イライジャ・ウッド、「ロード・オブ・ザ・リング」の出演料は驚きの安さだった その理由とは

イライジャ・ウッド FILMS/TV SERIES
イライジャ・ウッド Joe Seer / Shutterstock.com
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『ロード・オブ・ザ・リング』三部作でフロド役を演じた俳優イライジャ・ウッドが、当時の出演料について語った。Varietyが伝えている。

2025年のテキサス・フィルム・アワードで取材を受けたイライジャ・ウッドは、「決して大きな額ではなかった」と明かしつつも、「それでいい」と笑顔で語っている。

世界中で大ヒットし、シリーズ全体の興行収入は約30億ドル(日本円で約4500億円)にも上った名作だが、実は出演者たちのギャラは意外にも控えめだったというのだ。

2024年には、ガラドリエル役のケイト・ブランシェットもテレビ番組に出演し、「ギャラなんてほとんどなかった。もらえたのはサンドイッチとエルフの耳くらい」とジョーク交じりに話して話題になった。イライジャ・ウッドもこのコメントについて「本当に面白い。怒りなんて全然ないよ」と語り、「あの作品に関われたことは、人生の中でも特別な経験だった」と振り返っている。

 

一般的なメジャー映画と比べて際立つ“安さ”

実際にどれくらいの額だったのか。レゴラス役のオーランド・ブルームは、三部作すべての出演料がたったの17万5千ドル(約2600万円)だったと明かしている。また、サム役のショーン・アスティンも、3作合わせて25万ドル(約3700万円)ほどだったと語っている。

イライジャ・ウッド自身のギャラは正確には明かされていないが、アスティンと同程度かそれ以下だった可能性もある。ただ、イライジャ・ウッドは「金額なんて関係ないよ。あの作品が自分の人生に与えてくれたものは、プライスレスだった」と語っている。

この額がどれだけ“少ない”のか、他のメジャー映画と比べるとよくわかる。たとえば、『アベンジャーズ/エンドゲーム』でアイアンマンを演じたロバート・ダウニー・Jrは、一作だけでおよそ7500万ドル(約110億円)を手にしたといわれている。ウィル・スミスは『メン・イン・ブラック3』で約2000万ドル(約30億円)、ジェニファー・ローレンスも『ハンガー・ゲーム』の最終作で約1500万ドル(約22億円)のギャラを得ていた。

そんな中、『ロード・オブ・ザ・リング』の俳優たちが数千万円単位のギャラだったというのは、まさに“異例”と言ってもいいだろう。

 

3本同時撮影という異例のスケジュール

ではなぜ、それほどまでに出演料が低かったのだろうか。その背景には、ちょっと変わった撮影スタイルがあった。

『ロード・オブ・ザ・リング』三部作は、当時まだあまり例のなかった“3作品一括撮影”という手法で作られていた。普通なら、1作目のヒットを受けて次作の契約を見直すことができるが、このシリーズでは最初にまとめて契約を結んだため、あとからギャラを上げる交渉の余地がなかったのだ。

イライジャ・ウッドは、「僕たちは3本の映画を一気に撮った。だから、一作ごとに契約を更新してギャラを増やすみたいなチャンスはなかったんだ」と説明している。また、製作会社のニュー・ライン・シネマにとっても、当時は大きな挑戦だったそうで、「あれだけの規模の作品を一気に撮影するのはリスクが大きかったから、俳優たちへのギャラを抑えて実現したんだと思う」とも語っている。

とはいえ、イライジャ・ウッドは「お金よりも、作品の中で何を得られたかが大事だった」と語る。『ロード・オブ・ザ・リング』は、単なる映画ではなく、俳優たちの人生を変えるほどの経験だったのだ。

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