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トランプ次期大統領の就任式に出演するアーティストは誰? 批判やファン離れ心配の声も

ドナルド・トランプ(左)、キャリー・アンダーウッド(右) MUSIC/ARTISTS
(左)ドナルド・トランプ(Anna Moneymaker / Shutterstock.com)、(右)キャリー・アンダーウッド(Kathy Hutchins / Shutterstock.com)

2025年1月20日、ドナルド・トランプ次期米大統領の就任式がワシントンD.C.で開催される。この就任式には、多くの著名アーティストの出演が予定されているが、一方で、出演者やイベント全体への批判の声も上がっている。

今回の就任式では、カントリーミュージック界のスター、キャリー・アンダーウッド「アメリカ・ザ・ビューティフル」を歌う予定。また、オペラ歌手のクリストファー・マッキオ国歌を披露し、リー・グリーンウッドが代表曲「Proud to Be an American」をパフォーマンスする。

さらに日本でも「Y.M.C.A.」で有名な70年代のディスコグループヴィレッジ・ピープルもプレイベントに参加予定。

その他、キッド・ロックビリー・レイ・サイラスが前夜の「ビクトリー・ラリー」に登場し、ジェイソン・アルディーンラスカル・フラッツが就任式後のボールで演奏する予定だ。

 

就任式に出演するアーティスト

キャリー・アンダーウッド(Carrie Underwood)

カントリーミュージックのスターであり、数々のグラミー賞の受賞歴があるカントリーミュージックのスター。全世界で7000万枚以上のレコードを売り上げる。2005年に人気オーディション番組「アメリカン・アイドル」シーズン4で優勝したことで一躍有名になった。就任式ではアメリカの第二国歌といわれる「アメリカ・ザ・ビューティフル」を披露する予定。キャリー・アンダーウッドは「私たちが団結し、未来を見据える時であり、この歴史的な場に参加できることを光栄に思います」と述べている。

キャリー・アンダーウッド 「Before He Cheats」

クリストファー・マッキオ(Christopher Macchio)

世界的に知られるオペラ歌手で、国歌を歌う予定。以前からトランプ氏のイベントでパフォーマンスを行っている。

クリストファー・マッキオ「Ave Maria」(ドナルド・トランプ応援映像)

リー・グリーンウッド(Lee Greenwood)

愛国心を象徴する楽曲「God Bless the USA」の中で繰り返されるフレーズ「Proud to Be an American」で知られるカントリーシンガー。今回もこの代表曲を披露し、イベントの象徴的存在となるだろう。

リー・グリーンウッド「God Bless the USA」

ヴィレッジ・ピープル(Village People)

1970年代のディスコグループで、ヒット曲「Y.M.C.A.」が世界的に有名。グループは「音楽は政治を超える」と主張し、団結を訴える意図を強調。

ヴィレッジ・ピープル「YMCA」

キッド・ロック(Kid Rock)

ロックとカントリーを融合させたスタイルで人気のアーティスト。前夜の「ビクトリー・ラリー」でパフォーマンス予定。

キッド・ロック「All Summer Long」

ビリー・レイ・サイラス(Billy Ray Cyrus)

アメリカのカントリーミュージック界を代表するシンガーソングライターであり、俳優としても活躍。カントリー、ロック、ポップの要素を融合させたスタイルで知られ、代表曲「Achy Breaky Heart」は全米で大ヒットとなった。マイリー・サイラスの父親としても知られる。就任式では、キッド・ロックとともに「ビクトリー・ラリー」に登場する予定だ。

ビリー・レイ・サイラス「Achy Breaky Heart」

ジェイソン・アルディーン(Jason Aldean)

現代カントリーミュージックのトップアーティストの一人。就任式後のボールでパフォーマンス予定。

ジェイソン・アルディーン「Dirt Road Anthem」

ラスカル・フラッツ(Rascal Flatts)

3人組のカントリーバンドで、数々のヒット曲を持つ。ジェイソン・アルディーンとともに、ボールでパフォーマンス予定。

ラスカル・フラッツ「Bless the Broken Road 」

出演者への批判

今回の出演者リストは、一部で歓迎されているものの、批判も少なくないようだ。アーティストたちがトランプ次期大統領への協力に難色を示すのはなぜか?

エンターテインメント業界全体では、リベラルな価値観が支持されることが多い。トランプ氏と協力することは、同業者やスポンサーからの批判を招く可能性がある。

トランプ氏はその言動がしばしば物議を醸し、特に移民政策や人種問題に関する発言が批判されてきた。そのため、彼と協力することが、分断的な政治に賛同しているように見られる可能性がある。

2017年の最初のトランプ大統領就任式では、エルトン・ジョン、セリーヌ・ディオン、キッス、ガース・ブルックスといった大物アーティストが出演の要請を受けたが辞退したと報道された。

 

キャリー・アンダーウッドへの批判と擁護

今回特に、カントリー界のスーパースターであるキャリー・アンダーウッドの出演について賛否両論の議論が起こっている。

SNSでは、「キャリーがトランプ氏のイベントに参加するのは驚くべきことではない」「MAGA(※)の象徴だ」といった批判が相次いでいる。一部のファンは楽曲のボイコットを宣言する動きも見られる。また、「愛と受容を体現していると思っていたのに、今回の決定はその逆だ」と失望を表明するコメントも寄せられている。(※MAGA: トランプ氏のスローガンである「Make America Great Again」を略したもの。)

一方で、同じカントリー界のジョン・リッチや著名人のウーピー・ゴールドバーグがアンダーウッドを擁護。ウーピー・ゴールドバーグは「キャリー・アンダーウッドには出演する権利があるし、その選択を支持する」と述べ、個人の自由を尊重する姿勢を示している。

今回の就任式も全米の注目を集める一大イベントとなるだろう。今回もトランプの一期目の就任式同様、賛否の声が交錯する中で開催される。カントリーミュージックのスターや伝説的なディスコグループの参加が、国民の分断を乗り越え団結を目指すシンボルとなるか注目されている。

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