2025年2月19日、アリアナ・グランデは約8年ぶりに日本を訪れ、映画『ウィキッド ふたりの魔女』のジャパンプレミアに登壇した。純白のドレスに桜の髪飾りをあしらい、ファンに笑顔で挨拶する姿は一見華やかであったが、その背後で指摘されたのは、胸元や二の腕の極端な細さだった。
アリアナ・グランデの健康不安は2023年初頭から話題になってきた。『ウィキッド』撮影中の写真がオンライン上に公開されると、ファンは彼女の痩せ細った体型に対する懸念を口にし始めたのだ。
また2月16日に開催されたBAFTA映画賞のレッドカーペットでは、ルイ・ヴィトンの大きく開いたVネックのドレスを纏ったアリアナだったが、くぼんだ頬と露出した胸骨を際立たせるほど痩せて見え、衝撃を与えた。
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— BAFTA (@BAFTA) February 16, 2025
こうした状況に、ファンや業界の関係者からは「アリアナは本当にだいじょうぶなのか」という声が上がる事態となっているが、PageSixが伝えるところによると、映画の過酷な撮影スケジュールや長時間にわたるプロモーションツアー、そして過去のトラウマや複雑な人間関係がアリアナに大きな負担をかけているのだという。
過酷なスケジュールの影響
アリアナの日常は、休む間もなく続く激務に彩られている。元同僚は、彼女が食事すら十分に取れておらず、睡眠と覚醒のリズムも崩れていると証言している。
「体がいつ食事を必要としているかすら分かっていないようです。起きるべき時に寝、寝るべき時に起きる。それに加え、女性がファッション業界で向き合う髪型、メイク、ネイルといったケアもあり、休む間もなく走り続けなければならない。まさに超人的です」と情報筋は語る。
元同僚は、グランデの厳しいスケジュールが彼女を全力で駆動させていると語る。
「このような休みのない走りが、確実に健康に影響を及ぼします。心身ともに自分自身のケアが格段に難しくなるのです。常に万全でいなければならず、発言にも細心の注意を払い、『もしこれを言ったら、こんな風に受け取られるのか?』と常に考え続けなければならない。脳は絶え間なく働いています」と続けた。
常に完璧なパフォーマンスを求められる厳しい環境は、まさに「超人的」な労働条件そのものであり、心身の健康管理を非常に困難なものとしているようだ。
精神的苦悩と過去のトラウマ
またアリアナが抱える健康問題は、単なる身体の変化だけでなく、精神面での苦悩や過去のトラウマとも深く結びついているとの指摘もある。
2017年5月、イギリス・マンチェスター・アリーナで行われた彼女のコンサートが自爆テロに襲われ、22人が死亡、数百人が負傷するという悲劇が起こった。その恐ろしい爆破事件の後、グランデは大きな苦悩に見舞われた。
また2018年9月、アリアナの元恋人であったマック・ミラーが、事故による薬物過剰摂取で亡くなった。元恋人の突然の死は、長年の不安やストレスをさらに深刻にし、彼女の心に大きな影響を与えている。
こうした過去の痛ましい経験は、グランデが現在直面している過酷な労働環境と相まって、心身の健康管理を一層困難なものとしているようだ。
複雑な恋愛遍歴
さらにアリアナの複雑な恋愛遍歴も、彼女の健康と精神状態に悪影響を及ぼしている一因とみる見方もある。
マック・ミラーの死去時、彼女は問題を抱える「サタデー・ナイト・ライブ」スターの31歳ピート・デイビッドソンとの激しい恋愛に没頭し、交際開始後すぐに2018年7月に婚約したものの、その年10月には破局に至った。
その後、2021年には不動産仲介業者ダルトン・ゴメスと静かな結婚式を挙げたが、翌年、『ウィキッド』の撮影中にブロードウェイスターのイーサン・スレーターとの不倫関係に発展。当時スレーターは妻リリー・ジェイとの間にわずか11か月の息子がいた。最終的にアリアナとイーサンはそれぞれの配偶者と離婚。二人は現在も交際を続けている。
こうした激動の恋愛とそれに伴う精神的ストレスが、アリアナの健康状態に影響を及ぼしている可能性が示唆されるのだ。
直してもまた別の理由で非難される
アリアナ・グランデ自身もこうした問題を自覚しているようだ。
アリアナは2023年4月、TikTok上で自身の体型について「健康的で美しく見える方法は多種多様」とし、以前の自分の姿は「私の体の中で最も不健康なバージョン」だったと説明した。
さらに、「私が「健康的」に見えた時期というのは、実は大量の抗うつ剤に依存し、酒に溺れ、不規則な食生活を続けるなど、人生で最も苦しい状況にあった時期だったんです」と語った。
だが、問題があるとわかっていても、正しい方向に修正していくのは容易ではないようだ。
「自分に何が問題なのか、あらゆる批判を受け、それを直してもまた別の理由で非難される」と、アリアナはロンドンでの『ウィキッド』のプロモーション中にこたえたインタビューで語った。
「現代社会では、他人の容姿や見た目、舞台裏で何が起こっているのか、健康状態、さらにはその人の自己表現について、あまりにも気軽にコメントしてしまう傾向があります……誰がどんな苦しみを抱えているかは分からないのです」とアリアナは付け加えた。
それでも前を向く強い精神力
このように幾多の苦難を乗り越えてきたアリアナは、今なおエンターテイメント業界の第一線で精力的に活躍を続けている。
そこには、長年、ショービズ界で努力し輝き続けてきた彼女ならではの強い精神力があると関係者は指摘する。
2008年にブロードウェイの『13』でグランデと共演した29歳の俳優ジョーイ・ラヴァルコは、グランデは常に強靭な精神を持っており、絶えず稼働するスケジュールのストレスの中でもパフォーマンスを維持していると彼女を絶賛している。
「まさにジェットコースターのようだと思います。大半は素晴らしいでしょうが、何事にも欠点はあります。ブロードウェイで働く中で、若いうちから回復力を学ぶことになります。お金は多いですが、時間は限られているのです」とラヴァルコは語り、 「彼女はいつも非常に強い精神力を持っていました」と締めくくった。
アリアナの強靭な精神と自己改善への不断の努力こそが、彼女が輝き続けるための大きな原動力となっていることは間違いないだろう。
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