力と心がけていること」を質問されたベネ様の、格言のような回答がこちら?#ベネディクト・カンバーバッチ #東京コミコン #東京コミコン2023 #TokyoComicCon #TokyoComicCon2023 pic.twitter.com/4oQdpGvOdY
— tvgroove|海外エンタメメディア (@TVGroove) December 8, 2023
今回も「ドクター・ストレンジ」ファンがたくさん来ているはずです。ストレンジは初登場時から最新作にかけて、ヒーローとしても、ひとりの人間としても変化が見られるように思いますが、複数の作品で演じたドクター・ストレンジというキャラクターとその変化・成長について、どのような思いがありますか。
カンバーバッチ:いい質問だ。たしかに彼は変わり続けているよね。同時に、ずっと同じ問題に向き合い続けている部分もある。自分が持っている力が何を犠牲にしてしまうかという問題だ。彼の持っている能力は特殊な蜘蛛やナノテクノロジーが与えるものではなく、極めて危険な悪魔や神、別次元の空間から与えられている力だからね。
カンバーバッチ:人間的には、彼は成長過程にあると思う。人のために行動すること、チームで協力すること、他人を信じることを現在進行形で学んでいるのではないかな。彼はとても複雑で、興味深いキャラクターだよ。非常に傲慢なキャラクターとして登場して、天才的な神経外科医として神のような所業に携わっていた彼だけど、今度は魔術師として神のような所業に携わっている。彼は成長しているけど、まだ彼の心理的な問題はたくさん続いていて、解決しようとしている最中なんだ。
今回の東京コミコンでは、『ドクター・ストレンジ』でカエシリウスを演じたマッツ・ミケルセンさんも一緒に来日してくださっていますが、マッツさんとは何か交流されましたか。
カンバーバッチ:うん、マッツとは少しだけ話すことができたよ!彼と交流する時はいつだって楽しいんだ。でも今回はすばらしい俳優であるジョシュ・ブローリンも来るって発表されていたよね。彼が来られなくなったのは寂しいよ。(来日セレブは)みんなそれぞれ違う国から飛んできていて、時差ボケもあるし疲れているから、なかなかみんなとゆっくり交流することはできないんだけど、昨年日本に来た時はトム・ヒドルストンと一緒にとても美味しいテリヤキのお店に行けたんだ。彼と過ごした時間はとても楽しかったな。
今回来ているアメコミファンたちは、今後のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の行方についても期待しているはずです。今後を楽しみにしているMCUファンの皆さんに何か一言いただけますか。
カンバーバッチ:ルッソ兄弟とまた仕事ができるだけでなく、ロバート・ダウニー・Jrがドクター・ドゥーム役で戻ってくることにも本当にワクワクするよ。きっとこれから最高にクールな展開が待っているだろうから、僕もこれから起こることを楽しみにしているよ。
コミコン会場からのメッセージ
そして最後に、カンバーバッチは東京コミコンに来たファン、日本のファンに向けてメッセージを動画に残してくれた。
来日した #ベネディクト・カンバーバッチ 様より日本のファンの皆さんへメッセージをいただきました✨✨✨
独占インタビュー記事も後ほど公開予定です!#東京コミコン2024 大盛況!来日ありがとうございました❤️?❤️?#東京コミコン #TokyoComicCon #BenedictCumberbatch pic.twitter.com/sJxLxN8jzI
— tvgroove|海外エンタメメディア (@TVGroove) December 8, 2024
真摯に日本人への愛と誠意を伝えてくれるベネディクト・カンバーバッチ。また来日してくれる日を楽しみにしよう。(取材・文:ヨダセア)
(今回のイベントの詳細は東京コミコン公式サイトへ:https://tokyocomiccon.jp/)
イベント情報
名称:東京コミックコンベンション2024(略称:東京コミコン2024)
会期:
2024年12月6日(金)11:00~19:00
7日(土)10:00~19:00
8日(日)10:00~18:00 ※開催時間は変更となる可能性あり。
会場:幕張メッセ(〒261-0023 千葉県千葉市美浜区中瀬 2-1)1ホール~5ホール
※ホールは変更となる可能性あり。
主 催:株式会社東京コミックコンベンション、東京コミックコンベンション実行委員会
問合せ先:東京コミックコンベンション事務局(info@tokyocomiccon.jp)
©2024 Tokyo comic con All rights reserved.
<イベント内容>
・国内外映画、コミックなどの最新情報公開
・企業出展(限定・先行商品の販売、グッズの展示など)
・実際に映画で使用されたプロップ(小道具)や、レアグッズの展示
・最新技術を使った様々なコンテンツの体験
・海外セレブ俳優との交流
・ステージでのライブやパフォーマンス
・コスプレイヤーとの交流、コンテスト
・漫画家やイラストレーターの作品展示や販売、「アーティストアレイ」
フリーライター(tvgroove編集者兼ライター)。2019年に早稲田大学法学部を卒業。都庁職員として国際業務等を経験後、ライター業に転身。各種SNS(Instagram・X)においても映画に関する発信を行いながら、YouTubeチャンネル「見て聞く映画マガジンアルテミシネマ」にて映画情報・考察・レビュー動画などを配信したり、映画関連イベントの企画・運営も行っている。