映画『ふたりで終わらせる/IT ENDS WITH US』の撮影現場でのセクハラ行為や、組織的な名誉毀損の試みについて、主演のブレイク・ライヴリーが監督のジャスティン・バルドーニを提訴。これを受け、アンバー・ハードが支持を表明した。
SNSを利用した攻撃的な手法に警鐘
現在スペインを拠点とするハードは、NBCニュースの取材に対し、「ソーシャルメディアは『嘘は真実が靴を履く前に世界を半周する』という古い格言の化身そのものです。私は間近でそれを目の当たりにしました。それは恐ろしく、破壊的なものでした」と語った。
ハード自身、2022年に元夫のジョニー・デップとの名誉毀損裁判で、SNSを通じた激しいバッシングを経験。その際、デップ側の危機管理PRを務めたメリッサ・ネイサンが、今回バルドーニ側のPR戦略も担当していたことが明らかになっている。
深刻な職場環境の実態
ライヴリーの訴状によると、撮影中に開かれた全体会議で、彼女はバルドーニに対して以下の行為の即時停止を要求したという:
・女性のヌード画像や動画の提示
・自身の「ポルノ依存」に関する言及
・性的体験の公然とした議論
・キャストやスタッフの性器に関する発言
・ライブリーの体重についての言及
さらに訴状には、バルドーニのパブリシストとネイサンとのテキストメッセージ22ページが含まれており、ライヴリーの評判を「崩壊させる」という意図的な社会操作の証拠が示されている。
業界からの反響と支持
この告発を受け、大手芸能事務所WMEはバルドーニとの契約を解除。『旅するジーンズ』シリーズでライヴリーと共演したアメリカ・フェレーラ、アンバー・タンブリン、アレクシス・ブレデル、『あなたの願いを叶えたい』の監督ポール・フェイグらも、彼女への支持を表明している。
ライブリーはニューヨーク・タイムズ誌に対し、「この法的措置が、不正行為を告発する人々への悪質な報復行為の実態を明らかにし、同様の被害に遭う可能性のある人々を守ることにつながれば」と述べている。
フリーライター(tvgroove編集者兼ライター)。2019年に早稲田大学法学部を卒業。都庁職員として国際業務等を経験後、ライター業に転身。各種SNS(Instagram・X)においても映画に関する発信を行いながら、YouTubeチャンネル「見て聞く映画マガジンアルテミシネマ」にて映画情報・考察・レビュー動画などを配信したり、映画関連イベントの企画・運営も行っている。