シュルレアリスムの巨匠が遺した実験的映像作品が、現代のミュージシャンによって新たな解釈を加えられる『RETURN TO REASON/リターン・トゥ・リーズン』の予告編と場面写真が解禁された。
マン・レイによる4作品を4Kレストア化し、ジム・ジャームッシュとカーター・ローガンのユニットSqürl(スクワール)が音楽を手がけた本作は、2024年1月24日(金)より全国でスクリーンに登場する。
アヴァンギャルドと現代アーティストの邂逅
20世紀を代表する芸術家として絵画、彫刻、写真、映画制作など多岐にわたる分野で活躍し、シュルレアリスムの先駆者として名を馳せたマン・レイ。本作は、彼の監督デビュー作『理性への回帰』から100周年を記念して実現したスペシャルプロジェクトだ。『ストレンジャー・ザン・パラダイス』『ナイト・オン・ザ・プラネット』などのカルト的人気を誇るジム・ジャームッシュが、盟友のカーター・ローガンとともに結成したバンド・スクワールが、新たなサウンドトラックを担当している。
ヨーロッパで成功を収めたライブ上映
スクワールは2023年1月のベルリンを皮切りに、パリのポンピドゥー・センター、ロンドンのクイーン・エリザベス・ホールなど、欧州の一流文化施設で即興演奏を展開。マン・レイの4作品『理性への回帰』『エマク・バキア』『ひとで』『サイコロ城の秘密』に合わせた音楽パフォーマンスは各会場で反響を呼んだ。その集大成として2023年、4Kレストア版がカンヌ国際映画祭クラシック部門でプレミア上映された。
【動画】実験映像の先駆者と現代音楽家が紡ぎだす幻想的な予告編
『パターソン』『デッド・ドント・ダイ』など独創的なサウンドトラックで知られるスクワールの特徴的な重低音が、100年の時を経た実験的映像と響き合う。CGもデジタル技術も存在しなかった時代に、独自の手法で生み出された幻想的なヴィジュアルは、現代の観客を未知なる映像体験へと導く。
作品情報
タイトル:『RETURN TO REASON/リターン・トゥ・リーズン』
原題:RETURN TO REASON
監督:マン・レイ
音楽:スクワール(ジム・ジャームッシュ&カーター・ローガン)
2023年|フランス|フランス語|70分|モノクロ|スタンダード4K|5.1ch
作品:© 2023 WOMANRAY/CINENOVO – ALL RIGHTS RESERVED
場面写真:©︎Man Ray 2015 Trust, ADAGP, Paris 2023
配給:ロングライド
フリーライター(tvgroove編集者兼ライター)。2019年に早稲田大学法学部を卒業。都庁職員として国際業務等を経験後、ライター業に転身。各種SNS(Instagram・X)においても映画に関する発信を行いながら、YouTubeチャンネル「見て聞く映画マガジンアルテミシネマ」にて映画情報・考察・レビュー動画などを配信したり、映画関連イベントの企画・運営も行っている。