俳優でアーティストのウィル・スミス(56)が、ラスベガスで行われた復帰ライブで感極まり涙を見せた。スキャンダルや家族問題を乗り越えての“再出発”に、観客からは惜しみない拍手が送られた。
2022年のアカデミー賞授賞式での“ビンタ事件”以来、注目と論争の渦中にあったスミスが、約20年ぶりのアルバムを携えて音楽活動を本格再始動させた。
TMZによると、3月21日(現地時間)にラスベガスの「ハウス・オブ・ブルース」で行われた初公演で、ウィル・スミスは「ワイルド・ワイルド・ウエスト」「メン・イン・ブラック」などの代表曲に加え、自身の人生に深く結びついた楽曲を披露。観客を魅了する一方で、感情を抑えきれず涙を流す場面もあった。
長男の誕生と恩人への追悼
特に、1997年の楽曲「Just the Two of Us」では、長男トレイさんの誕生を「恐ろしいほど大変だった」と回想。この経験が同曲のインスピレーション源になったと語り、父としての想いを滲ませた。
さらに、ドラマ『フレッシュ・プリンス・オブ・ベルエア』で共演した故ジェームズ・エイヴリーさん(“アンクル・フィル”役)への想いにも触れ、感極まりながらその存在の大きさを語った。
会場にはスミスの母親の姿もあり、彼がステージ上から「ママ、来てくれてありがとう」と温かく声をかけるシーンでは、客席から大きな拍手が起こった。
その後は新曲「You Can Make It」を紹介しながら、「誰もが何かしらの困難を抱えている」と観客に語りかけ、自身がかつて恐れや怒りといった感情を抑圧していた過去を振り返った。
観客との心の距離を縮めた感動的な場面は、以下の動画から視聴できる。
“ビンタ事件”以降の苦悩と、復活への一歩
ウィル・スミスといえば、2022年の第94回アカデミー賞授賞式で、司会のクリス・ロックに対し平手打ちを見舞った騒動が記憶に新しい。この事件を受け、アカデミーから10年間の出席停止処分を受けるなど、キャリアに大きな影響を及ぼした。
さらに、妻で女優のジェイダ・ピンケット・スミスとの関係を巡る報道も続いており、近年は別居や不仲説がたびたびメディアに取り上げられてきた。こうした背景もあり、今回の復帰ライブは「再出発」として多くの注目を集めていた。
20年ぶりのアルバムと異例のツアー会場
ウィル・スミスは、3月28日に20年ぶりとなるアルバム『Based on a True Story』をリリース予定。DJジャジー・ジェフや息子ジェイデン・スミスらとのコラボ曲を含む作品となっており、それに伴うツアーも発表された。
特に英国公演では、ロンドンやマンチェスターなどの大都市だけでなく、スカボローやウルヴァーハンプトンといった意外な地域での公演も決定。SNS上では「なぜこの場所?」「想像の斜め上」といった声が相次ぎ、話題を呼んでいる。
スミスはSNSで「これまで一度も単独ツアーをしたことがなかった。ファンの皆とつながるのが待ちきれない」とコメントしており、今後の動向にも注目が集まっている。

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