『フレンズ』マシュー・ペリーのドキュメンタリーに共演者たちが出演していない理由とは?

マシュー・ペリー FILMS/TV SERIES
マシュー・ペリー photo: Sasidhar komanduri / Shutterstock.com
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2023年10月に急逝した俳優マシュー・ペリーの生涯を追ったドキュメンタリー番組『Matthew Perry: A Hollywood Tragedy』が、米国のストリーミングサービスPeacockで配信されている。この番組では、マシュー・ペリーの人生とキャリア、そして彼の死にまつわる捜査について、詳細に語られている。

一方、ファンが気になるのは、『フレンズ』のメインキャスト(ジェニファー・アニストン、コートニー・コックス、リサ・クドロー、デヴィッド・シュワイマー、マット・ルブランク)がこの番組に出演していないということだろう。

なぜ『フレンズ』の共演者たちはこのドキュメンタリーに出演しなかったのだろうか?

 

『フレンズ』とは?

『フレンズ』(原題:Friends)は、1994年から2004年までアメリカのNBCで放送されたシチュエーション・コメディ(シットコム)。全10シーズン、236エピソードが制作され、ニューヨークを舞台に20代から30代の男女6人の友情や恋愛、日常生活をコミカルに描いた。

メインキャストはジェニファー・アニストン(レイチェル・グリーン役)、コートニー・コックス(モニカ・ゲラー役)、リサ・クドロ―(フィービー・ブッフェ役)、デヴィッド・シュワイマー(ロス・ゲラー役)、マット・ルブランク(ジョーイ・トリビアーニ役)、マシュー・ペリー(チャンドラー・ビング役)の6人だ。

『フレンズ』キャスト

『フレンズ』キャスト photo: Featureflash Photo Agency / Shutterstock.com

『フレンズ』は放送開始直後から高い人気を博し、全シーズンを通じて全米視聴者数ランキングのトップ10にランクイン。特に第8シーズン(2001年~2002年)では平均視聴者数が約2,450万人に達し、同シーズンのテレビ番組で最高視聴率を記録した。

また、キャラクターたちのファッションやライフスタイル、セリフなどが社会現象となり、放送終了後も再放送やストリーミング配信を通じて新たなファンを獲得し続ける伝説的なシットコムである。

『フレンズ』爆笑名場面集

 

なぜ『フレンズ』のキャストは出演しなかったのか?

本作の監督ロバート・パルンボは、同ドキュメンタリーにメインキャストたちが出演しなかった理由について次のように説明している。

「ドキュメンタリーを制作するのは早すぎるとは思いません。しかし、彼の死の影響がまだ生々しく残っているため、『フレンズ』のキャストがこの段階で出演することをためらったのは理解できます。もしかすると何年も先になれば… 彼らの決断は尊重しています」

つまり、彼の死があまりにも最近の出来事であり、共演者たちにとっても受け入れるには時間が必要だったということのようだ。

また、ジェニファー・アニストンは2004年のインタビューで、マシューの依存症について「私たちには彼を助ける術がなかった」と涙ながらに語っている。長年彼と親しくしていたキャストにとって、彼の死を振り返ることは非常に辛いことであり、そうした心情も今回の決断に影響を与えたのかもしれない。

 

キャスト不在でも『フレンズ』要素は満載

しかしマシュー・ペリーにとって『フレンズ』はまぎれもなく彼の代表作であり、いわば彼の「生きた証」ともいえる作品だ。当然、番組には『フレンズ』の映像や関係者の証言が数多く登場する。

The Hollywood Reporterによると、たとえば、マシューの体重が『フレンズ』のシーズンごとに大きく変化していたことを取り上げ、彼の依存症との戦いがどれほど深刻だったかを映像を通して示すセグメントがあるという。

また、番組では、マシューの母親役を演じたモーガン・フェアチャイルドがインタビューに応じ、次のように語っている。

「過去にアルコール依存の友人を助けた経験があったため、ペリーにも声をかけようとした」

彼の死に至るまでの過程を考察する中で、『フレンズ』が彼の人生にどれほど大きな影響を与えたのか、そして同時に彼にとって名声がどれほどの重荷だったのか、この番組はそういった点にリアルに迫る内容のようだ。

Matthew Perry: A Hollywood Tragedy 予告編

さらに『フレンズ』は世界的に愛される作品であり、マシュー・ペリー演じるチャンドラー・ビングは多くのファンにとって特別な存在だった。ドキュメンタリーの最後では、ファンが彼の死を悼む様子が映し出され、ジャーナリストたちは「彼は永遠に『フレンズ』の友人であり続ける」と語る。

マシュー・ペリーの成功と孤独、そしてその先にあった悲劇を振り返るこのドキュメンタリーは、彼の人生を知るうえで貴重な作品だと言えるだろう。

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